【小児調剤】初めての錠剤になりやすい薬のメーカーごとのサイズ比較【抗生剤・頻用薬版】

【小児調剤】初めての錠剤になりやすい薬のメーカーごとのサイズ比較【抗生剤・頻用薬版】

錠剤は保存や持ち運びのしやすさや苦味が目立たないなど、粉薬やシロップと比較するとメリットも多いです。

しかし、当然ながら小さい子は錠剤を飲めません。

 

子どもに錠剤を初めて試すタイミングに決まりはありませんが、一つの基準として「カプセルや直径6mmを超える錠剤や丸剤は5歳未満は服用しないこと」とされています。

錠剤が飲めるかどうかは個人差が大きく、5歳未満でも錠剤が飲めるお子さんもいれば、錠剤が苦手な大人もいます。

しかし、小さい子どもが錠剤を飲む場合には窒息などにも注意が必要なため、やはり5歳程度までは避けたほうが良いと考えます。

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このように、小さい子に錠剤を試す場合には注意すべき点もありますが、それでも錠剤を希望されることがあります。

保護者の方が錠剤を強く希望される理由の一つとして「苦い粉薬が飲めない」ことが挙げられます。

苦い成分の場合、錠剤をまるっと飲み込めれば、粉薬ほどの苦味を感じずに済むことは間違いありません。

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同じ成分の錠剤であっても、先発品やジェネリック医薬品などで大きさが異なることは珍しくありません。

お子さんが初めて飲むことが多そうな薬の一部をピックアップし、色々なメーカーのサイズを比較してみたいと思います。

なお、錠剤サイズは2021年2月上旬時点での情報であり、今後サイズが変わったり、メーカーが増減したりすることも予想されることはご理解下さい。

クラリスロマイシン錠50・200のサイズ比較

クラリスロマイシンは子どもにも使用されることの多い抗生物質ですが、とても苦い成分のため粉薬を飲むのも一苦労です。

そのため、粉を嫌がるので錠剤を試したいと希望されることも多く、結果的に「初めて飲む錠剤」になることもあるため、特にサイズの小さい錠剤を希望されることが多いです。

子どもが初めて飲む場合は「クラリスロマイシン錠50mg」を1回に何錠か飲むというケースが増えますので、特に50mg錠のサイズが小さいことが求められます。

 

クラリスロマイシン錠50mgの大きさは以下の表の通りです。

直径で見ると先発品のクラリス/クラリシッドが小さく、厚さでは「トーワ」や「日医工」が小さいです。

クラリスロマイシン50サイズ

クラリスロマイシン錠200mgについては直径では「NP」、厚さでは「トーワ」が小さいです。

「200mg錠は飲めなかったが50mg錠を4個なら飲めた」というケースも実際にありました。

自分が飲むなら200mg1錠のほうが飲みやすいですが、飲む錠数が増えたとしても小さい錠剤のほうが飲みやすいこともあると思います。

クラリスロマイシン200サイズ
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カルボシステイン錠250・500のサイズ比較

カルボシステインは子どもから大人まで使用する機会の多い成分です。

ドライシロップやシロップも一般的で味も悪くありませんし、錠剤のサイズもそこまで小さくないので、どうしても錠剤に変えたいというケースは多くないかもしれません。

一方で、抗生物質などと比較すると優先順位が高い薬とも言えないため、飲めなかった場合の影響が少ない時もあります。

そういう意味では初めての錠剤チャレンジには適しているかもしれません。

 

カルボシステイン錠250mgの直径が最も短いのは先発品のムコダイン、厚さで見ると「JG」が短いです。

カルボステイン250サイズ

カルボシステイン錠500mgは大人に処方された場合でも、「大きい」という印象を持たれることが多い薬です。

その多くが俵型の錠剤で「TCK」が最も小型と言えます(「ツルハラ」のみ丸形の錠剤です)。

カルボステイン500サイズ
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アセトアミノフェン錠200・300のサイズ比較

アセトアミノフェン自体は小さいお子さんから使われますが、坐薬、細粒、ドライシロップ、シロップなど色々な剤形があります。

坐薬は体重20kgを超えたあたりから現実的な選択肢からは外れますし、苦味もある成分なので、錠剤の需要もあります。

しかし、錠剤の選択肢は多くなく、大きさも少し大きめでもあります。

 

なお、医療従事者でも勘違いしているケースがありますが、「カロナール錠200・300」はジェネリック医薬品であり、同規格には先発医薬品がありません。

 

アセトアミノフェン錠200mgの直径が最も短いのは「マルイシ」、厚さでは「武田テバ」です。

アセトアミノフェン200サイズ

 

アセトアミノフェン錠300mgの直径が最も短いのは「マルイシ」、厚さでは「カロナール」です。

アセトアミノフェン300サイズ
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アモキシシリン錠250・カプセル125・250サイズ比較

使用頻度の高い抗生物質の一つである「アモキシシリン」の先発品には錠剤とカプセル剤がありますが、ジェネリックにはカプセル剤しかありません。

そして、アモキシシリンの錠剤とカプセル剤の大きさを比較すると、錠剤のほうが明らかに飲みやすいサイズです。

まだ大きい錠剤が飲めない子どもに使用するのであれば、ジェネリックはあまり適していないように感じます。

ただし、1回にアモキシシリンとして125mg使いたい場合かつ粉薬が苦手な場合に関しては、125mgのカプセルの需要はあるようにも感じます。

アモキシシリン錠250サイズ
アモキシシリンカプセル250サイズ
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飲みにくい薬は薬局に相談

実際に医療機関がジェネリックメーカーを選ぶ場合、「サイズが小さい」だけの理由で選ぶわけではありません。

例えば、安定した納入が予想されるか、会社からの指示、仕入れ値が安い、先発品に見た目が似ている、先発品と似た動態を示している、信頼できるメーカーを選ぶ、味が良い、サイズが小さい、などなどいくつも選択肢があります。

 

しかし、どれほど良い薬であっても、飲めない飲み薬をもらっても仕方がありません。

なんとか頑張って飲んでもらいたいですが、「頑張れ」だけでは無理なことも多いでしょう。

子どもの薬の場合、できるだけ飲みやすい飲み方を指導しますが、その前に飲みやすい薬を用意することが重要です。

 

薬局としては、錠剤なら小さめな製品、粉薬なら苦味を感じにくい製品などの服用性への考慮をしていますが、どうしても飲みにくい薬がある場合、いつもお使いの薬局にしっかり相談してみることをおすすめします。