アスベリンの眠気などの副作用と味について【シロップ・散・錠・DS|子どもにも使う咳止め】

アスベリンの眠気などの副作用と味について【シロップ・散・錠・DS|子どもにも使う咳止め】

大人から子どもまで使われる咳の薬の一つとしてアスベリン(チペピジンヒベンズ酸塩散)があります。

乳児のころから使える子どもの咳止めの薬としては代表的な薬とも言え、うちの子も何度も飲んだことがある薬です。

 

初めて飲む薬になることもあり、副作用の心配や飲み方の相談などをされることも少なくありません。

基本的にはそんなに注意点の多い薬ではありませんが、以下の2点は気にしておきましょう。

  1. アスベリンで眠気が出ることがある
  2. アスベリンシロップは軽く混ぜてから飲む

海外ではアスベリンシロップが入院につながったケースが報告されており、アスベリンシロップを毎回混ぜていなかったことが原因として考えられています。

 

患者さん向けのアスベリンの副作用や注意点などをまとめていきたいと思います。

アスベリンの味はわずかに苦いが子どもでも飲める

アスベリンは基本的には咳止め、痰切りを目的に処方される薬です。

アスベリンの種類【散・ドライシロップ・シロップ・錠】

アスベリンには以下の種類があります。

  • アスベリン散10%
  • アスベリンドライシロップ2%
  • アスベリンシロップ0.5%
  • アスベリン錠10
  • アスベリン錠20

子どもには散・ドライシロップ・シロップの3種類がよく使われます。

 

アスベリンの味はわずかに苦いです

  • アスベリン散10%は甘くて、ごくわずかに苦い
  • アスベリンドライシロップ2%は甘い
  • アスベリンシロップ0.5%は柑橘系の薄めのカルピスのような味で甘い、後味はすこし苦い

アスベリンは全体的に「昔ながらの薬の味」という印象を受けます。

アスベリンの原薬には苦みがあるため、粉でもシロップでも味わうと苦みを感じます。

 

個人的には、アスベリンドライシロップが一番苦みを感じず飲みやすい味です。

一方で、アスベリンドライシロップは一回に飲む量が多くなる(アスベリン散0.1g=アスベリンドライシロップ0.5g)ので、どちらが良いのかは判断が分かれるところです。

 

アスベリンの粉やシロップは、カルボシステインアンブロキソールと混ぜてから渡されることが多いため、飲みやすさは混合された薬の味次第でもあります。

アスベリン錠は小さくて飲みやすいサイズ

アスベリンの錠剤は数ある錠剤のなかでも割と小さい印象です。

初めて錠剤を飲むことにトライするには良いサイズだと考えます。

 

ちなみに、個人差も大きいですが、小学生ぐらいからは錠剤を飲めるようになる印象があります。

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アスベリンの副作用(眠気や便秘、尿が赤くなる)・飲み合わせ

アスベリンの副作用は眠気など。尿が赤くなるのは血尿?

アスベリンで眠気などの副作用が出る可能性はありますが、高頻度ではありません。

インタビューフォームによると、眠気が起こりうる頻度は0.5%以下です。

※実感としては、もう少し高頻度で眠気が出ている印象がありますが、極端に強い眠気が出るのは稀だと思います。

 

その他の副作用として、食欲不振(1.1%)、便秘(0.5%)なども報告されています。

 

また、アスベリンを飲むとおしっこの色が少し赤くなることがありますが、基本的に心配はいりません。

アスベリンが体の中で赤色の成分に変わっておしっこに溶け出しているだけです。

 

たまたまアスベリンを服用したタイミングで血尿が出ることもありえなくはないので、痛みや違和感を訴えるようなら相談するようにしましょう。

アスベリンの飲み合わせや相互作用は?

添付文書には、アスベリンの相互作用などは特に記載がありません。

基本的に他の薬や食事の影響は、そこまで気にする必要ないと思います。

ただし、アスベリンと同様の副作用(例えば眠気など)がある薬と併用した場合などには注意をしておきましょう。

 

飲み物との相性などは以下の記事を参考にしてください。

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アスベリンシロップの注意点【軽く混ぜてから飲む】

アスベリンはよく使われている薬ですが、海外では入院に至った事例もあります。

アスベリンシロップを含む2種が混合されたシロップを飲んだ3歳の子どもが、急に興奮しだしたので救急に連れて行ったら、体内のアスベリン濃度が大人の適正量の22倍以上あったという報告です。

混合されたシロップを飲んでおり、最後に飲ませた時にボトルの底に沈殿物があったようです。

アスベリンシロップは底に成分が溜まりやすいので、一度も振らずに飲み続けた場合、底のほうにいくほどアスベリンが高濃度になることが考えられ、それが原因ではないかと考えられています。

 

確かにアスベリンシロップは服用前に振ってから飲むように伝えるべき薬ですが、そこまで濃縮されるとは考えにくいので、何か他の要因もあるような気がします。

なお、この3歳のお子さんは、救急受診時には名前や年も答えられなかったようですが、翌日には問題なく退院できたそうです。

 

このケースから学べる事として、アスベリンシロップは沈殿しやすいので、飲む際には毎回混ぜるようにしましょう。

 

アスベリンの添付文書にも以下のように記載されています。

シロップ及びシロップ「調剤用」を患者に投薬する時は、「均一となるように振盪し、沈殿が生じていないことを確認してから服用」するように指示すること。

引用:アスベリン添付文書

 

あまりシャカシャカ強く振ってしまうと泡立ってしまい、正確に量り取るのが難しくなるので、転倒混和(ボトルを蓋が下に向くようにしたあと、また元の位置に戻す)するようにしましょう。

※大変わかりにくくて申し訳ないですが、もともと黒ラインの高さだったシロップを数回振ると、写真のように泡立ってしまいます。

 

また、子どもの薬は「次に咳が出た時に使おう」として、しばらく残してしまうこともあると思いますし、そのように医師から指示されるケースもあると思います。

しばらく前にもらったシロップが残っていた時に、見た目もいつもと違うことがあれば飲まないようにしましょう。

薬の沈殿や、保管方法の不備などによる細菌繁殖などの可能性もあります。

 

シロップ剤全般は長期間の保存が他のものに比べて難しいです。

粉を飲めるお子さんの場合、あえてシロップを選ばないほうが無難だと考えています。

シロップ全般の注意点は以下の記事にまとめています。

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子どもの薬の使い方全般については以下の記事でまとめています。