カロナール【錠・シロップ・細粒】などの経口解熱鎮痛剤の味・種類・特徴【500㎎など一部だけが劇薬扱いの理由は?】

カロナール【錠・シロップ・細粒】などの経口解熱鎮痛剤の味・種類・特徴【500㎎など一部だけが劇薬扱いの理由は?】

子どもの解熱剤と言えば、「坐薬」のイメージも強いかと思いますが、カロナールなどは【粉薬・シロップ・錠剤】の選択肢もあります。

 

粉薬やシロップも1歳未満から使えますが、苦味が強いという問題点もあります。

錠剤は小さくはないので、早くても5歳ぐらいからでしょうか。

カロナールシリーズを中心に、アセトアミノフェンが成分の経口解熱鎮痛剤について紹介します。

カロナールなどの剤形毎の目安量と特徴

有効成分がアセトアミノフェン単独の製剤の主だったものは以下の通りです。

  • シロップ(2%)
  • 細粒(20%、50%)
  • ドライシロップ(20%、40%)
  • 原末
  • 錠剤(200mg、300mg、500mg)
  • 坐薬(50mg、100mg、200mg、400mg)

剤形毎の体重別目安量は以下の表にまとめます。

アセトアミノフェンの剤形毎の体重別目安量

 

各製剤のメリット・デメリットは以下の通り。
アセトアミノフェンの剤形毎の特徴

 

坐薬に関しては、別にまとめています。

坐薬のメリットは、小さい子でもほぼ確実に使えること、アセトアミノフェンの苦味を感じずに投与できることなどがあります。

カロナール錠500やカロナール細粒が劇薬扱いの理由

アセトアミノフェン単独成分の薬の中でも、一部は普通薬、一部は劇薬、と扱いがバラバラです。

「劇薬」と聞くと、何となく怖い薬のように感じてしまうかもしれませんが、劇薬だから危険というのも少し違います。

例えば、コーヒーやエナジードリンクなどに含まれる「カフェイン」も量次第では劇薬ですが、毎日摂取している方も多いと思います。

 

アセトアミノフェンの場合は、「1個中アセトアミノフェン0.3gより多く含有するものが劇薬」として扱われます。

つまり、カロナール坐剤400、カロナール錠500、カロナール細粒やカロナールシロップのボトルなどが劇薬扱いです。

 

「カロナール錠500」は劇薬なので1回1錠(500mg)でも劇薬、「カロナール錠300」は普通薬なので、1回2錠の600mgでも普通薬です。

どちらもリスクは低いけど、どちらかと言えば600㎎のほうがリスクが高いのは明らかなのに、です。

 

このように「劇薬だから危ない」ということは、必ずしも正しくはありません。

カロナール(アセトアミノフェン)に関しては、指示された量を守っていればそう問題になることはないでしょう。

※カロナールは新型コロナワクチン接種後の副反応対策として、接種者全員に配布しようという話が上がるほどなので、全員に配布してもほとんど問題ないと考えられているのでしょう(個人的には賛成しかねますが)。

カロナール細粒・シロップ剤などの味と飲み方

カロナール(アセトアミノフェン)の粉薬・シロップ剤には、細粒・ドライシロップ・シロップなど色々な製剤があります。

 

これらに共通しているのは、どれもオレンジ風味で、苦味が隠しきれていないことです。

甘味は付いていますが、原薬由来の苦味は残っています。

個人的な意見ですが、カロナールはシロップ剤よりも粉薬のほうが飲みやすいです。

 

ジュースやヨーグルトなどに混ぜてはいけないわけではありませんが、以下の注意はお願いします。

  • 糖分や炭水化物が多いものとともに服用するとわずかに吸収が遅くなる可能性がある
  • (子どもへは不要な心配だと思いますが、)アルコールやカフェインとの併用により肝障害のリスクが増加する可能性がある

 

カロナールシロップは長期間遮光せずに保管すると性状に変化が見られます。

あまり光に当たらないように保管しましょう。

 

個人的には、カロナールシロップを積極的に選ぶ理由が、「患者さんの希望」以外に思い浮かびません。

シロップ剤は美味しいとは限りませんし、保管に手間がかかることなども知っておきましょう。

カロナール錠は小さくはない【割って飲んでもOKです】

カロナール(アセトアミノフェン)錠の最小規格は200mgなので、錠剤が飲めるなら20kgぐらいから錠剤も選択肢に入ります。

 

錠剤が飲める目安は5歳ぐらいなので、ちょうどその頃から使えるかもしれません。

なお、カロナールの錠剤は大きくも小さくもないサイズです。

 

カロナール錠をどうしても飲み込めない場合、割ったりしてから飲んでも良いです。

ただし、粉々にしてしまうと、苦味が目立ちます。

きれいに割ることを推奨します。

どうしても飲み込めない場合は、服薬補助ゼリーなどを使うと良いでしょう。

市販薬でカロナールの代わりになるもの

市販薬にもカロナールと同じアセトアミノフェンの単剤があります。

市販薬と医療用医薬品は、同一成分でも推奨される使用量が異なります。
アセトアミノフェンについても同様ですのでご注意ください。

 

ドラッグストアなどでよく目にするもので、アセトアミノフェン単剤の薬には以下のような商品があります。

  • こどもパブロン坐薬(1個にアセトアミノフェンが100mg)
  • 小児用バファリンCII(1錠にアセトアミノフェンが33mg)
  • 小児用バファリンチュアブル(1錠にアセトアミノフェンが50mg)

こどもパブロン坐薬は1歳から、小児用バファリンCIIと小児用バファリンチュアブルは3歳から使えます。

1歳~3歳未満は坐薬、3歳以上は坐薬に加えて小児用バファリンCIIや小児用バファリンチュアブルも選択肢に入るでしょう。

 

小児用バファリンCIIはかなり小さいサイズの錠剤で、小児用バファリンチュアブルは口の中で溶けるオレンジ風味の錠剤です。

小児用バファリンチュアブルは溶けるので選択肢に挙げやすいですが、美味しくない(私の主観)ということも知っておきましょう。

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アセトアミノフェン以外の成分(添加物を除く)も入った市販薬なら、シロップ剤や粉薬もあります。

しかし、カロナールの代わりという視点では余計な成分が入っていますので、紹介は控えます。

 

カロナール(アセトアミノフェン)は子どもから高齢の方までずっと使う可能性がある薬です。

だからこそ色々知っておくと良いのではないかと思います。