タベジール(クレマスチン)の味と飲み方・眠気などの副作用や子どもに注意すべき点など

タベジール(クレマスチン)の味と飲み方・眠気などの副作用や子どもに注意すべき点など

第一世代抗ヒスタミン薬のクレマスチンフマル酸塩(タベジール、クレ・ママレット、テルギンGなど)についてまとめています。

1歳頃から子どもにも使用されることがある薬ですが、苦味があるため味や飲み方を紹介します。

 

また、副作用の眠気などについて相談されることもあります。

眠気への心配はもちろんのこと、それ以外にも注意したい点がありますので紹介します。

タベジール(テルギンGとクレ・ママレット)の味や飲み方

タベジールは基本的にアレルギーを伴う症状(皮膚炎や鼻炎など)を抑える薬ですが、タベジールシロップのみ風邪症状に伴うくしゃみ・鼻水・咳などへの適応があります。

 

タベジールには以下の種類があります。

  • タベジール錠1mg
  • タベジール散0.1%
  • タベジール散1%
  • タベジールシロップ0.01%

 

タベジール散の0.1%、1%はともに苦味を感じます。

個人的に、タベジール散はチョコクリームなどに混ぜて「食べる」ほうが苦味は感じにくい印象です。

 

粉薬のジェネリックは、テルギンGドライシロップ0.1%やクレ・ママレットドライシロップ0.1%などがあります。

どちらも先発品のタベジール散と違い、ドライシロップ製剤で甘味が強いですが苦味も残ります。

こちらもタベジール散同様に、溶かさずに何かに混ぜて「食べる」ほうが飲みやすいと思います。

 

タベジールシロップ0.01%は甘味も強いですが、苦味も残ります。

こちらは一気に飲んでしまい、その後にお口直しをしたほうが飲みやすい印象があります。

 

タベジールは粉薬もシロップも一部の薬と混ぜて時間が経つと、配合変化が見られることがあります。
※散:パンクレアチン・炭酸水素ナトリウムなど、シロップ:アタラックスPシロップ、トランサミンシロップなど

タベジールを何かに混ぜる場合は、飲む直前にしましょう。

 

基本的に1日2回朝晩(食後指示なし)で飲む薬で、1歳頃から使われることがあります。

タベジールの飲む量については、以下の記事で他の抗ヒスタミン薬と一緒にまとめています。

タベジールの副作用・気になる点【第一世代抗ヒスタミン】

タベジールのインタビューフォームに記載されている副作用については以下の通り。

タベジール錠1mg、タベジール散0.1%、タベジール散1%の総例2,076例中何らかの副作用が報告されたのは279例(13.4%)であった。そのうち主なものは眠気191件(9.2%)、けん怠感36件(1.7%)、口渇感15件(0.7%)、食欲不振7件(0.3%)、悪心・嘔吐7件(0.3%)等であった(承認時まで及び市販後調査1975年1月までの集計)。
また、タベジールシロップ0.01%の総例3,144例中何らかの副作用が報告されたのは89例(2.8%)であった。その主なものは、眠気51件(1.6%)、食欲不振13件(0.4%)、嘔吐10件(0.3%)等であった(新開発医薬品の副作用のまとめ(その28))。
重大な副作用(頻度不明)として痙攣、興奮、肝機能障害、黄疸が報告されている。
引用:タベジールインタビューフォーム

 

錠・散とシロップでは対象となる年齢が違うこともあり頻度が大きく異なっていますが、眠気に関しては出る可能性が高いと考えておきましょう。

 

その他の注意点として、タベジールを含む第一世代抗ヒスタミン薬は、熱性けいれんを起こしたことがある子どもには推奨されていません。

 

海外では小さい子への第一世代抗ヒスタミン薬の使用が制限されていることもあります。

また、第一世代抗ヒスタミン薬には一般的に抗コリン作用があるので、閉塞隅角緑内障や前立腺肥大などがある方には禁忌になります。

 

海外データではありますが、母親が服用することで授乳中の子どもに短期間の影響が出た例もあります。

母親がカタルのためクレマスチン1mgを服用した12時間後に、乳児(生後10週)に眠気、興奮、授乳の拒否などが見られた。母親へのクレマスチン投与を中止後、乳児の症状は回復し、通常の授乳を行い得た。また、母乳中からクレマスチンが検出された。
引用:タベジールインタビューフォーム

 

このように、子どもへの注意点がいくつかあります。

受診の際に熱性けいれん歴があることを伝えておらず処方されたケースなどもあります。

対策として、病院では必ず病歴なども伝えるか、お薬手帳を活用するようにしましょう。

 

なお、論文検索サイトのPubMedで調べていたところ、クレマスチンは海外では色々な目的で使われているようです。

個人的には、風邪症状による鼻水を抑える目的での使用については思うとこともありますが、用途によっては効果的な可能性もありそうです。

 

「この薬は必要/不要」などを一方的な側面だけで単純に考えないことも大切です。

不安な点はかかりつけ医・かかりつけ薬剤師に確認するようにしていきましょう。

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