抗ヒスタミン薬の脳内占拠率(鎮静性)とインペアード・パフォーマンス【眠気が出にくいのは?】

抗ヒスタミン薬の脳内占拠率(鎮静性)とインペアード・パフォーマンス【眠気が出にくいのは?】

アレルギー性鼻炎や蕁麻疹、かゆみなどの症状を抑える時に使われる抗ヒスタミン薬は、副作用の眠気が問題になることが多いです。

しかし、眠気だけでなく、自覚しにくいインペアード・パフォーマンスにも注意をしておいたほうが良いと考えます。

 

どちらも抗ヒスタミン薬の脳内占拠率(鎮静性)と関連があるとされています。

抗ヒスタミン薬の脳内占拠率とインペアード・パフォーマンスについて説明します。

抗ヒスタミン薬の脳内占拠率(鎮静性)は眠気などに関連する

抗ヒスタミン薬の選択で、個人的に最も気になるのは眠気です。

ひとつひとつの抗ヒスタミン薬を、眠くなる/眠くならないで区別することが出来ませんが、眠気の目安として脳内占拠率があります。

 

脳内占拠率の程度によって、以下のように分けられています。

  • 非鎮静性:20%未満
  • 軽度鎮静性:20~50%
  • 鎮静性:50%以上

抗ヒスタミン薬の脳内占拠率の目安は以下の通り。

抗ヒスタミン薬の脳内占拠率一覧

The clinical pharmacology of non-sedating antihistamines.を参考に、一部改変して作成しています。

 

「非鎮静性だから眠くならない」や「鎮静性だから眠くなる」とまでは言えませんが、脳内占拠率が低いほど眠くなりにくい傾向はあると考えて良いでしょう。

 

一方で、脳内占拠率が高いから効果が高いとも言えません。

先程の報告でも「多くの抗ヒスタミン薬は同等な効果」だとされています。

 

一般的には第1世代よりも第2世代抗ヒスタミン薬のほうが眠気が出にくいとされています。

しかし、第2世代の抗ヒスタミン薬服用患者2000名のアンケートでは、7.3%は常に眠たくなり、32.8%は時々眠くなる、10.4%は耐え難い眠気が出たと答えています。※4割程度は眠くなっていません。
参考:Patients Taking Antihistamines and Their Effects on Driving.

 

第1世代抗ヒスタミン薬は眠気が出やすいといえますが、第2世代だから大丈夫とも言えません。

そのため、世代ではなく非鎮静性の抗ヒスタミン薬を優先したほうが良いと考えています。
※私は日常的に運転しているので、鎮静性の抗ヒスタミン薬は避けるようにしています。

 

とはいえ、「非鎮静性であれば絶対に眠くならない」とも言えません。

自動車の運転への注意記載がないのは、アレグラ、ビラノア、デザレックス、クラリチンの4種のみ。
※表を見る限りでは、ザイザルやエピナスチンも脳内占拠率は低いですが、運転への注意はあります。

 

このうち市販で買えるのはアレグラとクラリチンのみですが、これらの市販薬は子どもには使用が許されていません。

15歳未満で抗ヒスタミン薬を必要とする場合は、病院へ受診することをおすすめします。

 

なお、子ども大人問わず、市販の風邪薬や鼻炎の薬に含まれているのは、鎮静性の抗ヒスタミン薬の可能性が高いと言えます。

鎮静性の抗ヒスタミン薬であるジフェンヒドラミンは、睡眠改善薬のドリエル(1回量はジフェンヒドラミン塩酸塩50mg)としても市販で発売されています。

眠気だけでなくインペアード・パフォーマンスにも注意が必要

眠気などの症状は自覚できるので対策も出来ますが、自覚しにくい症状が出ることもあります。

集中力や作業効率の低下などの自覚しにくい副作用(インペアード・パフォーマンス)が問題になることもあります。

自分や周りが見てて気づかなくても、影響が出ていないとも限りません。

 

以下の報告では、抗ヒスタミン薬の使用が試験結果低下に関連すると報告されています。
参考:Seasonal allergic rhinitis is associated with a detrimental effect on examination performance in United Kingdom teenagers: case-control study.

 

ただし、抗ヒスタミン薬を使わないことが良いとも限りません。

「鼻水ズルズル、目が痒くて仕方がない、くしゃみが止まらない」こんな状況では試験もままならないのは想像に難くないですね。

この報告でもアレルギー性鼻炎自体もリスクとされています。

 

アレルギー鼻炎などの症状がある場合、眠気が出ないようにアレルギー症状を抑えたとしても、自覚なく集中力が低下している可能性も考えておいたほうが良いでしょう。

眠気やインペアード・パフォーマンスが出にくい抗ヒスタミン薬

眠気やインペアード・パフォーマンスを避けるためには、非鎮静性の抗ヒスタミン薬を優先的に使用するほうが望ましいと考えます。

 

子どもでも使える非鎮静性の抗ヒスタミン薬は以下のような種類があります。

個人的には、6か月から使えて脳内占拠率も低いフェキソフェナジンは幅広く使えると考えています。

とはいえ、色々な側面から考える必要もありますので、これが一番良いと言えるものはないと思います。

 

12歳以上の場合、アレルギー鼻炎の症状を抑えるには、飲み薬の抗ヒスタミン薬よりもステロイドの点鼻の方が効果的とのデータも出ています。

眠気やインペアード・パフォーマンスを避けるためには、ステロイド点鼻も選択肢に入れても良いのではないかと思います。

 

使える年齢についてはこちらも参考にどうぞ。