お子さんに熱が出たり、咳が続いたりした時に、「何の病気だろう?受診したほうが良いのだろうか?」と心配になることは多いですよね。
また、保育園や幼稚園、そして学校に行っていいかどうかも迷うと思います。
子どもがかかりやすい病気の一覧と簡易的な注意事項、そして学校保健法による出席停止の基準などをまとめました。
病院や薬局で家での注意点などもしっかり説明があると一番良いと思います。
業務に追われるなどもあってだとは思いますが、そのあたりを十分に説明されないままという状況に遭遇することも少なからずあります。
そういう時に少しでも役に立てればという思いで作成しています。
適切な診断は実際に診察した医師にしか出来ません。
全ての症状に当てはまったとしても、「絶対にこの病気だ」と安易に判断することはできません。
自己判断で安心するのは絶対にやめてください。
仮に自己判断でなにかあったとしても一切責任を持つことは出来ません。
家でのケア方法の参考や、季節的に流行っていそうな病気を知るため程度に使って下さい。
そして、受診すべきかどうか少しでも迷ったら受診すれば良いでしょう。
治療が必要な病気かどうかを診断してもらうために病院に行くことはとても大切なことです。
感染症の種類に関わらず注意して欲しいこと
水分や食事を欲しがらない時に無理に食べたり飲んだりさせると、吐いてより辛くなることもあります。
食べやすいもの、飲みやすいものをあげるようにしましょう。
高熱が続く、脱水症状が心配なときは受診するようにしましょう。
心配だと感じたなら受診しましょう。
感染症カレンダー【簡易】
時期は流行りやすい時期の目安です。
他の時期にでも流行ることはありますのでご注意下さい。
子どもに多い感染症の抜粋
カレンダーに記載した病気のみまとめています。
他にも子どもがかかりやすい病気も多くありますので、ここで、病名を推測することが良いことだとは思いません。
病名がわかった後に、
これからこういう症状が出てくるかもしれない。
家ではこういうケアをすれば良いかもしれない。
などの参考程度に捉えて下さい。
手足口病
手足口病の症状
手、足、口の中などに小さな水ぶくれができたり、熱が出ることもあります。
口の中の水ぶくれは痛みを感じやすく、食事や水分を取ると痛みを伴います。
手足口だけでなく、おしりの周辺も同じような症状が出ることがあります。
症状は3~5日で良くなります。
手足口病の家でのケア
治ったあとも便には4週間程度ウイルスが排出されます。
喉が痛くて食事が取れなくなることもあるので、水分補給も難しいようなら受診しましょう。
手足口病の出席停止の基準
発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可
手足口病の潜伏期間の目安
3~5日間
マイコプラズマ肺炎
マイコプラズマ肺炎の症状
咳が強く出たり、熱が出ます。
小学生以上に多く、3歳以下では少ない傾向です。
解熱後も1ヶ月程度咳が長引くこともあります。
マイコプラズマ肺炎の家でのケア
必要に応じて症状を抑える薬などを使用しつつ、安静にしましょう。
マイコプラズマ肺炎の出席停止の基準
急性期は出席停止、全身状態が良ければ登校可能
マイコプラズマ肺炎の潜伏期間の目安
2~3週間
マイコプラズマ肺炎の治療
長引く場合などに、抗生物質を使用することもあります。
ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナの症状
急に39℃台の高熱が出て2~3日で下がります。
熱と同時にのどの奥に小さな水疱が何個も出来ます。
その水疱が破れると喉が痛くなって、ご飯が食べれなくなる事もあります。
ヘルパンギーナの家でのケア
熱以外の症状はあまりなく、特別な治療はいりませんが、ご飯が食べれなることがあります。
喉に刺激があるもの(冷たい・酸っぱい・辛いなど)は避けつつ、水分補給を心がけましょう。
ヘルパンギーナの出席停止の基準
発熱や喉頭・口腔の水疱・潰瘍を伴う急性期は出席停止、治癒期は全身状態が改善すれば登校可
プール熱
プール熱の症状
発熱・喉の痛み・結膜炎などが出ることがあります。
プールでもらうことが多いので、プール熱と言われています。
感染力が高いです。
プール熱の家でのケア
症状は数日で改善しますが、便には30日程度ウイルスが出続けます。
水分があまり取れない場合や、元気がなくぐったりしているときなどは受診しましょう。
プール熱の潜伏期間の目安
5~10日間
プール熱の予防
タオルなどの共有はやめるようにしましょう。
プールの前後に手洗いや目を洗うようにすること。
