小児用フルナーゼ点鼻液の使い方・注意点・副作用

子どもに使われることの多い点鼻ステロイドの一つ、小児用フルナーゼ点鼻液の紹介です。

刺激感を感じやすいとは言われますが、長く使用されているので、適切に使用できていれば副作用が問題になることはほとんどないと考えます。

フルナーゼ点鼻液の使い方

フルナーゼは5歳から使えるステロイドの点鼻液ですが、子どもと成人(15歳~)で使用する成分量が異なり、容器自体も違います。

  • 5歳~15歳未満:小児用フルナーゼ点鼻液25μg
  • 15歳~:フルナーゼ点鼻液50μg

年齢により規格が違うだけで、使い方はどちらも同様に、通常1日2回、各鼻に1噴霧ずつ点鼻します。

医師から指示されていれば、症状に応じて1日8噴霧まで使うことも認められています。

 

フルナーゼ点鼻液の使い方はとても簡単です。

容器をよく振ってから、顔を下向きにして鼻の穴に容器の先端を入れ、ワンプッシュするだけです。

点鼻後、数秒間は上を向いて鼻でゆっくり息をすることが推奨されています。

新しい容器を初めて使うときは、よく振った後に7回空噴霧をして、霧状になるのを確かめてから使い始めてください。

2回目以降はこの作業は必要ありません。

フルナーゼ点鼻液の副作用と注意点

フルナーゼを含む点鼻ステロイドは、適切に使えていれば比較的安全ですが、長期間・大量に使う場合などを中心に気をつけたほうが良いこともあります。

まずフルナーゼ点鼻液の副作用ですが、使用成績調査を見ると、成人・子どもとも、1%弱しか副作用が出ていません。

 

さらに、主なものは鼻に関する症状(鼻出血・鼻の刺激感・不快臭・鼻の痛み)です。

小児用フルナーゼの承認時のデータには、血中コルチゾール減少が3例報告されていますが、いずれも基準値範囲内でした。

 

私の知っている範囲で小児用フルナーゼを続けれなかったお子さんは、みんな刺激感(鼻が痛い)が原因です。

重大な副作用として、「アナフィラキシー」の報告があり、海外での頻度は0.01%未満と記載されています。

日本でもアナフィラキシーの報告がありますが、他の成分(オキサトミド)でアレルギー歴がある方です。

 

フルナーゼを含めた医薬品の使用に限らず、食品などでもアナフィラキシーは起こりえますし、誰しも注意すべきだと考えます。

特にアレルギー歴がある方は、アナフィラキシーのことを頭の片隅には入れておいたほうが良いでしょう。

アナフィラキシーの場合、以下の症状が急激に起こることがあります。

  • 皮膚症状(痒み、じんましんなど)
  • 消化器症状(嘔吐、腹痛など)
  • 呼吸器症状(苦しい、咳など)
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また、CYP3A4を阻害する薬とは併用注意になっています。

 

海外データですが、フルナーゼを16か月継続使用、リトナビルというCYP3A4を阻害する薬を5か月継続使用という状況で、経口ステロイドの副作用が疑われる、典型的なクッシング様顔貌が発現したようです。

両剤とも数か月継続した結果ですし、短期使用で問題になることは考えにくいでしょう。

短期間の併用で同様の症状が起こるとすれば、報告例がほとんどないのは考えにくいです。

小児用フルナーゼ点鼻液の成長への影響

経口ステロイドを成長期の子どもが続けると、成長への影響が出ることがあります。

小児用フルナーゼを含む点鼻薬ステロイドも、経口ステロイドと比較するとごく少量ではありますが、ステロイド成分が血液中に到達するので、影響がまったくないと言い切ることは難しいです。

 

とはいえ、短期間の使用で影響が出ることは考えにくいですし、長期間続けたとしてもそこまで影響は大きくないと考えます。

なお、フルナーゼを成長期の子どもに1年間毎日続けた結果、身長への影響はなかったとの報告もあります。
No growth suppression in children treated with the maximum recommended dose of fluticasone propionate aqueous nasal spray for one year.

この報告では、1日最大200μg(日本の小児量の倍)使用しています。

 

また、バイオアベイラビリティ(生物学的利用能)の観点でも、フルナーゼの安全性は高いと考えています。

医療情報に触れていると、「怖い」と感じる内容もあるかもしれませんが、情報の一部を切り取らず、全体として考えると過度な心配をしなくてよいものも多いです。

薬に対して不安を感じることがあれば、かかりつけ薬剤師に相談してみてください。

 

※2019年11月追記

成人用のフルナーゼは要指導医薬品として、市販薬で発売になりました。

15歳未満は使えないのでご注意ください。

 

点鼻ステロイドの子どもへの使用について、以下の記事にまとめています。

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