ビバンセカプセル【AD/HD治療薬】情報と、他の治療薬との簡易比較

注意欠陥/多動性障害(AD/HD)の治療薬として発売予定の【ビバンセカプセル】について調べてみました。
既存のAD/HD治療薬との比較もしています。

ビバンセカプセル【AD/HD治療薬】について

ビバンセカプセルの基本情報

ビバンセカプセル20mg、30mg(有効成分:リスデキサンフェタミン)は、AD/HDの治療薬として発売予定です。
日本では初めての有効成分ですが、海外では以前から使用されており、アメリカにおいては「VYVANSE」の商品名で発売されています。
2017年の売上は世界で21億ドルだそうです。

 

リスデキサンフェタミンは代謝されることで、デキストロアンフェタミンに変化します。
海外では摂食障害の薬としても使用されています。
日本においては、AD/HDに使える中枢神経刺激薬として、コンサータに続いて2つ目の薬です。

ビバンセカプセルは覚せい剤原料に指定されています

ビバンセカプセルは覚せい剤原料に指定されており、適正流通のための管理システムを作成し、医師・薬剤師の登録制度や、流通量などの管理を行う予定となっており、来年1月4日までパブリックコメントを募集しています。←終了しています。

※追記
2019年2月21日に厚生労働省により、承認が了承されました。
6歳から17歳の患者さんが対象となるそうです。

 

現在、AD/HDに使用されているコンサータも特別な流通管理が行われています。

ビバンセカプセルは、覚せい剤原料としての管理も必要になるので、コンサータよりも管理が厳しくなるのは間違いないでしょう。

少なくとも、容易に不正使用が出来ないようにしなければなりません。

不正使用の予防のためにも、コンサータのように容易に中身を取り出せないような製剤であればと考えていますが、普通のカプセル剤としての発売になるのでしょうか?

ビバンセカプセルについての知識(AD/HD治療薬としてのリスデキサミンフェタミン及びアンフェタミンに関するメタ分析)

リスデキサンフェタミンについての知識がなかったので、3つほどメタ分析を選んで読んでみました。
気になったところだけ抜粋しているので、詳しくは原文を確認ください。

リスデキサンフェタミンは、他のAD/HDに使用される薬と比較して、睡眠障害(39%)、食欲不振(65%)、易刺激性(60%)などを引き起こす可能性がより高かった。
参考:Efficacy and safety of drugs for attention deficit hyperactivity disorder in children and adolescents: a network meta-analysis.
臨床医による評価ではリスデキサンフェタミンも含めてプラセボより優れていたが、教師の評価ではプラセボと差がなかった。
AD/HDの短期治療の第一選択薬として、小児および青年のメチルフェニデート、および成人のアンフェタミンを支持する。
参考:Comparative efficacy and tolerability of medications for attention-deficit hyperactivity disorder in children, adolescents, and adults: a systematic review and network meta-analysis.

今のところ、私の中では、【リスデキサンフェタミンは効果が優れているが、副作用が起きやすいかも知れない】という印象を持っています。

ビバンセカプセルを含めた、AD/HD治療薬の簡易比較(依存性・副作用・注意事項など)

AD/HD治療薬は4剤目になるので、簡易に比較してみました。
各治療薬に対して私が持っている印象(青字)も加えています。

中枢神経刺激薬は不眠傾向、非中枢神経刺激薬は傾眠傾向があります。

中枢神経刺激薬(ビバンセとコンサータ)

ビバンセカプセル(有効成分:リスデキサンフェタミン)

依存性あり

主に脳内のドパミンとノルアドレナリンの遊離促進・再取り込み阻害することで作用する。

効果は優れているが、副作用が出やすいかもしれない。

コンサータ(有効成分:メチルフェニデート)

依存性あり

主に脳内のドパミンやノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで作用する。
不眠の副作用への対応のため、基本的に午前中に服用する。

登録医師以外は処方できないので、登録医であるかどうかコンサータ錠 適正流通管理委員会へ確認が必要。
また、登録調剤薬局でしか調剤は出来ません。

食欲減退の副作用で、処方変更になる例が多い印象があります。

非中枢神経刺激薬(ストラテラとインチュニブ)

ストラテラ(有効成分:アトモキセチン)

依存性なし

主に脳内のノルアドレナリンの再取り込みを阻害することで作用する。
眼球刺激性があるので、カプセルを空けないように注意。液剤も同様。
効果が出るのに一ヶ月程度かかる。

唯一、液剤があるので、錠剤やカプセルが飲みにくい人にも選択しやすい。
CYP2D6にて代謝されるので併用薬に注意が必要。

副作用の訴えは少ないが、効果不十分で処方変更になる例が多い印象です。

2018年12月にはジェネリックも発売されています。

>>アトモキセチンカプセル・錠・内用液の比較【ストラテラのジェネリック/子どもにも使いやすいのは?】

インチュニブ(有効成分:グアンファシン)

依存性なし

主に脳内のアドレナリンα2A受容体を刺激し、交感神経を抑制することで作用する。
日本では2017年5月から使用が可能になった。

小児のAD/HDにのみ適応がある。
用量変更時などは、血圧や脈拍などの検査が必要。

CYP3A4、CYP3A5で代謝されるので、相互作用に気をつけるべきもの(薬や飲食物)が多数存在する。

血圧低下の副作用で治療中止になる例が多い印象です。
添付文書によると、傾眠の副作用は57.5%となっていますが、印象としてはもっと少ないです。

 

 

AD/HDは診断が非常に難しい病気です。
適切な診断を受けるために、専門医への受診をおすすめします。>>>発達障害の種類と治療薬【疑いがあれば、早めに相談・受診|どこに相談?】

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