抗生物質・抗ウイルス薬などの粉薬と錠剤の換算表【この薬はいつから錠剤に出来る?】

抗生物質・抗ウイルス薬などの粉薬と錠剤の換算表【この薬はいつから錠剤に出来る?】

抗生物質の粉薬は苦いものが多いので、低年齢から錠剤を希望されることが多いです。

子どもに使われる抗生物質の粉薬が1回何gから錠剤やカプセル剤などに変更が出来るのかを調べました。

換算表の後の注意点もご確認ください。

抗生物質・抗ウイルス薬などの粉薬と錠剤の換算表

1列目は成分名
2列目以降は代表的な商品
規格
GE(ジェネリック)だけの規格もあり
錠剤/カプセル変更可能
最低量(1回量)
ペニシリン系アモキシシリン
サワシリン
パセトシン
ワイドシリン
細粒10%、20%
錠250mg
カプセル125mg、250mg
10%なら1.25g
20%なら0.625g
スルタミシリントシル酸塩
ユナシン
細粒10%
錠375mg
3.75g
セフェム系セファレキシン
ケフレックス
細粒10%、20%
ドライシロップ50%(日医工のみ)
錠250mg
カプセル125mg、250mg
10%なら1.25g
20%なら0.625g
50%なら0.25g
セファクロル
ケフラール
細粒10%、20%(20%は日医工)
カプセル250mg
2.5g
セフジニル
セフゾン
細粒10%
カプセル50mg、100mg
錠50mg、100mg(錠剤はGEのみ)
0.5g
セフジトレンピボキシル
メイアクトMS
細粒10%
錠100mg
1g
セフィキシム
セフスパン
細粒5%
カプセル50mg、100mg
1g
セフテラムピボキシル
トミロン
細粒10%、20%(10%はGEのみ)
錠50mg、100mg
10%なら0.5g
20%なら0.25g
セフポドキシムプロキセチル
バナン
ドライシロップ5%
錠100mg
2g
セフカペンピボキシル
フロモックス
細粒10%
錠75mg、150mg
0.75g
ペネム系ファロペネムナトリウム
ファロム
ドライシロップ10%
錠150mg、200mg
1.5g
マクロライド系エリスロマイシンエチルコハク酸エステル
エリスロシン
ドライシロップ10%、20%
顆粒20%
錠100mg、200mg
10%なら1g
20%なら0.5g
クラリスロマイシン
クラリス
クラリシッド
ドライシロップ10%
錠剤50mg、200mg
0.5g
アジスロマイシン
ジスロマック
細粒10%
カプセル100mg
錠100mg、250mg、500mg、600mg
(錠剤の100mgと500mgはGEのみ)
1g
ジョサマイシン
ジョサマイ
ドライシロップ10%
シロップ3%
錠50mg、200mg
ドライシロップは0.5g
シロップは16.7mL
テトラサイクリン系ミノサイクリン
ミノマイシン
顆粒2%
錠・カプセル50mg、100mg
(100mg錠はGEのみ)
2.5g
ニューキノロン系トスフロキサシントシル酸塩
オゼックス
トスキサシン
細粒15%
錠60mg、75mg、150mg
0.4g
その他
抗生物質
ホスホマイシンカルシウム
ホスミシン
ドライシロップ20%、40%
錠250mg、500mg
カプセル250mg、500mg(GEのみ)
20%なら1.25g
40%なら0.625g
ST合剤
バクタ
バクトラミン
配合顆粒(1g=1錠)
配合錠
1g
抗ウイルスアシクロビル
ゾビラックス
ビクロックス
アストリック
顆粒40%
ドライシロップ80%(アストリック)
シロップ8%(ビクロックス)
錠200mg、400mg
内服ゼリー200mg、800mg(GEのみ)
顆粒なら0.5g
ドライシロップなら0.25g
シロップなら2.5mL
バラシクロビル塩酸塩
バルトレックス
顆粒50%
錠500mg
粒状錠500mg(モチダのみ)
1g
オセルタミビルリン酸塩
タミフル
ドライシロップ3%
カプセル75mg
2.5g
(37.5kgから)
抗寄生虫ピランテルパモ酸塩
コンバントリン
ドライシロップ10%
錠100mg
1g

この換算表はあくまで目安です。

続いて注意点を挙げます。

換算表の注意点

子どもに使うことを想定しているので、原則的に子どもに使われない薬(例えばレボフロキサシンなど)は載せていません。

粉薬しかないもの(クラバモックスなど)や、錠剤しかないもの(ゾフルーザなど)も載せていません。

 

・当然ですが、錠剤やカプセル剤が問題なく飲めることが前提です。

抗生物質は特に飲み切ることが必要な薬です。

錠剤を飲む練習は、基本的に飲めなくても問題ない薬(例えば風邪薬や整腸剤など)で試してみたほうが良いでしょう。

 

・一般的に、カプセル剤は錠剤よりも飲みにくいとされます。

例えば、サワシリンカプセル250mgは、サワシリン錠の125mgよりも大きく飲みにくいです。

このように、低年齢においては、カプセル剤と錠剤は分けて考えたほうが良いでしょう。

 

粉薬は苦味を感じにくくするような工夫をされていることがほとんどですが、カプセルや錠剤は味の考慮がされていません。

そのため、粉砕した錠剤や、カプセルの中身を空けて中だけ飲むのは、粉薬よりも飲みにくい味のことが多いです。

「飲めなかったら割ります」では済まないこともありますのでご注意ください。

薬の種類によっては粉砕やカプセルの中を空けてはいけないものもあります。
医師や薬剤師に確認せずにそのようなことはしないようにお願いします。

 

実際の処方量や回数は、病気の種類や医師の判断で異なります。

そのため、「体重○kgから錠剤に変更出来る」と考えることは難しいです。

「粉薬○gなら、錠剤○mgと同量」という考え方で作成しています。

 

年齢・体重に応じて量が微調整できるのが粉薬などの特徴です。

一度錠剤になっても、体重が増えたことによって粉薬に戻ることもあります。

例えば、アモキシシリンのカプセル剤は125mgと250mgありますが、150mgや200mgなどはありません。

適正量を使用するために、粉薬を選択せざるを得ないケースもあります。

どうしても粉薬で飲めない場合はオブラートや空カプセル利用

錠剤やカプセル剤が使えないのはわかったけど、どうしても粉では飲めないという方もおられます。

そういうときは、オブラートや空のカプセルを紹介するようにしています。

ただし、薬の量によってはカプセル一つに入り切らないこともあります。

 

日本薬局方の人体用カプセルとして最大の000号カプセル(全長2.6cm程度)には、目安として1gの粉薬が入ります。

例えば、ユナシン顆粒を1回3g服用する場合、000号カプセルを1回に3個ほど飲む必要があります。

 

なお、同量のユナシン顆粒を最小の5号カプセル(全長1.1cm程度)に入れる場合、1回100カプセルほど飲む必要があります。

また、カプセルに薬を入れるのもかなり手間ですので、オブラートを利用したほうが楽でしょう。

どちらも薬局やドラッグストアで売っていますで、問い合わせてみると良いでしょう。