子どもは下痢や軟便によくなりますが、胃腸炎などが治った後に、しばらく酸っぱい臭いの下痢が続いたことはありませんか?
そういう時には「2次性乳糖不耐症」になっていたのかもしれません。
まずは「2次性乳糖不耐症」について簡潔に理解してもらい、次にその際に使うミルラクト細粒50%やガランターゼ散50%についての飲み方や注意点などをまとめます。
2次性乳糖不耐症について簡潔に
乳糖不耐症とは、ミルクに含まれる糖質である乳糖をグルコースとガラクトースに分解する乳糖分解酵素(ラクターゼ)の活性が低下しているために、乳糖を消化吸収できず、著しい下痢や体重増加不良をきたす疾患である。ラクターゼ活性低下の原因には、先天性の酵素欠損と二次性の酵素活性低下がある。ただし、哺乳類では生後一定期間ラクターゼ活性は非常に高く、授乳期を過ぎると活性が生理的に低下する。また、感染性腸炎などによる二次的なラクターゼ活性低下は原則として生理的活性レベルに回復する。
参考:小児慢性特定疾病情報センター
乳糖不耐症には先天的なものと後天的なものがあります。
先天性乳糖不耐症は稀な疾患で、2~3歳までに、先天的ラクターゼ欠損に起因する乳糖不耐症が発覚するのは稀なようです。
参考:Lactose Intolerance in Infants, Children, and Adolescents
「2次性乳糖不耐症」は、胃腸炎などに感染した後に、腸の機能が一時的に低下してラクターゼが出にくくなることで起こります。
症状としてはお腹が張ったり、酸っぱいにおいの便が出たりします。
こういう時にミルラクトやガランターゼが使用されます。
ミルラクト細粒やガランターゼ散の飲ませ方と注意点
ミルラクトやガランターゼの飲ませ方【粉ミルク・食事・母乳育児】
ミルラクト細粒50%やガランターゼ散50%は乳糖を分解する手助けをしてくれます。
ミルラクト・ガランターゼ共に、粉ミルクに溶かすか、食事と一緒に飲ませるようにしてください。
その時の食事が母乳のみの場合は食前に溶かしてから飲ませてあげてください。
なお、食事が摂れなくても飲んでも大丈夫です。
味はどちらもほのかに甘く、苦いという印象はありません。
粉ミルク・食事のどちらに混ぜても、味に悪い影響を与えない程度の味です。
※粉薬を粉ミルクや食事に混ぜると、味が変わって今後の食生活に影響を与えることがあるので、一般的にはおすすめ出来ませんが、ミルラクト・ガランターゼについては問題ないでしょう。
ミルラクトやガランターゼは50℃以下で溶かす
ミルラクト者指導せんには、50℃未満で溶かすように書かれています。
インタビューフォームで調べてみたところ、以下のような記載がありました。
・ミルラクト細粒50%は50℃以上では酵素力価が低下するため、溶解温度に注意すること。
・ミルラクト細粒50%は水溶液中では 40℃以下、牛乳中では 55℃以下であれば少なくとも 5 時間までは安定であった。
・水に溶かした時の安定性:50℃では 5 時間後酵素力価が約50%に低下し、55℃では 5 時間後酵素力価が数%残存するにすぎなかった。
・牛乳に溶かした時の安定性:50℃までは少なくとも 5 時間後まで全く変化が認められなかった。55℃では 5 時間後酵素力価が約 5%低下したに過ぎなかった。
・牛乳中で安定化する理由は、牛乳中に基質(乳糖)が存在するため、酵素と結合して活性部位が保護されるためと考えられる。
参考:ミルラクト細粒50%インタビューフォーム
通常の粉ミルクには乳糖は含まれているので、水に溶かした場合よりは安定すると考えます。
「ミルラクトを溶かしたは良いけどなかなかミルクを飲んでくれなかった。」なんてことがあった場合には、常温で5時間程度なら置いておいても良さそうですね。
ガランターゼ散50%の安定性に関してはあまりデータが多くありませんでしたが、やはり50℃以下なら安定しそうです。
・水に対する安定性:1%水溶液を 0,10,20,30,40,50,60℃に加温し 30 分間放置後,酵素活性を測定した結果,0~50℃では失活せず,60℃では失活し相対活性 65%であった。
参考:ガランターゼ散50%インタビューフォーム
どちらにせよ、50℃以上にはならないようにしておきましょう。
調乳する際には、飲ます直前に混ぜるぐらいで良いかもしれないですね。
ミルクを温め直す場合にも熱くなりすぎないように注意してください。
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