タミフル(オセルタミビル)の使い方・副作用とジェネリックとの違い【乳糖の有無】

タミフルと言えば、一時期子どもの異常行動につながると言われており、あまり印象が良くない方もいるかもしれません。

しかし、インフルエンザ治療薬の使用の有無に関わらず異常行動が報告されており、インフルエンザであること自体が異常行動のリスクであると認識されています。

 

また、タミフルは世界的にもデータの多い薬であること、ジェネリックが発売されコスト面でもメリットがあることなどから、選択されるケースが増えてきているように感じます。

タミフル(成分名:オセルタミビル)の使い方や副作用、ジェネリックに変更する際の注意点などについてまとめます。

タミフルの使い方

タミフルの使い方【治療】

タミフルをインフルエンザ治療に用いる場合、1日2回5日間服用です。

1回の服用量は年齢及び体重により変わります。

  • 成人および37.5kg以上の子どもには、1回1カプセル(ドライシロップ製剤として2.5g)
  • 1歳~37.5kgの子どもには、1回ドライシロップ製剤として66.7mg/kg
  • 1歳未満の子どもには、1回ドライシロップ製剤として100mg/kg

1歳直前の子と、1歳直後の子では量が逆転しますが、これが通常の量になります。

 

なお、海外においては体重群によって量が固定されています。

こちらの表では、オセルタミビルとしての量で記載されています(タミフル1カプセルが75mg換算です)。

体重固定用量
15kg以下1回30mg
15kgを超え23kg以下1回45mg
23kgを超え40kg以下1回60mg

治療ではこの量で1日2回、予防ではこの量を1日1回で使うようです。

 

タミフルの効果としては、インフルエンザ発症2日以内に飲み始めることで、発熱時間などを1日程度短縮します。

母 疑問
たった1日?
しか
他のインフルエンザ治療薬の効果もその程度です。

インフルエンザが重症化しやすいハイリスク群(小さい子どもや、気管支疾患のある方も含みます)は、治療の必要性が高いとされます。

健康成人はインフルエンザになったとしても、治療薬を使うメリットはそこまで大きくありません。

タミフルの使い方【予防】

タミフルにはインフルエンザ予防効果も認められています。

インフルエンザ様症状を示す人と同居している13歳以上の人に対して行われた試験では、プラセボ使用群は12%発症に対してタミフル使用群では1%でした。

絶対に感染しないというわけではありませんが、ある程度の効果はありそうです。

別のインフルエンザ治療薬を予防投与したにも関わらずインフルエンザで高熱になった方も知っていますので、100%は期待しないようにしましょう。

 

タミフルをインフルエンザ予防に用いる場合の使い方は以下の通り。

  • 成人には、1回1カプセル(ドライシロップ製剤として2.5g)を1日1回7~10日間
  • 37.5kg以上の子どもには、1回1カプセル(ドライシロップ製剤として2.5g)を1日1回10日間
  • 1歳~37.5kgの子どもには、1回ドライシロップ製剤として66.7mg/kgを1日1回10日間

予防に使用する場合は保険適応外なので、自費での支払いとなります。

タミフルの副作用・過量投与

<タミフルカプセル 75>
カプセル剤の承認時までの臨床試験 309 例において、副作用は、85 例(27.5%)に認められた。主な副作用は、腹痛 21 件(6.8%)、下痢 17 件(5.5%)、嘔気 12 件(3.9%)等であった。(承認時)
製造販売後の調査 4,211 例において、副作用は 90 例(2.1%)に認められた。主な副作用は、下痢 22件(0.5%)、悪心 12 件(0.3%)、腹痛 11 件(0.3%)、発疹 10 件(0.2%)等であった。[再審査終了時(治療)]
<タミフルドライシロップ 3%>
ドライシロップ剤(1~12 歳の幼小児)の承認時までの臨床試験 70 例において、副作用は 35 例(50.0%)に認められた。主な副作用は、嘔吐 17 件(24.3%)、下痢 14 件(20.0%)等であった。(承認時)
製造販売後の調査 2,814 例において、副作用は 161 例(5.7%)に認められた。主な副作用は、下痢63 件(2.2%)、嘔吐 40 件(1.4%)、低体温 23 件(0.8%)、発疹 22 件(0.8%)等であった。[再審査終了時(治療)]
引用:タミフルインタビューフォーム

