レボセチリジンドライシロップと2.5mg錠は子どもへの新たな選択肢に

レボセチリジンドライシロップ(粉薬)と2.5mg錠は子どもへの新たな選択肢に

個人的に長い間待ちわびていたザイザルのジェネリック:レボセチリジンの情報が入ってきています。

※2020年6月発売予定です。

 

個人的に気になるポイントは以下の通り。

  • ドライシロップ(粉薬)の発売
  • 2.5mg錠発売
  • 「武田テバ」からAG発売
  • 「タカタ」からOD錠発売
  • 「トーワ」からシロップ発売

 

その中でも特筆すべきはドライシロップ(粉薬)だと感じます。

ザイザルシロップ長期服用中のお子さんにとっては、かなり助かる選択肢が出来たのではないかと思います。

各社のレボセチリジン販売予定

現時点で私が確認できているザイザルのジェネリックは以下の通りです。

種類が多いので折りたたんでいます(ここをクリックしたら開きます)。
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「武田テバ」 AG
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「KMP」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「JG」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「サンド」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「フェルゼン」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「明治」
レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「日医工」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「日医工」
レボセチリジン塩酸塩OD錠2.5mg「日新」
レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「日新」
レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「ニプロ」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「ニプロ」
レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「ニプロ」 シロップ剤
レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「KN」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「KN」

レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「KN」 シロップ剤
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「サワイ」
レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「サワイ」
レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「サワイ」 シロップ剤
レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「タカタ」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「タカタ」
レボセチリジン塩酸塩OD 錠2.5mg「タカタ」
レボセチリジン塩酸塩OD 錠5mg「タカタ」
レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「タカタ」 粉薬
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「アメル」
レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「アメル」 シロップ剤
レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「杏林」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「杏林」
レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「杏林」 粉薬
レボセチリジン塩酸塩錠2.5mg「YD」
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「YD」
レボセチリジン塩酸塩OD錠2.5mg「YD」
レボセチリジン塩酸塩OD錠5mg「YD」
レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%「YD」 粉薬
レボセチリジン塩酸塩錠5mg「トーワ」
レボセチリジン塩酸塩シロップ0.05%「トーワ」 シロップ剤

薬物動態のデータを見る限り、「屋号は異なっていても中身は同じ」製品も多いように感じました。

気になる製剤についてまとめていきます。

レボセチリジンドライシロップは味次第では子どもに使いやすい

レボセチリジンの粉薬はシロップの欠点をカバーできる

今回のジェネリックの発売で、個人的に最大のポイントはドライシロップの発売です。

ザイザルシロップには分包品がないこともあり、以下の点が気になっていました。

  • 持ち運びに不便
  • 服用毎に量り取る手間
  • 衛生面の心配
  • 後味が少し苦い

※上3つは分包品がないシロップ剤全体の欠点です。

 

シロップ剤も短期間だけであればそこまで手間も感じないかもしれませんが、毎日飲むならその手間はとても大きなものになります。

お出かけの際に持ち歩く手間や、出先で量り取る手間などは、実際に長期間シロップを続けた経験がある人しかわからないかもしれません。

 

ドライシロップ(粉薬)であれば、そのデメリットがほとんど解決するでしょう。

  • 持ち運び:1回分(せいぜい数回分)で容易
  • 量り取る手間:なし
  • 衛生面の心配:シロップより少ない
  • 味:シロップよりも良いものが多い

レボセチリジンドライシロップの味見をまだ出来ていませんが、シロップよりも粉薬のほうが飲みやすいことが多いです。

 

アレルギー治療薬は長期間服用を続けるケースもあるので、ドライシロップという選択肢が出来るのはかなり大きいと感じます。

もちろん、シロップ剤のほうが飲みやすいという事もあると思いますが、かなり粉薬の需要は大きいでしょう。

レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%「YD」「杏林」:橙色で0.5g/包のみ

レボセチリジン塩酸塩ドライシロップ0.5%「YD」と「杏林」からは0.5g/包の分包品が発売されます(中身は同じと思われます)。

添付文書を確認すると、分包品は0.5g×100包、0.5g×600包、バラの100gが販売予定です。

 

味はサンプルなどで確認出来たら追記しますが、橙色の粉末を含む粒状の粉薬との情報です。

0.5gは7歳~15歳のお子さんの1回量になるので、1歳~7歳未満にはの分包品では対応できません。

レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「タカタ」:白色で0.25g/包もあり

レボセチリジン塩酸塩DS0.5%「タカタ」は添付文書をまだ確認出来ていません。

しかしパンフレットがあったので、そちらで確認したところ、白色の粉薬のようです。

 

分包品は0.25g×400包と0.5g×400包、バラの100gが販売予定のようです。

0.25gがあるので、生後6か月から分包品を使用することが可能です。

 

レボセチリジンは生後6か月から使える数少ない第2世代抗ヒスタミン薬なので、2歳未満への需要は多いです。

生後6か月から使える第2世代抗ヒスタミン薬には、フェキソフェナジンもあります。
フェキソフェナジンの場合、苦味が目立つこと、果物ジュースによる効果の低下、など子どもに使いにくい面もあります。アレグラ(フェキソフェナジン)の飲み合わせ【グレープフルーツだけでなく、りんご・オレンジジュースにも注意】

レボセチリジン錠2.5mg(OD含む)も7歳以上の子にメリット

先発品のザイザルにはない「2.5mg錠(OD含む)」のジェネリックも需要が大きいでしょう。

7歳から15歳未満のお子さんや腎機能が悪い人の一回量は2.5mgです。

先発品には2.5mg錠がなかったので、5mg錠を割ってお渡ししていました。

 

錠剤を割ることにはいくつか気になる点があります。

  • 薬局での待ち時間が長くなること
  • 錠剤をパッケージから出して割ることによる衛生面の問題
  • 一般的な分包紙では湿気や日光への影響が気になる

これらの問題は2.5mg錠があればすべて解決できます。

調剤の手間が減るので正直ありがたいです。

その他のレボセチリジン製剤【AGとシロップ剤】

レボセチリジン5mgのOD錠(口の中で溶ける製剤)は、粉薬が嫌いだけど錠剤が飲めない7歳以上の子どもや、固形物が飲みにくい高齢者への使用がメインになるのではないでしょうか。

子ども用の薬を得意としている「タカタ」の製品ですので、味は期待出来そうです。

 

AG(オーソライズドジェネリック)が「武田テバ」から発売されます。

ジェネリックへの抵抗感がある方でも選択しやすく、医療費の削減に繋がります。

 

シロップ剤は「サワイ」・「トーワ」・「ニプロ」・「アメル」・「KN」が販売予定です。

各社200mLボトルを発売しますが、「KN」のみ100mL包装もあるようです。

2.5mL/包の分包品があればかなり使われると思っていたのですが、残念ながら発売は無いようです。

味次第ではかなり使われるのではないかと考えます。

 

ザイザル含む第2世代抗ヒスタミン薬は薬価も高いので、ジェネリックの需要は高いでしょう。

患者さんにとってもメリットのあるジェネリックも出てきています。

かかりつけの医師・薬剤師と相談の上、検討してみてください。

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