オラペネムの味や使い方・副作用・併用について【抗生物質最後の切り札】

オラペネムは飲み薬の抗生物質の一つです。

あまり処方されることはない薬ではありますが、処方された場合には重要度の高い薬ですので紹介します。

オラペネムは最後の切り札【適切な使用を】

オラペネムはカルバペネム系の抗生物質で、最後の切り札のように表現されることもあります。

抗生物質を使う以上、耐性菌が出来る可能性は常にあるわけですが、カルバペネム系に耐性のある菌が溢れてしまうと、「治療の出来ない感染症」の流行も懸念されます。

すでにカルバペネム耐性菌の報告もありますが、限られており、これ以上増やさないように注意が必要です。

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つまり、カルバペネム以外でも治療できる感染症に対して、使わない選択をしていく必要があります。

例えば、いわゆる風邪は抗生物質を使わなくても治ります。

抗生物質を使ったからと言って、特別早く治るということもまずありません。

 

対して、抗生物質を使用するデメリットは出やすいと言えます。

少なくとも、耐性菌を生み出す可能性や、下痢やその他の副作用リスクを増やします。

 

また、こちらは(外部リンク)ひとつの病院からの報告ではありますが、カルバペネム耐性が死亡率を増加させる結果が示されています。

その他にもPubmedで検索すると、カルバペネム耐性〇〇菌が、死亡リスクの増加と関連しているという報告はいくつもあります。

とはいえ、オラペネムを絶対に使わないというわけではありませんし、必要となる例もあるのでしょう。

 

しかし、仮に安易に使う病院があるとすれば、自分や家族は受診を控えると思います。

カルバペネム系が、すべての菌に効くわけではありませんが、最後の切り札になる可能性も高いです。

大きい病院では、カルバペネム系の抗生物質を使用する場合に、安易な使用を控える目的で、色々と手続きが必要になっていることも多いです。

それほど慎重に使用される抗生物質です。

 

オラペネムが処方された場合、【余程の理由があって処方されている】はずです。

処方された場合は、耐性菌を増やさないためにも、医師の指示通り適切に飲み切るようにお願いします。

オラペネム小児用はとても飲みやすい味

オラペネムはいちご風味になっており、抗生物質の中ではかなり飲みやすい味です。

人工的ないちご風味なので、嫌悪感を感じる方はいるかもしれませんが、子どもが飲めない味ではないと思います。

 

オラペネムをお子さんに飲ませたことがある方(3名:使用歴がある方は少ないと思います)に聞くと、問題なく飲めたと言う方ばかりでした。

オラペネムの添付文書には、92.7%の方が容易に飲めたと記載があります。

粉のまま、水に溶かして、どちらでも問題なく飲めるでしょう。

 

酸味があるものと混ぜると苦みが出やすくなるので、ジュースやヨーグルトに混ぜる場合は注意しましょう(個人的には、混ぜた直後なら苦味も気にならないと感じましたが、念の為です)。

毎回、何かに混ぜて薬を飲む習慣がある方は、積極的に薬局に伝えましょう。

味の相性などについてもアドバイスしてもらえると思います。

 

オラペネムは味が良いので、子どもに処方されることも多いマクロライド系のクラリスロマイシンなどとは違い、多くのお子さんは苦労なく飲めるでしょう。

さすがに他の抗生物質が飲めないという理由で、医師がオラペネムを選ぶことはないとは思いますが、万が一そのように考えることがあれば是非薬剤師を頼ってほしい内容です。

 

保護者の方も、苦い薬を飲む方法などでお困りの場合は、かかりつけの薬剤師にご相談ください。

私なりの苦い薬の飲ませ方は以下の記事でもまとめていますが、実際は子ども1人1人で成功方法も変わります。

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嫌がる子どもに薬を飲ませる苦労は医療関係者にも、なかなか共感してもらえないこともあるかもしれません。

子どもの薬の飲ませ方の相談にのってくれる薬剤師を探してみてください。

オラペネムの使い方・副作用・併用禁忌

オラペネムの使い方

オラペネムの適応症は、肺炎、中耳炎、副鼻腔炎です。

他の抗生物質による治療効果が期待できない場合に限り使用される抗生物質ですので、滅多に使われる薬ではありません。

使われる場合は、1日2回で7日間以内の使用が基本となります。

 

オラペネムは1日2回で味が良いので、抗生物質の中では飲みやすい薬です。

飲みやすいというだけの理由で自分の子にオラペネムが処方されることがあれば、迷わず他院に受診させますけどね。

「早く治してあげたい、飲みやすい薬を選んであげたい」という気持ちには全力で同意ですが、だからといってオラペネムを選ぶのは間違っていると考えます。

オラペネムの副作用

小児の安全性評価症例 440 例中、副作用は 101 例(23.0%)に認められた。主なものは、下痢・軟便86 例(19.5%)であった。また、臨床検査値の異常変動は、検査を実施した安全性評価対象症例 432例中、23 例(5.3%)に認められた。主なものは、血小板数増加 7 例(1.6%)であった(承認時)。
重大な副作用として、低カルニチン血症に伴う低血糖があらわれることが報告されている。
引用:オラペネム添付文書

下痢・軟便などは、抗生物質を飲む以上、出るものだと考えておいたほうが良い副作用だと感じます。

 

重大な副作用に【低カルニチン血症に伴う低血糖】の記載があります。

オラペネムの一般名は、「テビペネム ピボキシル」で、ピボキシル基を含んでいます。

ピボキシル基が含まれる成分に対する注意点については、以下の記事をご覧ください。

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なお、オラペネムの添付文書には以下のように記載があります。

小児臨床第Ⅱ相及び第Ⅲ相試験の小児 324 例において血清中カルニチン濃度を測定したところ、本剤の投与により血清中カルニチン濃度は低下するものの、痙攣や意識障害などの血清中カルニチン濃度の低下に伴うと考えられる有害事象は認められなかった。また、投与終了 7~14 日後の血清中カルニチン濃度の回復を 143 例で確認し、投与開始前とほぼ同程度の値まで回復することが確認された。

オラペネムと併用禁忌の薬

オラペネムを含むカルバペネム系の薬は、バルプロ酸ナトリウム(デパケンなど)との併用に注意が必要で、添付文書上は併用禁忌となっています。

てんかんの薬であるバルプロ酸ナトリウムの血中濃度が低下し、てんかん発作が再発するおそれがあるとされます。

全日本民医連のホームページで、症例が報告されていますが、併用時のバルプロ酸ナトリウムの量の調整は困難です。

 

 

オラペネムは滅多に使わない抗生物質ですし、安易に処方されることはないと思います。

実際処方されている場合は、【どうしてもオラペネムでなくてはいけないから】処方されているはずです。

適切に飲み切るようにお願いします。