タミフルの副作用としては、下痢や嘔吐、腹痛などの消化器関連が多いです。

下痢や嘔吐になる方は、私個人の印象としても多いです。

 

消化器系の副作用を減らしたい場合、吸入薬(リレンザなど)の使用のほうが良いかもしれませんが、個人的には10歳未満の使用は少しむずかしいと考えています。

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なお、タミフルの過量投与時には、「嘔吐」、「傾眠」、「浮動性めまい」等が報告されています。

タミフルとジェネリックのオセルタミビル「サワイ」の違い

タミフルはジェネリックが発売されています。

医療費や飲みやすさの観点から、基本的にはジェネリックをおすすめすることが多いです。

しかし、私の心配し過ぎかもしれませんが、【重度の乳製品アレルギーのあるお子さん】はジェネリックを選択しない方が良いかもしれません。

タミフルカプセルとオセルタミビルカプセル「サワイ」の違い

タミフルカプセルオセルタミビル「サワイ」
添加物部分アルファー化デンプン、ポビドン、クロスカルメロースナトリウム、タルク、フマル酸ステアリルナトリウム、ゼラチン、黒酸化鉄、酸化チタン、三二酸化鉄、黄色三二酸化鉄、ラウリル硫酸ナトリウムクロスカルメロースNa、タルク、部分アルファー化デンプン、ポビドン、酸化チタン、酸化鉄、三二酸化鉄、ゼラチン、ラウリル硫酸Na
カプセルの大きさ2号(長径17.8mm)3号(長径16.0mm)

添加物には大きな違いはありませんが、カプセルの大きさがジェネリックのほうが小さいです。

カプセルは飲みにくいという意見も多いので、一回りサイズが小さいのはメリットです。

ちなみに

添加物の違いにより、わずかに吸収などに影響が出る可能性はありますが、それによって効果に大幅な変化が出る可能性はかなり低いでしょう。

そのような経験がある場合、先発とジェネリックの差よりも、プラセボ(ノセボ)効果のほうが大きいと考えています。

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タミフルドライシロップとオセルタミビルDS「サワイ」の違い

タミフルドライシロップオセルタミビルDS「サワイ」
添加物エリスリトール、ポビドン、トウモロコシデンプン、アセスルファムカリウム、サッカリンナトリウム水和物、軽質無水ケイ酸、ショ糖脂肪酸エステル、デキストリン、中鎖脂肪酸トリグリセリド、香料アセスルファムK、軽質無水ケイ酸、サッカリンNa、タウマチン、トウモロコシデンプン、乳糖、バニリン、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、l-メントール、香料
味(私の感想)甘みと苦味グレープフルーツ風味

添加物にいくつか違いはありますが、気になるのは「乳糖」です。

 

乳糖は吸入薬と注射薬を除けば、牛乳アレルギーを誘発することはほぼないと言われています。

乳糖を含む飲み薬はたくさんありますが、日本小児アレルギー学会の「食物アレルギー診療ガイドライン」でも、制限の対象外ですし、ほとんどの乳製品アレルギー患児にとっては除去する必要がないでしょう。

 

ほとんど問題ないと言えますが、重度のアレルギー患者さんに限っては、念のため注意しておいたほうが良いと考えています。

 

なお、今回のケースではジェネリックに乳糖が含まれていましたが、先発品にのみ乳糖が含まれるケースもあります。

例えば抗生物質のバナンドライシロップ5%(先発品)には乳糖が含まれていますが、ジェネリックのセフポドキシムプロキセチルDS小児用5%「サワイ」には含まれていません。

 

このように、アレルギーがあることを伝えることで、不要なリスクを減らせる可能性ががあります。

病院だけでなく、薬局でもアレルギーを伝えることはとても大切です。

 

 

また、タミフルドライシロップとジェネリックでは味にも違いがあります。

味の違いについては以下の記事でまとめていますが、ジェネリックのほうが違和感のない味だという印象です。

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タミフルは世界中で使われており、データも集まっていますし、ジェネリックを使えばインフルエンザ治療薬の中で圧倒的に安いコストで治療できます。

消化器系の副作用など気になる点がありますが、基本的にはインフルエンザ治療に対しての第一選択薬はタミフル(オセルタミビル)だと考えています。

インフルエンザ治療薬全般について以下の記事でまとめています。

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