RSウイルス感染症
RSウイルス感染症の症状
熱、咳、鼻水などが出て、1週間程度で回復することが多いです。
乳児が初めて感染した時は、重症化して肺炎などにつながることもあります。
2歳までにほぼ100%が感染すると言われています。
RSウイルス感染症の家でのケア
乳児は重症化しやすいので、特に注意が必要です。
部屋を加湿するなどして、痰の切れを良くするように工夫しましょう。
咳がひどければ早めに受診するように心がけましょう。
RSウイルス感染症の潜伏期間の目安
2~8日
とびひ
とびひの症状
水ぶくれができる場合が多いですが、かさぶたができることもあります。
かゆみもあるので、掻いてしまって水ぶくれをやぶって全身に広がることもあります。
とびひの家でのケア
掻いて全身に菌を広げないようにしましょう。
爪も短く切っておきましょう。
タオルなどを共有することで感染することもあります。
おたふくかぜ
おたふくかぜの症状
耳下腺などが腫れて痛みます。
熱が出ることもありますが、ほとんど症状がないこともあります。
成人では精巣炎をおこすことがありますが、不妊の原因となることは少ないです。
無菌性髄膜炎が約50人に1人の割合で起こります。
治らない重度の難聴になることがあり、年間700人くらいがかかっていると推定されています。
おたふくかぜの家でのケア
痛みを強くしないために、すっぱいものや何度も噛まなければいけないものは控えましょう。
頭痛・嘔吐・熱や腫れが長引く時などは、再受診も検討してください。
おたふくかぜの出席停止の基準
耳下腺、顎下腺または舌下腺の腫脹が発現した後5日間を経過し、かつ、全身状態が良好となるまで
おたふくかぜの潜伏期間の目安
約2週間
溶連菌感染症
溶連菌感染症の症状
38℃以上の発熱とのどの痛みが出ます。吐き気や嘔吐、腹痛がみられることもあります。
赤い発疹が首や胸からひろがっていきます。
顔の発疹は口の周りには出ず、舌はイチゴ舌と言って、赤くぶつぶつしてイチゴのようになります。
溶連菌感染症の家でのケア
喉が痛い時は、食べやすいものを食べるようにしましょう。
感染力が強いので、家族もいっしょに検査をすることもあります。
溶連菌感染症の出席停止の基準
適正な抗菌剤治療開始後24時間を経て全身状態が良ければ登校可能
溶連菌感染症の潜伏期間の目安
1~3日
溶連菌感染症の治療
抗生物質の種類によりますが、5~10日程度の期間抗生物質を続けます。
ワイドシリンなどの抗生物質を使うことが多いです。
飲み始めたら症状は数日で改善してきますが、再発や合併症の恐れがあるので、症状がなくなっても最後まで飲みきってください。
流行性結膜炎(はやり目)
流行性結膜炎(はやり目)の症状
まぶたが腫れたり、目が充血します。涙や目やにが多く出て、まぶしさを強く感じて目を開いているのが苦痛になることもあります。
発症後1周間ごろから角膜に濁りが出ることもあります。
流行性結膜炎(はやり目)の家でのケア
非常に感染しやすいので、目を触らないようにしましょう。
子どもには難しいと思うので、保護者の方は何度もしっかり手を洗うようにしましょう。
タオルを共用しないように。
流行性結膜炎(はやり目)の出席停止の基準
症状により学校医その他の医師が感染の恐れがないと認めるまで
流行性結膜炎(はやり目)の潜伏期間の目安
5日~2週間
インフルエンザ
インフルエンザの症状
高熱、全身倦怠感、関節痛などの全身症状が強く出ます。
重症化してインフルエンザ脳症になることもあります。
インフルエンザ脳症は死亡率が高く、後遺症の可能性もあります。
インフルエンザの家でのケア
高熱による異常行動が報告されています。
特に発熱後2日間は異常行動に注意して、窓の鍵をかけるなどの対策を取るようにしてください。
インフルエンザ脳症を防ぐためにも、インフルエンザ感染時の解熱鎮痛剤は成分名:アセトアミノフェンものを使用したほうが無難だと考えています。
アセトアミノフェンの商品名としては、カロナール、アルピニー、アンヒバ、アセトアミノフェン、タイレノール(市販薬)などがあります。
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インフルエンザの治療
発症後48時間以内ならば抗インフルエンザウイルス薬で、発熱時間を減らすことが出来ます。
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インフルエンザの出席停止の基準
発症後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)が経過するまで
