インフルエンザの基本と注意点【ロキソニン・イブ・バファリンなどの痛み止めや風邪薬は使わない方が良い?】

インフルエンザは症状が軽いと風邪と間違えることもありますが、風邪の時と同じ薬を使うのが適切とも言えません。

 

詳しくは後述しますが、注意していただきたい点について最初に紹介します。

・インフルエンザになった時は、いつもの痛み止めや風邪薬を使わない方が良いかもしれません。

・アスピリン(バファリンAなど)は避けましょう。

・ロキソプロフェン(ロキソニンなど)やイブプロフェン(イブや総合風邪薬など)にも注意

・アセトアミノフェン(カロナールやタイレノールなど)の解熱鎮痛剤が最も安心です。

インフルエンザの基本的な内容から順番に説明していきます。

インフルエンザの基本と潜伏期間

インフルエンザはインフルエンザウイルスが感染することで起こる気道感染症です。

インフルエンザ菌も存在しますが、この菌に感染してもインフルエンザにはなりません。

インフルエンザ菌がインフルエンザの原因と考えられていた際の名称がそのまま残っています。

 

インフルエンザの潜伏期間は通常1~2日で、最長で7日と言われています。

インフルエンザ症状が出る前日には、すでに周りに感染させる可能性があります。

 

発症後も7日程度は周りに感染させる可能性があります。

早めに症状がおさまっても、感染を拡げないように注意しましょう。

インフルエンザの症状と治療【二峰性の発熱に注意

インフルエンザの症状【二峰性の発熱に注意しましょう】

インフルエンザは感染してから数日の潜伏期間があり、その後発熱・頭痛・気だるさ・関節痛などが出てきます。

その後、咳や鼻水などが出てきて、1週間経たずに多くの症状が無くなっていきます。

咳については、インフルエンザの後も数週間症状が続く方が多いようにも感じます。

 

風邪より熱などの症状が重いと言われますが、必ずしもそうとも限りません。

風邪だと思ってたらインフルエンザだったという人も少なくはないです。

 

インフルエンザの場合、二峰性の発熱(一度熱が下がってから再発熱すること)が見られることもあります。

一度熱が下がったと思っても、気は抜かない方が良いかもしれません。

治療薬によって二峰性の発熱の頻度が変わるという報告や、どの治療薬でも特に変わらないという報告もあります。

インフルエンザの治療 →安静にするのが一番です

インフルエンザは基本的には薬を使わなくても、栄養を摂って安静にしていれば治ります。

ただし、小さい子どもや高齢者など、リスクの高い人は受診をするようにしましょう。

元気な方でも合併症などで想定以上に重たい病状になることはあります。

子どもは、けいれんの原因になったりぜんそくが悪化したりすることが多い印象です。

 

子どもの場合は学校保健法でインフルエンザになったときの休みの日数が決まっています。

「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで出席停止」です。

発症した日を含めて6日程度は休むのが基本ですが、熱が何日も続くようならそれ以上休むことになるかもしれません。

 

大人も可能であれば仕事を休んで安静にしていて欲しいと思っています。

インフルエンザの治療薬について

インフルエンザには治療薬がありますが、劇的に効くようなものではありません。

発症から48時間以内に治療を始めたら、解熱が1日早くなるという程度です。

 

1回飲んだら治療が終わる薬でも、すぐに治るわけではありません。

インフルエンザになったら、薬を飲んで熱が下がっても、数日間は感染源になり得ることは忘れないようにしましょう。

 

インフルエンザの治療薬については以下の記事にまとめています。

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インフルエンザ治療薬の効果を考えると、しんどい思いをしてまで病院や薬局で長時間待つことが良いかはわかりません。

それでも「インフルエンザ」という証明をもらうために、受診せざるをえないケースがあるのも事実です。

インフルエンザの時にはイブやロキソニン、バファリンなどの痛み止めは避けた方が無難

インフルエンザの時には、いつもの痛み止めや風邪薬に注意!

インフルエンザになった時は、いつも使っている痛み止めや風邪薬を使わない方が良いかもしれません。

 

インフルエンザになると頭痛・関節痛・熱などがあり、薬を使いたいケースは多いです。

しかし、インフルエンザ発症時に一部のNSAIDsと呼ばれる解熱鎮痛剤を使うと、【ライ症候群】のリスクが上がるという報告があり、【インフルエンザ脳症】についても、関連があるとも言われています。

 

ライ症候群やインフルエンザ脳症の発症報告は、ほとんどが子どもですが、大人なら大丈夫とも言い切れません。

ライ症候群やインフルエンザ脳症が発症することは稀ですが、どちらも命に関わったり、後遺症が残ることがあります。

発症するリスクは少しでも低くしたいですね。

 

リスクを最大限に減らすという観点から考えると、市販の痛み止めや風邪薬でインフルエンザの際に安全に使える薬は少ないです。

バファリンAなどのアスピリン(アセチルサリチル酸)には最も注意

アスピリンはライ症候群のリスクを高めるという報告があるので、インフルエンザの時には避けましょう。

ただし、アスピリンを定期薬として処方されている場合(子どもなら川崎病など)には、自己判断で中止しないようにしてください。

中止することによって、別のリスクが上昇する恐れがあります。

 

