ケフレックスとL-ケフレックスの味や飲み方について紹介しています。
まず、「ケフレックス」と「L-ケフレックス」は明確に違うという点を押さえておきましょう。
どちらも第1世代の経口セフェム系抗生物質のセファレキシンを成分とする薬ですが、用法や飲み方の注意が大きく異なります。
「ケフレックス」は1日4回服用する薬、「L-ケフレックス」は1日2回で効果が継続する薬です。
主な製品は以下の通りです。
- ケフレックスカプセル250mg
- ケフレックスシロップ用細粒100
- ケフレックスシロップ用細粒200
- L-ケフレックス顆粒
- L-ケフレックス小児用顆粒
似た名前の薬に、ケフラールとL-ケフラールがありますが、別の薬です。
まずは「ケフレックス」から紹介します。
ケフレックスシロップ用細粒の味と飲み方
ケフレックスにはカプセル剤もあり、20kgから飲める成分量ではありますが、少々大きめな2号カプセルです。
20kgのお子さんにとっては大きく感じることが多いのではないかと思います。
そのため、主に子どもに使われるのは、ケフレックスシロップ用細粒100もしくは200でしょう。
ケフレックスシロップ用細粒は、100がオレンジ色で200が赤めのオレンジ色と、見た目の色には少々違いがありますが、味はほとんど変わりません。
少々不思議な匂いはありますが、甘味があり、苦味も感じません。
水でも飲みやすい抗生物質だと感じます。
「ケフレックス」の飲みにくさは、味よりも薬の嵩(かさ)と服用回数だと言えるでしょう。
通常、体重20kg未満は1日25~50mg/kg/日を4回に分けて6時間毎に服用、20kg以上(成人も含む)は1回250mgを6時間毎に服用します。
どこまで厳密にするのかによりますが、「6時間毎に服用」するのは10時間は寝るであろうお子さんにはかなり使いにくいと言えます。
もちろん、大人でも大変です。
食後のほうがわずかに吸収は遅くなりますが、吸収量には変わりがないので、食前/食後はあまり気にしなくて良いでしょう。
それよりも、「6時間毎に飲む」ことの方が重要です。
また、体重20kgであれば細粒100を1回2.5g、200なら1回1.25g程度飲む必要がありますが、嵩が多く飲みにくいと言われます。
光に当たることで色が落ちていくことがありますので、保存する際には光に注意をお願いします。
※有効成分の苛酷試験及び長期保存試験の結果を見ると着色したものは有効成分の含量が減っているが、製剤の安定性試験を見る限り影響は大きくなさそうではあります。
なお、ジェネリック扱いの製剤として、セファレキシンドライシロップ小児用50%「日医工」500mgがあります。
扱ったことはありませんが、添付文書によると白色でオレンジ色のドライシロップとのことです。
先発にはない50%製剤なのが特徴で、嵩を減らすことができるメリットがあります(体重20kgなら1回0.5g)。
L-ケフレックス顆粒の味と飲み方
「ケフレックス」の効果時間を長くした結果、服用回数が減って飲みやすくなった製剤が「L-ケフレックス」という認識で良いでしょう。
「L-ケフレックス」は、2種類の顆粒(胃で溶けるものが3割、腸で溶けるものが7割)を配合することで、1日2回でも効果が続くようになっています。
一方、薬を飲む際の注意点もいくつか増えます。
腸で溶ける顆粒のコーティングを剥がしてしまうと、「ケフレックス」と同様に効果時間が短くなってしまいます。
十分な効果時間を得るために、以下の点にはご注意ください。
- 顆粒を壊さないように、噛んだり潰したりせずに飲むこと
- 制酸剤などと併用しないこと
- 何かに混ぜる場合は、飲む直前に混ぜること
主に子どもに使われるL-ケフレックス小児用顆粒は薄めのオレンジ色でわずかに甘味を感じます。
コーティングもあるので、特に苦味も目立ちません。
L-ケフレックス顆粒はかなり薄めのオレンジ色で甘味はほとんどありませんが、やはり苦味も目立ちません。
どちらも問題なく飲める味ではないかと思います。
また、これは主に調剤(むしろ処方時)の注意ですが、原則として分包品のままお渡しすることが大切です。
分包品は胃で溶ける顆粒と腸で溶ける顆粒が3:7になるように工場で作られています。
しかし、それを一度開封した後に再分包して、きっちり3:7にすることは無理とすら言えます。
そのため、1回(整数)包で調剤(処方)することがポイントになります。
裏を返せば、1回(整数)包に出来ないのであれば、「L-ケフレックス顆粒」の効果が不十分になる可能性があります。
そこは薬剤師がきっちり確認しなければならない点だと考えています。
L-ケフレックス顆粒は1包当たりの成分が500mg、L-ケフレックス小児用顆粒は1包当たりの成分が200mgです。
体重20kg未満は1日25~50mg/kg、20kg以上の子どもや成人には1日1gの量を朝夕食後の2回に分けて服用しますが、このままでは分包品をうまく使えません。
そのため、以下のように考えます。
L-ケフレックス顆粒の分包品を再分包しないことを前提に考えるのであれば、通常は以下の量を目安と考えることができます。
「L-ケフレックス」に関しては、食後服用よりも空腹時服用の方が血中濃度の持続時間が短くなります。
添付文書通り、朝夕食後の服用が好ましいでしょう。
長期間保管する場合は、湿度や光を避けるようにしてください。