子どもの年齢ごとのカフェイン摂取について【過剰には注意】

子どもの年齢ごとのカフェイン摂取について【過剰には注意】

「子どもは何歳ごろからカフェインを摂取しても良いの?」という疑問は、一度は気になったことがあるのではないでしょうか。

とはいえ、カフェインを全く取らないというのもなかなか難しいです。

日本茶やココア、炭酸飲料、そしてチョコなどにも入ってますからね。

 

大切なことは以下の3つだと考えます。

  1. カフェインについて知っておくこと
  2. おおよその飲んで良い量を知っておくこと
  3. 特にカフェインが多いものを知っておくこと

カフェインについて【導入】

そもそもカフェインは植物などに含まれていることもあり、コーヒーやお茶類、そしてチョコなどの食品で口にすることもあります。

乳幼児期を除けば、厳密にカフェインゼロを追求するのはなかなか大変でしょう。

 

例えば、コーヒーからカフェインを90%以上取り除けば「カフェインレスコーヒー」と表示できます。

そして「デカフェ」もカフェインゼロではありません。

「ノンカフェイン」と表示されているものはカフェインゼロです。

 

また、カフェインは食品添加物としてあえて添加されることもあります。

エナジードリンクなどが最たる例ですね。

 

カフェインは市販されている総合風邪薬などにも含まれます。

また、無水カフェインは未熟児の無呼吸発作の治療に使用されることもあります。

 

このように、カフェインは多くのものに含まれており、適量であれば大きな問題になることはまずありません。

しかし、当然ではありますが、カフェインの過剰は問題になります。

カフェインの効果・副作用・過量投与

医療用のカフェインの情報をもとに、効果などについて説明します。

カフェインの効果としては、「集中力アップ」や「眠気対策」というイメージが強いと思います。

それ以外にも、心筋の収縮力増強、冠動脈拡張、利尿効果などが挙げられます。

(1)大脳皮質を中心に中枢神経を興奮、脳幹網様体の賦活系の刺激により知覚を鋭敏にし、精神機能を更新させる。
(2)心に直接作用して心筋の収縮力を増強させ、また冠動脈を拡張させる。
(3)脳細動脈に直接作用して脳血管を収縮させ、その抵抗性を増加して脳血流を減少させる。
(4)腎に対し糸球体の輸入血管拡張と尿細管への直接作用により Na+及びClの再吸収を抑制して利尿作用を示すが、テオフィリンより弱い。
引用:カフェイン「ホエイ」インタビューフォーム

 

当然ですが、カフェインの効果を期待する場合、「適量」の摂取が大切です。

医療用の量としては、カフェイン水和物として通常成人1回0.1~0.3gを1日2~3回となっています。
※ここまでの量なら絶対に安心というわけではありません。

 

過量服用の場合は、以下のような症状が出ることがあります。

消火器症状 (悪心、嘔吐等 )、循環器症状 (不整脈、血圧上昇等 )、精神神経症状 (痙攣、昏睡 )、呼吸器症状 (呼吸促進、呼吸麻痺等 )などの増悪を起こすことがある。
引用:カフェイン「ホエイ」インタビューフォーム

 

カフェイン中毒も知られており、成人の急性致死量は5~10gとも言われます。

カフェインの摂取によってヒトで致命的な中毒を起こすことは稀である。成人におけるカフェインの急性致死量は薬5~10gであるように思われるが、有害な反応は1g(15mg/kg、30μg/mLを超える血清濃度)の摂取後に見られることがある。これらは、主に中枢神経系と、循環器系に関係したものである。不眠症、落ち着きがない・興奮は初期の症状であり、そして軽いせん妄に進展することがあり、痙攣もまた著明となる。筋肉は緊張し振戦する。頻脈と期外収縮もまた著しく、呼吸も早くなる。
引用:カフェイン「ホエイ」インタビューフォーム

 

このように、カフェインは副作用や中毒などにも注意が必要であるということを知っておきましょう。

とはいえ、カフェインは食料品にも含まれているので毎日ゼロにすることもまた難しいと言えます。

年齢ごとのカフェイン量

カフェインゼロが難しいのであれば、どのぐらいの量なら摂って良いのでしょうか。

カフェインに対する感受性は個人差が大きく、明確な基準は作りにくいとされます。

しかし、カナダは年齢ごとの最大摂取量を示しており、一つの目安となるでしょう。

年齢別カフェインの上限量【カナダ】
参考:Health Canada is advising Canadians about safe levels of caffeine consumption

