AD/HDの治療薬の一つに、ストラテラカプセルという薬があります。
少し大きめのカプセル剤なので、上手く飲めないお子さんがたまにいて、薬局でも頭を悩ませることがあります。
使用頻度はコンサータやインチュニブに比べるとそこまで高くないと思いますが、ジェネリック医薬品が発売になるので当薬局での採用を考えつつ、比較検討してみました。
ストラテラカプセルと内用液0.4%の情報【先発品】
ストラテラカプセルには5mg・10mg・25mg・40mgの4規格があります。
カプセルサイズは全て同じで、3号カプセル(長径15.8mm、短径5.85mm)です。
それぞれカプセルの色を変えてあるので、区別はつきやすいです。
色は規格が小さい順に、オレンジ、白、青&白、青です。
ストラテラ内用液0.4%は無色透明で甘いシロップで、ラズベリーの匂いが付けてあります。
細かい量の調節などもあるので、基本的に毎回原液のまま瓶から直接、専用のピペットで量りとってから飲みます。
処方のされ方によっては、小分けのストラテラ内用液専用容器でお渡しすることもあります。
続いて、ストラテラのジェネリックを比較していきます。
ジェネリックには、先発品にはない錠剤タイプがあるのが一つの特徴です。
【ストラテラのジェネリック】アトモキセチンカプセルの比較
アトモキセチンカプセル「日医工」:ストラテラに一番似ている
アトモキセチンカプセル「サワイ」:ストラテラより小さめ
アトモキセチンカプセル「ファイザー」:一部ストラテラより小型
各社のアトモキセチンカプセルの比較
- ストラテラに一番近いものを選ぶなら「日医工」
- 飲みやすく小型化したものを選ぶなら「サワイ」
「ファイザー」は特にメリットを感じないですね。
【ストラテラのジェネリック】アトモキセチン錠の比較
ストラテラにはない錠剤タイプです。
カプセルよりも小型化されていて、少ない水でも飲みやすいのはメリットです。
アトモキセチン錠「タカタ」:小型で色分けもされ区別しやすい
アトモキセチン錠「DSEP」・「トーワ」・「ニプロ」:最も小型だが見分けにくい
こちらの3種類は、特に違いが見つけられなかったのでまとめて記載しました。
生物学的同等性試験の結果も全く同じでした。
各社のアトモキセチン錠の比較まとめ
どれを選んでも、カプセルよりかは飲みやすくなると思われるが、見た目が変わることへの配慮が必要です。
- 見分けがつきやすいものを選ぶなら「タカタ」
- できるだけ小さいものを選ぶなら「DSEP」・「トーワ」・「ニプロ」のいずれか
【ストラテラのジェネリック】アトモキセチン内用液4%の比較
アトモキセチン内用液4%「トーワ」・「ニプロ」の2社が発売されていますが、この2種類は特に違いが見つけられませんでした。
生物学的同等試験の結果が全く同じで、味も両方グレープ味です。
ストラテラ内用液0.4%は甘くてラズベリーの匂いですので、そこまで違いはありません。
※2019年7月追記
わずかにジェネリックの方が甘みが強いようにも感じます。
添加物はストラテラと異なります。
内用液のジェネリック2種類は「トーワ」・「ニプロ」どちらでも変わらないでしょう。
ストラテラのジェネリック比較結果
ストラテラカプセルのジェネリックの比較
- できるだけストラテラに近いものを選ぶなら、アトモキセチンカプセル「日医工」
- カプセルが良いけど、小さいものを選ぶならアトモキセチンカプセル「サワイ」
- できるだけ小さいものを選ぶならアトモキセチン錠「DSEP」・「トーワ」・「ニプロ」
- 飲みやすくて、見分けもつきやすいものを選ぶならアトモキセチン錠「タカタ」
ストラテラ内用液0.4%のジェネリック
味の好みで先発かジェネリックかを選べば良さそうです。
アトモキセチンカプセル「サワイ」かアトモキセチン錠「タカタ」を採用予定です
ストラテラカプセルを飲まれているお子さんは、自分で薬を飲んでいることも多いです。
2種類の規格を組み合わせて飲むことも珍しくないので、見分けが付きやすいように、色分けはされている方が良いのではないかと思います。
また、カプセルが大きくて飲めないという理由で苦労されたお子さんも見てきたので、サイズも小さいほうが良いのではないでしょうか。
当薬局では、子どもにもおすすめしやすい薬として、アトモキセチンカプセル「サワイ」か、アトモキセチン錠「タカタ」のどちらかを採用しようと考えています。
どちらも思い当たるお子さんさんがいるので、もしかしたら両方採用するかも知れません。
なお、アトモキセチン(先発品のストラテラも含む)には、眼球刺激性があります。
カプセルをあけたり、錠剤を粉砕したり、内用液を飛ばしたりして、目に入らない様に注意してくださいね。
※12/20追記アトモキセチン全般は出荷調整がかかっています。安定供給までまだ時間がかかりそうです。
2019年7月時点では、各社とも流通に問題は無さそうです。
薬の大きさや味などが治療の妨げにならないように、適切なジェネリックを選択したいものです。
特に子どもにとっては、大きさや味の影響は軽視出来ないですからね。
ちなみに、コンサータやインチュニブにはジェネリックがありません。
2019年に、新しいAD/HD治療薬「ビバンセカプセル」が発売される予定になっています。
詳しくは>>>ビバンセカプセル【AD/HD治療薬】情報と、他の治療薬との簡易比較をご覧ください。