麻黄湯はインフルエンザ治療に効果的か?私の考えとその根拠【銀翹散の選択肢もあり】

インフルエンザ治療に麻黄湯は効果的か?
インフルエンザの治療に漢方薬が使われることがあります。
その中でも、麻黄湯が最も使われている漢方薬という印象です。
麻黄湯などの漢方薬が処方されると「本当に効くんですか?」と聞かれることも多いですが、私は麻黄湯はインフルエンザに効果的だと考えています。
一般的なインフルエンザ治療薬については、以下の記事で簡易的にまとめています。
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麻黄湯がインフルエンザに効果的と考える根拠・論文

【根拠1】
インフルエンザと診断された子どもに、①タミフルだけ、②タミフルと麻黄湯、③麻黄湯のみ、の3群に分けて治療をして解熱までの時間を見てみた結果、①31.9時間、②21.9時間、③17.7時間という結果になった。
参考:漢方スクエア

熱が下がるまでの時間だけで考えれば、麻黄湯のほうがタミフルより効果的という結果です。

 

 【根拠2】
インフルエンザ陽性の大人に、①タミフル、②麻黄湯、③リレンザを使って治療したところ、解熱までの時間(中央値)が①46時間、②29時間、③27時間という結果になった。
参考:A randomized, controlled trial comparing traditional herbal medicine and neuraminidase inhibitors in the treatment of seasonal influenza.

こちらも解熱までの時間は麻黄湯のほうがタミフルより早いという結果です。

しかし、麻黄湯よりもリレンザのほうがわずかに早くなりそうです。

 

他にも【麻黄湯とタミフルなどの解熱効果は同等だった】というデータや、【麻黄湯を使ったほうが関節痛は早く引いた】などの色々なデータがあります。

小規模な報告がばかりですが、全体的に麻黄湯はインフルエンザに効果的なデータが多いです。

 

これらの根拠もあり、インフルエンザに麻黄湯が処方されることがあります。

麻黄湯は単独で使われることがありますし、インフルエンザ治療薬と併用されることもあります。

 

麻黄湯の服用継続期間に明確な基準はないと思います。

先ほど紹介した解熱までの時間を参考にすると、1日~2日ぐらいは続けたほうが良さそうです。

 

なお、麻黄湯は飲みにくいです。

別記事にて色々なものを加えながら麻黄湯の飲みやすさを調べていますので、ぜひご覧ください。

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インフルエンザに麻黄湯を自己判断で使っても良い?

漢方を使用する場合は【証】という考え方を用いて、適切な漢方薬を選択します。

麻黄湯は普段から体力があり、発熱しても汗が出ない患者さんに向いている漢方です。

最初に示したデータも【証】を考慮されていないため、基本的には効果的だと考えますが、患者さんごとにもう少し適切な漢方がある可能性もあります

 

最低限注意していただきたいこととして、麻黄湯を使用する場合には以下の人は注意しましょう。

極端に虚弱な場合や、高血圧・虚血性心疾患・緑内障・前立腺肥大症を有する人
なお、インフルエンザを疑う場合には、使わないほうが良い薬もあるのでご注意ください。
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インフルエンザに銀翹散の選択肢もあります

麻黄湯以外の漢方をインフルエンザの際に使うのであれば、「銀翹(解毒)散」も選択肢に挙げても良さそうです。

麻黄湯エキスはすべてのインフルエンザウイルス(A/PR/8/34,A/Aichi/2/68,A/Kadoma/2/2006,A/Narita/1/2009)に対して 0.1 mg/ml の濃度で高いウイルスプラークの形成阻害効果を示した.また,銀翹解毒散エキスもこれらのウイルスに対して濃度依存的にプラーク形成阻害効果を示した.しかしながら,板藍根エキスはインフルエンザウイルス A/Aichi/2/68 および A/Kadoma/2/2006 に対する阻害効果が低いことが示された.一方,タミフルはインフルエンザウイルス A/Narita/1/2009 および A/Kadoma/2/2006 に対するプラーク形成阻害効果が低いことが示された.

参考:インフルエンザウイルスの増殖抑制効果を有する漢方薬成分

麻黄湯や銀翹解毒散のほうが、タミフルよりも幅広い種類のインフルエンザウイルスに効果があるかもしれないという報告です。

 

銀翹(解毒)散は医療用の漢方薬にはなく、市販の薬しかありません。

クラシエの銀翹散はドラッグストアでも扱っているところが多い印象です。

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飲みにくいという問題点を除けばかなり効果的と思われる麻黄湯の紹介でした。

麻黄湯はドラッグストアでも販売しています。

市販の麻黄湯はドリンクタイプもあるので、気になる方は試してみても良いかもしれませんね。

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