 

一方で、この最大量以上にカフェインを摂取することは、日常的に容易に起こりえます。

12歳未満の場合、1日に1本エナジードリンクや缶コーヒーを飲むことで超えてしまうことがあります。

成人だとしても、エナジードリンク・コーヒー・紅茶・日本茶などを数杯飲むだけで簡単に超えます。

 

風邪の時に無理をして頑張ろうとすると、「エナジードリンク+風邪薬+大量のコーヒー」という組み合わせの経験はありませんか?

これでカフェインの過剰摂取になります。

飲食物のカフェイン量

飲食物に含まれるカフェイン量は以下の通り。

飲食物に含まれるカフェイン量
参考:日本食品標準成分表及び各販売会社ホームページ

 

表を見る上で「1本当たりの量ではない」点には誤解なきようお願いします。

同じエナジードリンクでも小サイズのもの、BIGサイズのものなどで量は変わります。

 

ピュアココアの粉末はカフェイン量が多いですが、ミルクココアのカフェイン量は多くないようです。

エナジードリンクは意外とカフェイン量が少ないように感じるかもしれませんが、1缶あたりで見るとカフェイン量が100mgを超えるものも多いです。

缶コーヒー類もそれなりに多く、缶カフェオレのカフェイン量も少ないとは言えません。

子どもにエナジードリンクは注意したほうが良いのでは?

個人的には、子どもにとってのカフェイン過剰に繋がりやすいのは「エナジードリンク」ではないかと思っています。

子ども時代に「カッコつけたい」と思った人も多いはず。

エナジードリンクにはなんとなくカッコ良さそうに感じるファッション性もあるため、子どもが憧れることもあります。

しかし、カフェイン含有量が多く、過剰摂取につながりやすいこと知らない場合もあると思います。

 

カフェインは医薬品にも使われる成分なので、ある程度の制限はされています。

例えば、栄養ドリンク(リポビタン○など)は医薬部外品なので、効能を記載することができます。

その代わり、1本あたりのカフェイン量は50mgに制限されます。

 

一方、清涼飲料水に分類されるエナジードリンクは「効能」は表示できませんが、1本あたりのカフェイン量は医薬部外品よりも多い200mgまで入れることができます。
※海外で発売されているものには、1本あたり200mg以上のカフェインが含まれているものもあります。

かといって、清涼飲料水1本あたりのカフェイン量を50mgに制限すると、今度はコーヒーやお茶類の1~2L程度のペットボトルも販売できなくなります。

 

現時点で出来ることは、「エナジードリンクはカフェインの過剰摂取に繋がりやすい」ことを知り、注意することです。

 

先程の表で紹介した通り、エナジードリンクや缶コーヒーなどは、1本で80~200mg程度のカフェインが入っていることが多いです。

1本だけで12歳未満のカフェイン上限量を超す可能性も高いので、子どもがジュース感覚でエナジードリンクを飲むのは危険と言えます。

 

また、成人だったらいくら飲んでも大丈夫ではありません。

国内でも、エナジードリンクを常飲していた方の、カフェイン中毒による死亡例もあります。

また、エナジードリンク+お酒によるカフェイン中毒死も起きています。

 

カフェイン摂取は適量に抑えることが重要であり、中でも子どもは過剰摂取に繋がりやすいので注意が必要です。

カフェインは適量を守りましょう

ここまで子どものカフェイン過剰摂取について注意をしてきましたが、カフェイン自体を否定するつもりは全くありません。

私もコーヒーを中心にカフェインを日々摂取しています。

 

「コーヒー」は適量であれば体に良いという報告があり、以下の報告ではコーヒによる早期死亡リスクの低下効果が示されています。
参考:Association of Coffee Drinking With Mortality by Genetic Variation in Caffeine Metabolism: Findings From the UK Biobank.

 

「カフェインが入っているものは全て良くない」と考えてしまうのも極端と言えます。

カフェインは適量の摂取に抑えておきましょう。