デザレックスは12歳から使えて注意点が少ない【海外では6か月の製剤あり】

デザレックスは12歳から使えて注意点が少ない【海外では6か月から使える製剤あり】

デザレックスは第二世代抗ヒスタミン薬ですが、他の多くの抗ヒスタミン薬と異なり、「制限が少ないこと」が特徴と言えます。

  • 1日1回服用
  • 食前・食後の縛りなし
  • 車の運転への注意なし
  • 相互作用が少ない

 

ただし、どんな年齢でも使えるというわけではなく、日本においては12歳以上しか使えません。

一方で海外では子ども用の剤形もあり、6か月から使用が可能となっている国もあります。

デザレックスについて紹介します。

デザレックスの飲み方【12歳から】

デザレックスの一般名は「デスロラタジン」と言い、ロラタジン(ジルテックなど)の主要活性代謝物です。

 

日本では比較的新しく発売された抗ヒスタミン薬ですが、海外に目を向けると120以上の国で承認されており、使用経験も豊富な成分です。

日本における適応は、「アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒」です。

 

デザレックスの飲み方は比較的自由度が高く、1日1回食事に関係なく、食前でも食後でも寝る前でも服用できます。

抗ヒスタミン薬は1日2回で用法の縛りもある製剤が多いので、飲むタイミングをあまり気にしなくても良いのはメリットです。

 

だからと言って、毎日時間がバラバラで良いわけでも、1回2錠飲んだりしてはいけません。

出来るだけ毎日同じぐらいの時間に飲むようにしましょう。

 

ただし、日本では12歳以上にしか使用できません。

デザレックスを粉砕した状態での各種試験は行われておらず、有効性や安全性についても情報がありません。

自己判断で割ったり潰したりして飲まないように。

デザレックスの副作用・注意点・相互作用

デザレックスの副作用については以下の通り。

アレルギー性鼻炎及び慢性蕁麻疹を対象とした国内第Ⅲ相試験において、505 例中 20 例(4.0%)に副作用が認められた。主な副作用は、傾眠 5 例(1.0%)、白血球数増加 3 例(0.6%)、血中コレステロール増加 2 例(0.4%)であった。(承認時)
引用:デザレックス添付文書

傾眠(眠気)の報告がありますが、他の多くの抗ヒスタミン薬と比較すると頻度は低いです。

 

また、「デスロラタジン錠服用後の眠気、精神運動機能及び自動車運転能力に対する影響はプラセボ服用後と同程度」とされています。

プラセボと比較して眠気が増えないということは、デザレックス服用により眠気の副作用が増加するとは言えないということです。

 

そのため、他の多くの抗ヒスタミン薬に多い「自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。」という注意書きもありません。

日常的に車を運転する人にも使いやすい抗ヒスタミン薬と言えます。

 

また、抗ヒスタミン薬服用にあたり、眠気などの明らかな副作用に限らず、集中力や作業効率の低下などの自覚しにくい副作用(インペアード・パフォーマンス)が問題になることもあります。

抗ヒスタミン薬の脳内占拠率がインペアード・パフォーマンスに影響すると考えられています。

ロラタジンの脳内占拠率も比較的低いため、デスロラタジンも同様に影響が少ないのではないかと考えます。
参考:Safety evaluation of desloratadine in allergic rhinitis.

 

デザレックスは多剤との相互作用が少ないのも特徴です。

添付文書には併用注意として「エリスロマイシン」の記載があります。

一方で、影響が大きいわけでもないことから、添付文書では「これらのデスロラタジンの曝露量の上昇は、臨床的に意味のあるものではなく、デスロラタジン錠と CYP3A4又は 2D6 の阻害剤との併用に際しては、いずれの薬剤も用量を調整する必要はないものと考えられる。」と記載されています。

 

エリスロマイシンとの併用について、一律に注意しなくて良いというわけではありませんが、注意すべき相互作用は少ないと言えるでしょう。

海外では6か月から使えるシロップあり【日本での承認が待たれます】

日本においてはデザレックスは5mg錠しか発売されておらず、12歳未満への使用についても承認されていません。

一方、海外では2.5mg錠やシロップ剤なども発売されており、アメリカでは6か月から使うことができます。

 

日本では6か月などの低年齢のお子さんには、フェキソフェナジン(アレグラなど)やレボセチリジン(ザイザル)などが使用されることが多い印象です。

しかしフェキソフェナジンは1日2回、レボセチリジンは眠気などが出やすいといった特徴もあります。

 

デザレックスは1日1回で良い、食前・食後を気にせず飲める、相互作用が出にくい、眠気が出にくいなどの特徴もあり、子どもにも選択しやすい成分です。

日本でもほぼ全年齢に使えるようになり、2.5mg錠やシロップ剤などが発売されることを望みます。

デザレックスのジェネリック発売はまだ先

デザレックスが日本で発売されたのは2016年と比較的新しい薬です。

そのため、ジェネリックの発売もまだまだ先だと思われます。

 

最初にも紹介したように、デザレックスは使用の制限が少ない薬です。

  • 1日1回服用
  • 食前・食後の縛りなし
  • 車の運転への注意なし
  • 相互作用が少ない

しかし、多くの抗ヒスタミン薬のジェネリックが発売されている現状では、薬価は安いとは言えません。

ジェネリックの発売が待たれます。

 

しかし、ジェネリックが発売される頃には、名前が話題になりそうだなと個人的に考えています。

なんと言っても、「デス」ロラタジンですからね。

成分名なので変えようもないと思いますが、医薬品らしからぬ印象の悪さ。

もちろんロラタジンと比較して危険性が高いわけではありませんので、ご心配なく。

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