アスピリンが含まれている市販薬には、バファリンAやエキセドリン、バイエルアスピリンなどがあります。

バファリンには種類がたくさんありますが、バファリンA以外にはアスピリンは含まれていないはずです(必ず使用前にご確認ください)。

ロキソニンなどのロキソプロフェンを控えた方が良いと考える理由

ロキソプロフェンが明確にライ症候群のリスクが上がるという報告はありませんが、ライ症候群が疑われる症例もあります。
参考:ロキソプロフェンナトリウムによるReye症候群

 

ロキソニンと言えば日本ではメジャーな薬ですが、海外ではほとんど使われていません。

そのため、世界的に多く使われている解熱鎮痛剤と比較するとデータが少ないとも言えます。

インフルエンザの時にロキソプロフェンを選ぶ積極的な理由は乏しいです。

イブなどのイブプロフェンはリスクは比較的低いが一応注意

イブプロフェンも、明確にライ症候群のリスクが上がるという報告はありません。

世界的にも多く使われていますし、ロキソプロフェンのようにデータに乏しいわけでもありません。

NSAIDsの中では比較的リスクは少ないと考えています。

 

ただし、イブプロフェンの副作用の報告は「発熱症状または、インフルエンザの際に使用した時」がほとんどです。
参考:Working Towards an Appropriate Use of Ibuprofen in Children: An Evidence-Based Appraisal.

 

また、実際にイブプロフェンの影響が疑われる急性脳症の症例もあります。
参考:小児のライ症候群等に関するジクロフェナクナトリウムの使用上の注意の改訂についての別紙1の3
※タイトルはジクロフェナクですが、NSAIDs全般のデータです。

 

イブプロフェンはNSAIDsの中ではインフルエンザの時に最も安心して使えると考えていますが、念のため注意をしたほうが良いかもしれません。

※イブプロフェンはインフルエンザの時に処方されることもありますし、過度な心配は不要とも考えています。

インフルエンザの時に風邪薬は使っていいのか?

いわゆる風邪薬には色々な成分が入っています。

市販の風邪薬であれば、前述のイブプロフェンが入っている商品が多いです。

 

また、医療用の総合風邪薬と言えば、「PL配合顆粒」や「ピーエイ配合錠」の印象が強いですが、どちらにも「サリチルアミド」という成分が含まれています。

このサリチルアミドにも注意が必要で、PL配合顆粒、ピーエイ配合錠ともに、添付文書に以下の注意があります。

サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの,米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので,本剤を 15 歳未満の水痘,インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが,やむを得ず投与する場合には,慎重に投与し,投与後の患者の状態を十分に観察すること。
引用:PL配合顆粒添付文書

 

インフルエンザの時でもリスクの少ない市販の風邪薬もありますが、何でも良いというわけではありません。

インフルエンザの時にはいつも使っている薬を避けたほうが良いこともあるということは知っておいてください。

アセトアミノフェンならインフルエンザでも安心【カロナール・タイレノール】

インフルエンザの時に最も安全性が高い解熱鎮痛剤は、【アセトアミノフェン】という成分です。

病院でもインフルエンザの時に処方されるのは「カロナール」、「アセトアミノフェン」、「アンヒバ坐薬」などが多いと思います。

アセトアミノフェンは使用例が多く、データも集まっています。

 

市販薬ならタイレノールがアセトアミノフェン単剤の薬です。

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ちなみに我が家の数少ない常備薬の一つはタイレノールです。

一つ注意点として、市販のタイレノールの用法用量は、医療用のアセトアミノフェンと比較すると量が少ないです。

市販の薬とはいえ、もう少し適切な量を使えるようにしたほうが良いと考えています。

※記載された用法用量を守らないと「医薬品副作用被害救済制度」の対象外になるので、用法用量を守って適切にご使用下さい。

 

解熱鎮痛剤としてアセトアミノフェンを含めた2種類の成分が入っている薬もあります。

それを判断することが難しい場合もあると思いますので、インフルエンザ疑いがあるときには専門家に相談することをおすすめします。

 

お子さんに使う場合は、錠剤なら「小児用バファリンチュアブル」がアセトアミノフェン含有で3歳から使えます。

チュアブルタイプで溶けるので、錠剤が飲めないお子さんでも大丈夫です。

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アセトアミノフェンの坐薬なら、「こどもパブロン坐薬」が1歳から使えます。

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これらの薬はドラックストアで売っていることが多いですが、わからなければ店員さんに聞いてみてください。

インフルエンザの時に、ロキソニン・イブ・バファリン・風邪薬などを飲んでしまったら?

いつもの痛み止めや風邪薬を飲んだあとに、インフルエンザだと発覚することもあると思います。

ここまでの説明で不安を覚えてしまった方もおられると思いますが、ライ症候群になる可能性は高くありません。

私もインフルエンザと気づかずにイブやロキソニンを飲んだことがありますが、やはり何ともありませんでした。

それでも、リスクを減らすために、今後注意することは重要だと考えています。

 

アセトアミノフェンを常備しておくといざというときに安心です。

タイレノールは多くのドラッグストアでも売っているので、何かのついでに購入しておいても良いでしょう。

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薬にリスクはつきものですが、治療に薬が必須とされる病気はたくさんあります。

薬のリスクを最小化するために、薬剤師を活用してください。

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