イーケプラの特徴や副作用【ドライシロップの味は苦みがあり|他の治療薬と相互に影響を与えない】

イーケプラの特徴や副作用【ドライシロップの味は苦みがあり|他の治療薬と相互に影響を与えない】

てんかん治療薬の「イーケプラ」は子どもにも使われることがあります。

イーケプラドライシロップを中心に、使い方や副作用、飲み方についてまとめていきたいと思います。

イーケプラの特徴【他の治療薬と相互に影響を与えない】

イーケプラは日本では2010年(子どもは2013年)に使えるようになった、割と新しいてんかん治療薬です。

しかし、アメリカでは1999年に承認され、世界的には100カ国以上で使われており、てんかん発作の種類次第では評価も高いです。

既存のてんかん治療薬とは作用機序(どこにどのように効くのか)が違い、他のてんかん治療薬で効果が不十分な場合などに使われます。

 

てんかん自体が脳の過剰興奮によるものなので、それを抑えるためのてんかん治療薬には眠気などの副作用は付きものです。

イーケプラを使う場合も、眠気などの副作用には注意をする必要があります。

 

ただし、薬同士(てんかん治療薬2種類などの場合も含む)の相互作用の結果として過剰な眠気などが出てしまうと、日常生活への影響も大きくなる可能性があります。

しかし、イーケプラは他の薬の血中濃度に相互に影響を与えないため、一つ懸念を減らすことが可能です。

なお、添付文書にも相互作用への注意については記載がありません。

 

また、てんかん治療薬の中では効果の発現が早く、投与初期から発作を抑える効果があります。

てんかん治療薬の効果の判定には長期間続ける必要がありますが、イーケプラはその時間を短縮出来る可能性があります。

イーケプラの種類と味は苦みあり、ジュースなどに混ぜる場合も

イーケプラは、てんかん部分発作や、他のてんかん治療薬で十分な効果が認められない強直間代発作の併用療法で使われます。

 

種類は以下の3種類があり、ドライシロップは添付文書上は4歳から使用できます(EUやアメリカの添付文書では生後1カ月から使えるようです)。

  • イーケプラドライシロップ50%
  • イーケプラ錠250mg
  • イーケプラ錠500mg

成人量は1000mg/日で上限量は3000mg/日、
子ども量は20mg/kg/日で上限は60mg/kg/日(50kg以上は3000mg)を1日2回に分けて服用します。

 

食事による影響は軽度とされています(効き始めの速さなどはわずかに影響が出そうですが、現実的な影響は小さい)。

20mg/kg/日として考えると、25kgのお子さんなら250mg錠の使用が可能になります。

と言うのも、イーケプラドライシロップの味の問題で、なかなか飲むのに苦労するお子さんもいるからです。

 

イーケプラドライシロップは口に入れると最初は甘みも感じますが、時間が立つにつれて苦味が目立ってきます。

すごく飲みにくい薬とまでは思いませんが、薬の性質上、長期間続ける必要があるので、どうやって毎日飲むのかはとても大きな問題です。

 

私も一度しか味見をしていないので、飲み物との相性については調べれていません。

どうしても飲めない場合などに、直前にジュースなどに混ぜるのは問題ないだろうとメーカーさんに確認は取れています。

 

ほとんどの薬に言えることですが、表面的に美味しくても、味わうことなく飲むことを推奨します。

ミティキュアなどの舌下錠や、モンテルカストチュアブルなどの、さっと飲み込まないほうが効果が良いものは除きます。

 

余談ですが、味が問題になる薬については添付文書や指導せんなどで味や飲み方についてもっと記載があっても良いと思います。

どんなに良い薬でも使えなければなんの意味もありません。

イーケプラの眠気などの副作用・注意点

他のてんかん治療薬と同様に、イーケプラの使用で日常的に気をつけたほうが良いことは「眠気」です。

部分発作の併用療法に使用した時の副作用頻度をインタビューフォームで確認すると、成人の35.5%、子どもの42.5%に傾眠(うとうとするような状態)が出ています。

 

運転などの危険を伴う機械の操作は行わないようにしてください。

もちろんですが、必要なてんかん治療薬を飲まないことのほうがもっと危険ですので、イーケプラを飲まなければ運転していいというわけではありません。

 

大量に服用した場合として、海外では一度に15~140 g(通常量の15倍~)服用した例があり、傾眠、激越、攻撃性、意識レベルの低下、呼吸抑制及び昏睡が報告されています。

意図的な場合を除けばまず起こり得ない量だと感じますが、お子さんがいる家庭では適切な管理が大切です。

 

また、頻度は高くないですが、攻撃性や自殺企図の報告もあるため、精神症状に変化を感じた場合は医師に連絡するようにとされています。

急に減量(中止を含む)をするとてんかん発作が起こるなどの懸念があるため、服用の継続については医師としっかり相談するようにしてください。

 

 

てんかん発作は意識障害などにつながることもあり、適切な治療を続けていくことが大切です。

発作が起こらない状態を目指すために薬が使われることは多いですが、子どものてんかん治療薬は美味しくないものが多いです。

なんとか上手く飲み続けてくれるように、良い提案が出来ればと考えています。

 

てんかん治療の簡易説明や、他のてんかん治療薬について下の記事で簡単にまとめています。

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