インフルエンザの潜伏期間の目安
1~7日(1~2日が多い)
インフルエンザの予防
流行する前に予防接種をするようにしましょう。
流行している時期は、出来るだけ外出を避けるか、手洗いをするようにしましょう。
うがいの効果については、あまり期待できません。
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ノロウイルスによる感染性胃腸炎
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の症状
吐き気、嘔吐、下痢、腹痛が主な症状で、発熱は軽度です。通常は数日で軽快します。
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の出席停止の基準
下痢・嘔吐症状が軽快し、全身状態が改善されれば登校可能
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の潜伏期間の目安
1~2日
ノロウイルスによる感染性胃腸炎の予防
牡蠣などの2枚貝はしっかり加熱しましょう。
疑いがある人は調理などはしないようにしましょう。
85℃以上の熱湯で1分以上加熱すれば、対策できます。
感染者の便や嘔吐物には大量のウイルスが含まれています。
放置しておくと、そこからウイルスが空中に漂いだして感染の原因になることがあります。
早めに処理するようにしましょう。
処理の方法はこちらが一枚にまとまっていてわかりやすいです。
サラヤ株式会 ノロウイルス感染者の嘔吐物・ふん便の処理方法
水ぼうそう
水ぼうそうの症状
赤く小さい発疹が出て、全身に拡がっていきます。
発疹はかゆみが強く、赤い発疹がみずぶくれになっていき、かさぶたとなります。
数日間熱も出ます。
1週間程度で治ることが多いですが、脳炎などの合併症がみられることもあります。
日本では年間3000人が重症化し、10人程度が死亡しています。
水ぼうそうの家でのケア
感染力が高いので、みずぶくれを潰さないようにしてください。
かゆみが強いので、かきむしらないように包帯やガーゼなどをするのも良いでしょう。できれば爪も短く切っておきましょう。
水ぼうそうの出席停止の基準
すべての発疹がかさぶたになるまで
水ぼうそうの潜伏期間の目安
10~21日
水ぼうそうの治療
症状が出て3日以内ならば、アシクロビルやバラシクロビルなどで症状が軽くできます。
かゆみ止めや、塗り薬なども出ることがあります。
ヒトメタニューモウイルス感染症
ヒトメタニューモウイルス感染症の症状
熱、咳、鼻水をともなう一般的な風邪のようですが、重症化すると喘鳴症状(ぜーぜー)がでてきます。
咳や熱が続き、数日食事が取れなくなることもあります。(うちの子は3日ぐらい食事が取れずに体重が1kg以上減りました)
小さい子は重症化に注意が必要です。
感染後2週間はウイルスが排泄されます。
ヒトメタニューモウイルス感染症の家でのケア
ほとんど食べれなくなる事もあるので、食べたがるものをあげましょう。
水分も取れないようなら受診しましょう。
ヒトメタニューモウイルス感染症の潜伏期間の目安
4~6日
突発性発疹(とっぱつ)
突発性発疹の症状
4カ月~1歳半ごろの赤ちゃんによく見られる病気で、突然38~40度の高熱が3~4日続き、熱が下がってから24時間以内に斑状の赤い発疹がおなかや胸から出始めて全身に広がった後、数日かけて消えていきます。
高熱のわりに食欲があり、機嫌が良いことが多いです。
突発性発疹の家でのケア
機嫌が良く、水分が取れれば自然と治ります。
熱が下がって発疹が出ないと、突発性発疹かどうか判断は難しいようです。
4~5日後も熱が続いているようなら他の病気の可能性も考えて再受診しましょう。
かぜ症候群
かぜ症候群の症状
ウイルスや細菌が体内に侵入し、発熱、せき、鼻水、くしゃみ、のどの痛みなどの症状を引き起こす。
熱や咳が長引く場合には合併症などの可能性もあるので早めに受診しましょう。
かぜ症候群家でのケア
症状が軽く、食事や水分も取れて、機嫌も悪くないようなら家で様子を見ていても大丈夫でしょう。
熱・下痢・嘔吐などある場合は、脱水予防にこまめな水分補給を心がけましょう。
感染症の種類と出席停止期間の基準
【学校保健安全法施行規則】を元に、出席停止の基準についてまとめています。
最終的な出席の可否は、受診した医師の判断を仰いで下さい。
繰り返しになりますが、この記事で病名を判断することは出来ません。
心配があれば必ず受診するようにしてください。