アレサガテープの誤解とメリット【眠気には注意が必要です】

アレサガテープは世界で初めての貼り薬タイプのアレルギー性鼻炎治療剤です。

「貼る花粉症の薬」として大々的にワイドショーで報道されたりしました。

そのため、知っているという人も多い薬ですが、少々誤解されている方も多いようなので、注意喚起も兼ねて注意点などをまとめます。

※便宜上こどもの薬カテゴリーに入れていますが、基本的にこどもに使う薬ではありませんのでご注意ください。

アレサガテープの誤解【眠気には注意】

アレサガテープの誤解で多いのは以下のような内容です。

  • 薬が吸収されない
  • 眠くならない
  • 子どもに使える

100%違うとは言えないものもありますが、どれも基本的には誤解と言えるものですので、説明していきます。

アレサガテープの有効成分は血液中に移行します

「アレサガテープは体に吸収されない」が一番の誤解です。

確かに貼り薬の中には、飲み薬と比較すると血液中へは吸収される量が少ないものはあります。

 

最もわかりやすい例としては、「モーラステープなどの痛み止めの湿布薬」でしょう。
おそらくアレサガテープへの誤解は、湿布が原因となっているのではないかと考えています。

湿布は基本的に「貼った場所のみ」の痛みを抑える目的で使用されます。
そのため、飲み薬と比較すると、血液中に移行する薬の量を減らすことが可能です。

ただし、湿布薬の成分も(少ないながらも)血液中に届いていることは知っておいたほうが良いかもしれませんね。
※一部、血液中への移行量が多い湿布もあります。使用は適切に。

 

対して、薬の成分を血液中に移行させることを目的とした貼り薬もあります。
最も有名なのは、「ホクナリンテープ」でしょう。

ホクナリンテープは皮膚から成分を吸収することで効果が出ます。
気管支を拡げる薬なのに腕に貼っても効果が出ることからもわかりやすいと思います。

 

アレサガテープもホクナリンテープと同様に、薬が吸収されます。
そのため、体に貼ることで、鼻水や涙などのアレルギー症状を抑えることが可能です。

アレサガテープと同成分の飲み薬(レミカットなど)は25年以上前からありますが、それと同程度吸収されなければ十分な効果も出ません。

アレサガテープを貼ると眠気が出る可能性があります

アレサガテープの有効成分は血中に移行することで効果を発揮します。

有効成分が血中に移行するという点では飲み薬と違いはありません。

 

そのため、他の多くのアレルギーの薬と同様に、眠気に注意してください。

アレサガテープの添付文書「重要な基本的注意」には以下の記載があります。

眠気を催すことがあるので、本剤使用中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう十分注意すること。更に、日常生活に支障がみられる場合があるので、本剤使用に際してはこのことを患者に十分説明しておくこと。

同成分の飲み薬「レミカット」と比較すると、アレサガテープは眠気の頻度が少ないと言われる事もあります。

添付文書上の眠気の頻度を見る限りでは確かにアレサガテープのほうが眠気の頻度が低いですが(4.9%対6.3%)、直接比較をしているわけではありません。

直接比較をしていない以上、なんとも言えませんが、個人的にはそんなに差はないと考えています。

ただし、飲み薬よりは血中濃度が安定するので、ピーク時の眠気は減らせる可能性があります(メリットで後述します)。

その他の副作用については後述します。

アレサガテープは子どもにも使える

アレサガテープは子どもにも使えるという話を聞くこともありますが、基本的には大人用の薬で、子ども用の量は記載がありません。

絶対に使えないとも言えませんが、適切な量に関する情報も足りませんし、他の類似薬を差し置いて使う理由は思い当たりません。

子どもに使えるという話がどこから広まったのか疑問です。

薬についての内容は、基本的にこれからも子どもに関する薬しか扱わないつもりです。

アレサガテープについての内容を書くきっかけになったのは、患者さんからのこの誤解を聞いたからです。

アレサガテープのメリット

アレサガテープのことを誤解している方は多いですが、その誤解を取り除いてみると、「じゃあアレサガテープのメリットってなんなのよ?」となるかと思います。

アレサガテープには以下のようなメリットがあると考えます。

  • 1日1回貼るだけ
  • 血中濃度が飲み薬よりも安定する
  • 誤嚥のリスクを減らす
  • 水分制限があっても使いやすい
  • 貼ったかどうかが目で見てわかる

いくつかまとめながら説明します。

アレサガテープは1日1回で血中濃度も比較的安定

アレサガテープと同成分の飲み薬「レミカット」などは、1日2回朝と寝る前に飲むことで効果が持続します。

それに対して、アレサガテープは1日1回で良いですし、食事などの影響も受けません。

 

自分の一番忘れにくいタイミングで使えるのは大きなメリットにもなります。

基本的には24時間ごとに使用するのが一番です。

 

また、飲み薬と比較すると血中濃度が安定しています。

そのため、1日を通して効果が安定しやすいこと、過度な副作用リスクも少ないかもしれません。
結果として、ピーク時の副作用としての眠気の強度は抑えれる可能性があります(あくまで可能性です)。

