【デパケン・セレニカR】バルプロ酸ナトリウム製剤の特徴・副作用と味

てんかん治療などで子どもにも使われることのあるバルプロ酸ナトリウム製剤についてまとめています。

有効血中濃度が狭く、間違った飲み方や併用薬が治療に与える影響が大きくなりやすい薬でもあります。

注意すべき点をしっかりと頭に入れつつ、適切な薬の治療をしていきましょう。

デパケン・セレニカRの特徴・粉やシロップの味

デパケンやセレニカRの主成分である「バルプロ酸ナトリウム」は1967年からてんかんの治療薬として承認されており、日本でも1974年には承認されています。

てんかん以外にも躁状態や偏頭痛治療に使われることはありますが、てんかん治療薬という観点で書いていきます。

 

乳児でも使われる可能性のある薬ですが、アメリカの添付文書にもあるようには、2歳未満は特に肝毒性に注意して使うようにと記載があります。

  • デパケン錠100mg・200mg
  • デパケン細粒20%・40%
  • デパケンシロップ5%
  • デパケン R 錠100mg・200mg

デパケン細粒は、メントール風味の粉薬です。

デパケンシロップは、甘みもありパイナップル風味で、赤いシロップです。

 

主成分のバルプロ酸ナトリウムには匂いも苦味もあります。

吸湿性が高く空気中の湿気を吸ってすぐにベタベタになってしまいます。

デパケンRは徐放錠のため割ったり粉砕してはいけない薬ですが、介護者による粉砕などが多い薬という印象があります。
子どもにデパケンR錠が処方されて、大きくて飲めない場合などには注意が必要です。
デパケンに限らず、錠剤を割ったり潰したりする場合は、薬剤師に相談するようにしてください。
デパケンに関しては、細粒やシロップにすることで治療に影響を与えず、手間を減らすことにも繋がります。

 

てんかん治療の場合、通常バルプロ酸ナトリウムとして1日400~1200mgを服用します。

子どもに多いシロップや細粒の場合、血中濃度を保つため1日2~3回に分けることが一般的です。

 

バルプロ酸の治療上有効な血中濃度は約40~120μg/mLと狭く、この血中濃度をキープすることが大切です。

適切に薬の効果を出すためには、指示通りの服用が欠かせません。

 

なお、1日1回の服用で効果が安定する、徐放性バルプロ酸ナトリウム製剤のセレニカRもあります。

  • セレニカR顆粒40%
  • セレニカR錠200mg

 

セレニカRは吸湿することで徐放性が失われる可能性があるため、デパケンよりも湿気対策をしっかりする必要があります。

分包された顆粒の保管については、気密容器に乾燥剤を入れて保管するなどの対応が必要でしょう。

また、錠剤と顆粒のどちらも、噛み砕くことで徐放性が失われる可能性がある点にも注意が必要です。

便に白い薬の殻が残ることがありますが、薬の吸収には影響ありません。

なお、これまで紹介した全ての医薬品にジェネリック医薬品もあります。

バルプロ酸ナトリウム製剤の副作用や注意点

バルプロ酸ナトリウム製剤の種類(デパケンorセレニカ)や、どんな病気に使われたかで報告された副作用頻度も異なりますが、頻度が高い副作用としては、傾眠(うとうとする眠気)や、気持ち悪さや嘔吐などがあります。

「本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。」との記載もあります。

頻度は低いですが注意すべき副作用もあるので、体調の変化などを感じた場合は早めに相談したほうが良いと個人的には考えています。

 

過量投与による意識障害や呼吸抑制などの報告もあるため、適切な薬の管理が求められます。

子どもの手の届くところには保管しないように!

また、他のてんかん薬に記載がありますが、精神症状に変化が現れたら速やかに医師に相談してください。

急に減量や中止することでてんかん発作につながることもあります。

「最近調子が良いな」と思ったとしても、自己判断での中止や減量はしないようにして下さい。

 

デパケンRやセレニカR及びそのジェネリックなどの徐放性製剤の場合、ひどい下痢などの場合に血中濃度に影響を与える可能性がある点にも注意が必要です。

バルプロ酸ナトリウム製剤の相互作用/併用注意

バルプロ酸ナトリウムは血中濃度の治療域が狭いため、相互作用には注意が必要です。

カルバペネム系抗生物質(オラペネム、メロペンなど)は、バルプロ酸ナトリウムの血中濃度を低下させ、痙攣を誘発する恐れがあるので、併用が禁止されています。

 

また、以下にデパケンのインタビューフォームに記載のある併用注意薬剤を書き出しましたが、アスピリンは市販薬でも購入できるので注意が必要です。

エリスロマイシンなど、子どもでも短期的に処方される可能性のある薬もあるため、お薬手帳を活用して併用薬のチェックは確実にしてもらうようにしてください。
※エリスロマイシンとの併用が絶対にいけないというわけではありません。

併用注意薬剤

バルビツール酸剤(フェノバルビタール等)
フェニトイン
カルバマゼピン
エトスクシミド
アミトリプチリン
ノルトリプチリン
クロバザム
ラモトリギン
サリチル酸系薬剤(アスピリン等)
ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム等)
ワルファリンカリウム
エリスロマイシン
シメチジン
クロナゼパム

 

バルプロ酸ナトリウムは使用例も多いですが、注意点も多い薬です。

適切な注意の上での使用をお願いします。