コンバントリンの飲み方と注意点【ぎょう虫駆除|市販薬はパモキサン錠】

コンバントリンの飲み方と注意点【ぎょう虫駆除|市販薬はパモキサン錠】

ぎょう虫駆除薬のコンバントリン及び、同成分の市販薬であるパモキサン錠について紹介します。

どちらも基本的に吸収されないため副作用の心配は基本的にありませんが、ぎょう虫は家庭内感染を繰り返しやすいため、家族全体で薬を使用したほうが良いケースもあります。

 

ぎょう虫について簡単に説明した後に、コンバントリン・パモキサンについて説明します。

ぎょう虫について【かゆみあり|放置しても改善】

ぎょう虫(蟯虫)は人間の盲腸などに寄生する寄生虫ですが、産卵時(主に夜間)は肛門の周辺まで移動し、その際の分泌物がかゆみの原因になります。

 

昭和初期のころは寄生虫の保卵率は50%以上と言われていましたが、化学肥料や下水道の整備などにより現在では1%以下となっています。

ぎょう虫保卵率の低下もあり、平成28年度からは学校でのぎょう虫検査は廃止されています。

 

とはいえ、ゼロになったわけではありませんので、どこかからもらってくることはあり得ます。

特に小さい子は手をなめたりすることも多いので、感染しやすいとも言われます。

私自身も実際にぎょう虫治療薬のコンバントリンを調剤したり、パモキサン錠を販売する機会は年に数回あります。

 

家族の誰かにぎょう虫が寄生していると、夜間産卵時に無意識のうちにお尻(肛門)をかくことで手からシーツや枕、そして衣服などへと運ばれて行き、家庭内感染の原因になります。

このように、ぎょう虫はとても広がりやすいので、家族の誰か一人が検査陽性だった場合、家族全員が寄生されている可能性が高いと言われています。

 

また、ぎょう虫は放置してもいなくなるわけではありません。

家族の誰かが陽性になったら、家族全員でまとめて治療したほうが良いと考えます。

ちなみに、寝具やパジャマ・トイレなどは徹底的に洗い、手洗いなども確実に行いましょう。

 

お尻のかゆみやムズムズ感が続いて、ぎょう虫の疑いを感じたら受診を検討しましょう。

コンバントリンの飲み方や味:いつ飲むの?

続いて医療用のぎょう虫駆除薬のコンバントリンの説明に入ります。

 

コンバントリンはぎょう虫専用の薬ではなく、回虫や鉤虫、東洋毛様線虫にも効果があり、以下の2つの剤形があります。

  • コンバントリンドライシロップ100mg
  • コンバントリン錠100mg

 

10mg/Kgでの投与が基本で、体重20Kgなら200mg(ドライシロップなら2g、錠剤なら2錠)を一回飲み切りで使用します。

基本的には一回飲みきりですが、ぎょう虫の卵には効果がないとされますので、卵が成長するタイミング(2~3週間程度)に合わせて期間を空けて再度服用するように指示されることもあります。

 

コンバントリンの飲み方は「必要量を一回飲み切り」以外には特に決まりがありません。

朝でも夕でも食前でも食後でも問題ありませんので、医師から特に指示がない場合はあまりきにしなくても良いです。

あえて言うのであれば、家族みんなで飲む場合は、ある程度日程を合わせて飲んだほうが良いかもしれませんね。

 

小さい子にはコンバントリンドライシロップが処方されることが多いですが、オレンジ色の見た目とは裏腹にヨーグルト味で飲みやすいです。

コンバントリンはジュースなどに混ぜて飲んでも良いですし、粉のまま飲んでも良いです。

また、コンバントリン錠も小さめの錠剤なので、他の錠剤が飲みこめるようなら問題なく飲めるでしょう。

コンバントリンの副作用や注意点:子どもにも使います

コンバントリンはほとんど腸管から吸収されないので、副作用などが問題になる可能性は低いとされます。

添付文書の記載は以下の通り。

コンバントリン錠 100mg を投与した、9,544 例中 372 例(3.90%)に副作用が認められ、その主なものは腹痛(1.34%)、頭痛(1.17%)、悪心・嘔吐(1.16%)等であった。(副作用調査終了時)

 

ピペラジン系駆虫薬と併用すると両剤の駆虫作用が減弱するおそれがあるため併用禁忌となっていますが、まず併用することはないでしょう。

 

「2歳未満の乳・小児に対する安全性は確立していないので、2歳未満の乳・小児に投与する場合には、慎重に投与すること。」と記載があります。

しかし、ぎょう虫を放置しても改善はなく、家族内感染が問題になるので、2歳未満でもぎょう虫がいれば使われると思います。

また、コンバントリンは腸管から吸収されないので、大量に飲んでも問題になることは少ないと思います。

 

きちんと飲んだのに、ぎょう虫がいなくならない場合、寝具などの家の中の消毒が不十分であったり、家族内感染を繰り返している可能性があります。

家族も検査をして、全員で治療をしたほうが良い場合もあると思います。

市販薬:パモキサン錠は5歳から使えます

ぎょう虫治療薬を市販で買うように言われた場合や、受診していない家族も服用する場合などは、市販薬のパモキサン錠を使用してください。

 

基本的にコンバントリン錠と同じように使えば問題ありませんが、いくつか追加で注意点があります。

  • 歯に着色しないように噛まずに飲む
  • 便秘症の人は必要に応じて便秘薬を使う
  • 一回飲み切りだが、再度服用する場合は1か月は間を空ける

 

また年齢により飲む量が異なるので、しっかり確認の上服用してください。

一回服用錠数は、大人(15歳以上)が5錠、11~14歳は3錠、8~10歳は2錠、5~7歳は1錠です。

5歳未満は服用しないでください。

 

パモキサン錠は6錠入りですので、必要に応じて数箱必要です。

必要数を確認の上ご購入ください。

 

なお、頻繁に売れる薬ではないため、取り扱いがないドラッグストアもあると思います。

事前に電話で確認してから購入しに行くか、時間がない場合などはネットで購入したほうが良いかもしれません。