アレサガテープは誤嚥リスクを減らし、水分制限にも向いている

アレサガテープは飲み薬ではないので、使用者の誤嚥リスクは減らせるので、たびたび誤嚥性肺炎を起こす高齢の方などにはメリットがあります。

また、水で飲み込む必要もないので、水分制限がある方にとってもメリットとなります。

水分制限がある方の中には皮膚が乾燥している方も多いです。

皮膚の乾燥は貼り薬によるかぶれ等を起こしやすくなる可能性があるので、保湿剤の使用も検討しましょう。

アレサガテープは貼っているかどうかがわかりやすい

アレサガテープを貼っているのかどうかは目視で確認できます。

これは、薬を飲んだかどうか忘れてしまう方などにはメリットが大きいと言えます。

また、「貼っている」のが目に見えるので、効いている気がするというプラセボ効果も期待できるかもしれませんね。

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ただし、「そのアレサガテープを貼ったのがいつなのか?」という点には注意が必要です。

もしかしたら1週間貼りっぱなしの可能性もありますよね。

剥がし忘れていて2枚貼ってあることもあるかもしれませんが、目視で気づけるので剥がせば良いです。

「飲み薬を2回飲んでしまった」時よりは圧倒的に対処は楽でしょう。
※安全性が高いという話ではありません。

これらのメリットと、外用薬ならではのかぶれなどのデメリットのバランスを考えることが大切です。

アレルギー性鼻炎以外に持病が無い方には、特別なメリットは少ないと考えています。

アレサガテープ使用時の注意点や副作用など

アレサガテープ使用時の注意点

アレサガテープを貼るのに適している場所は、胸・お腹・背中・上腕です。
これらのエリアであれば、薬の吸収にはほとんど差がありません。

腰に貼ると吸収が3割弱落ちるようですので、ご注意ください。

 

貼る場所の注意として、湿疹や皮膚炎がある場所は避けてください。
また、貼る場所は清潔にして水分を拭き取ってから貼るようにしてください。

 

毎回同じ場所に貼り続けるとかぶれ等の原因になります。
貼る場所は毎回変えるようにしてください。

アレサガテープが剥がれてしまった場合の対応として、添付文書には、以下のように記載があります。

貼付期間中本剤が途中ではがれ落ちた場合は、直ちに新たな本剤を貼付すること。また、次の貼り替え予定時間には新たな本剤に貼り替えること。

基本的には上記の対応が望ましいでしょう。

しかし、インタビューフォームを読む限り、剥いだら速やかに効果がなくなるというわけでもなさそうです。
短時間なら影響は少ないと考えます。

アレサガテープの副作用

アレサガテープの副作用を、同成分の飲み薬レミカットと比較して見ていきます。

アレサガテープの副作用
国内臨床試験において、1,060 例中 201 例(19.0%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、適用部位紅斑116 例(10.9%)、適用部位瘙痒感 48 例(4.5%)、適用部位丘疹21 例(2.0%)及び眠気 52 例(4.9%)等であった。(承認時)
レミカットの副作用
承認時及び市販後の使用成績調査の症例14,168例中1,040例(7.34%)に副作用がみられた。主な副作用は眠気(6.30%)、倦怠・脱力感(0.61%)、口渇(0.23%)、腹痛(0.14%)、ふらつき(0.13%)、頭痛・頭重感(0.11%)、頭がボーッとする(0.10%)等であった。臨床検査値の変動はALT(GPT)上昇(0.21%)、AST(GOT)上昇(0.16%)、LDH上昇(0.13%)、γ-GTP上昇(0.10%)等であった。

アレサガテープを貼った場所が赤くなる、かゆくなるなどの副作用はある程度起こります。

眠気に関しても、強度や頻度が抑えられる可能性はありますが、眠くならないわけではありません。

レミカットのほうが色々副作用があるようにも見えますが、基本的に眠気と同様に、同じことは起こりうると考えておけば良いでしょう。

やはり、最も注意すべきなのは眠気でしょう。

%だけ見ると、口の渇きなどは少ないように感じますね。

アレサガテープの併用注意

アレサガテープの有効成分は血中に移行するため、他の薬などとの相互作用などにも注意が必要です。

とはいえ、特別注意すべきものの種類が多いわけではありません。

添付文書上の併用注意には、向精神薬(鎮静剤や睡眠薬など)、他の抗ヒスタミン薬、アルコールなどにより、眠気・相互の効果増強などが挙げられています。

医師の指示の範囲で使うようにしましょう。

アレサガテープの妊婦・授乳婦への使用

何度も繰り返しになりますが、アレサガテープの有効成分は血中に移行します。
そのため、妊婦さんや授乳中の方に対して特別安全に使えるというわけではありません。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与
(1) 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。]
(2) 授乳中の女性には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中へ移行することが報告されている。]
引用:アレサガテープ添付文書

アレサガテープの危険性が高いというわけでは決してありませんが、数ある抗ヒスタミン薬の中で、あえてアレサガテープを使用する理由は少ないでしょう。

つわりがとても酷くて、薬も飲めないのであれば、検討する価値はあるでしょう。

 

妊娠中の安全性に関しては、国立成育医療研究センターには、妊娠中に安全に使える抗ヒスタミン薬として、フェキソフェナジン(アレグラ)やロラタジン(クラリチン)などの記載があります。