小さいお子さんの場合、シロップ剤をもらうことも多いと思います。
シロップ剤は甘いものが多いですが、小さいお子さんの場合、甘くても嫌がって飲めないこともあります。
甘いのが嫌な場合は、水で薄めたりして飲んでも良いものが多いですが、水と混ぜてはいけないものもあります。
また、同じシロップ剤でも、病院や薬局によって調剤のマニュアルが違うので同じ味では無いことがあります。
いつもの薬局でもらったシロップ剤は喜んで飲んでたけど、今回の薬局のは嫌がる。ということもあるかもしれません。
シロップ剤の飲ませ方や、注意点についてまとめます。
シロップ剤はどれぐらい保存が出来るの?注意点は?
粉薬と比べるとシロップ剤は傷みやすい剤形です。
そのため、シロップ剤は防腐剤などの添加物を使用しています。
長期保管すると、中で雑菌が繁殖することもありえるでしょう。
ペットボトルに入っている開封後のジュースをイメージしてもらうと良いかもしれません。
一度口を直接口付けたペットボトルはそんなに長期間は放置しませんよね?
シロップ剤も中身を一度でも汚してしまうとそんなに長持ちはしないと考えておきましょう。
以下のような場合には、中身を汚してしまう可能性があるので注意してください。
- 直接口をつける
- 清潔でないスポイトを直接中に入れる
- 出しすぎてしまったシロップをまた中に戻す
直接口をつけて飲ませることはさすがにないと思いますが、下の2つはあるかもしれませんよね。
短期の使用なら問題ないかも知れませんが、ザイザルシロップなどの長期使用する可能性がある薬については気をつけるようにしましょう。
病院や薬局でどのように調剤されているのかで保存可能な期間に差が出ることがあります。
シロップ剤の調剤方法の違い【単シロップを使うこともあり】
病院や薬局によって、シロップ剤の調剤方法が違うことがあります。
そのため、同じ薬でも、味の濃さなどが変わることがあります。
シロップ原液のまま調剤する:個人的にはおすすめ
余計なものを加えないので、汚染リスクは最も少ないと言えます。
処方された量次第では自宅で正確に量り取ることが困難な量(1回3.33mL など)になることがあります。
そのような1回量の場合、単シロップなど賦形されて調剤せざるを得ません。
味は薬の味そのままです。
単シロップを加えて調剤する
単シロップとは、とても濃い砂糖水だと考えてください。
単シロップを加えると甘みは強くなります。
しかし、シロップ剤はもともと甘みが強いものが多い反面、苦みがカバーしきれないという特徴があります。
単シロップを加えることによる味の改善効果はそこまでないでしょう。
単シロップを加えることで、汚染リスクがごくわずかに上がります。
単シロップを加える量は、医療機関ごとに異なります。
なお、単シロップが市販品としてドラッグストアなどで売られているのを見たことはありません。
ガムシロップを加えれば似たような感じにはなると思います。
精製水を加えて調剤する
精製水は不純物を取り除いた比較的純度の高い水です。
余計なものが入っていないというメリットの反面、塩素などを含んでいないので雑菌の繁殖などが起こりやすいと言えます。
シロップ剤に精製水を加えれば、味も苦みも薄まります。
水道水を加えて調剤する
シロップ剤は基本的に小さい子に飲ませることが多いので、煮沸前の水道水には抵抗感があるかもしれません。
そのため、個人的には使用しません。
しかし、塩素を含んでいるのは衛生面でのメリットもあります。
当然、甘みも苦味も薄まります。
シロップ剤の調剤方法は区別がつく?
シロップ剤がどのように調剤されているかは、薬情(薬の情報が書いてある紙)やお薬手帳を見てもわからないことが多いです。
先程紹介したように、シロップ剤の調剤方法は多岐に渡ります。
病院・薬局によって調剤の仕方が違いますから、同じ薬でも味が変わることもあります。
そのため、前回は飲んでくれたけど、今回は少し嫌がるということも起こりえます。
できるだけ同じ味にしたい場合、毎回同じ薬局で調剤してもらうようにすれば解決します。
何でも相談できるかかりつけ薬局(かかりつけ薬剤師)が決まっていると良いですね。
個人的は、原液で調剤して、必要に応じて家で薄めてもらったりしたほうが良いと考えています。
しかし、1回量がキリの良い量でないと原液に出来ないので、現実的には難しいことも多いです。
スポイトや計量カップは消毒できる?
シロップ剤に付いてくるのがスポイトか計量カップかもまちまちです。
ボトルの目盛りを見て、家のコップなどではかり取るように言われることもあるでしょう。
シロップ剤を調剤する時にはスポイトか計量カップを付けたほうが親切だとは思いますが、当然コストがかかります。
「無料でもらえたらラッキー」ぐらいに考えておきましょう。
どちらを使う場合も、使ったら毎回洗ってからしっかり乾かすようにしましょう。
スポイトは洗いにくいので、スポイトの先が口に付かないように使うのが衛生的です。
スポイトをシロップ剤の容器に入れて量り取る場合、スポイトが汚れていたら、残りの薬が全て汚れてしまいます。
スポイトの種類によって、短時間の煮沸消毒が可能なものや、ミルトンなどの薬液消毒が可能なものもあります。
スポイトを長く使うのであれば、ちょっと良いスポイトを買って都度消毒するか、使い捨てれるものを大量購入するのも良いかもしれません。
シロップは、適切に保管するのが難しい薬の一つです。
長期で保管する場合は、特に管理に気をつけるようにしてください。