目薬のさし方と注意点【開封後の使用期限|子どもが嫌がる/泣く時はどうする?】

皆さんは正しく目薬を使えていますか?

目薬なんて普通に使えば良いでしょ?
いえいえ、意外と注意点が多いんですよ。

目薬の基本的な使い方や、お子さんへ目薬をさす場合の注意点をまとめていきます。

目薬のさし方と注意点 2種類以上なら5分空ける!

目薬の基本 1回1滴で十分

目薬は1滴で50μg程度あるので、それだけで結膜嚢はいっぱいになります。
そのため2滴さしても溢れるだけでほとんど意味はありません。

目薬が溢れることで、目の周りのただれの原因になったり、涙点から鼻に流れ込んだ薬が、粘膜から吸収される可能性があります。

 

薬の種類によっては、鼻の粘膜からの吸収でも、全身に大きな影響が出てくる可能性もあります。
緑内障の目薬が原因と疑われる、心血管障害や呼吸器障害も起きており、中には死亡例もあります。

1回1滴点眼するようにしましょう。

 

子どもの場合は、結膜嚢も小さいので眼に入る薬の量は自然と少なくなります。
基本的には大人と同じ量(1回1滴)で問題ありません。

溢れやすいので、しっかり拭いてあげましょうね。

目薬のさし方

点眼前に手は洗って、まつげなどに触れないように垂直に点眼しましょう。
傾けて点眼すると、点眼量が少し減る可能性があります。

点眼後は、まぶたを閉じたり、目頭を抑えるようにすると鼻のほうに流れ込みにくくなります。
目薬が溢れたら、ふくようにしましょう。

2種類以上の目薬を使う場合の注意点 5分以上は間を空けましょう。

目薬1滴で結膜嚢がいっぱいになるので、2種類以上の目薬を使う時は時間をあける必要があります。
時間を空けずに目薬を使うと、2つ目の目薬はほとんど溢れてしまいます。

1つ目の目薬を使った後、5分以上空けてから2つ目の目薬を使うようにしましょう。

 

2種類以上の場合、点眼する順番も気にしたほうが良いかもしれません。

例えば、懸濁性の目薬は吸収されにくいとも言われています。
フルメロンやカリーユニなどの懸濁性の目薬は「使用前によく振るように」と注意があると思います。
そういう目薬の場合は、後からさすようにした方が良いでしょう。

また、目薬と眼軟膏を使用する場合は、眼軟膏を最後にするようにしましょう。

目薬をさし忘れた時

基本的に気がついたら点眼しましょう。
次にさす時間が近づいている場合は、1回飛ばしましょう。
前述の通り、1回2滴使うことにはほぼ意味がありません。

使い忘れた時の対応は事前に確認しておくようにしましょう。

コンタクトレンズをしたまま目薬をさしても良いの?

一般論として、コンタクトを使用している場合は、外してから目薬をさしたほうが良いでしょう。

ハードコンタクトレンズの場合は、外さなくて良いこともあります。

基本的に、ソフトコンタクトレンズには薬などの成分が残りやすいです。
一部のソフトコンタクトレンズ(ワンデー含む)は影響が少ないですが、一応注意はするようにしましょう。
ソフトコンタクトレンズでも問題ない目薬もあります。

 

目薬の種類によっては、コンタクトレンズに成分が残ることもあります。
コンタクトレンズをしたままでも良いのかは必ず確認するようにして下さい。

子どもへの目薬のさし方と注意点は? →泣いてるときは避けましょう

子どもは目薬を怖がることがあります。
親が緊張していると子どもも身構えてしまいます。
あまり力を入れず、目薬がさせると良いですね。

 

目の中心は落としやすいですが、子どももびっくりしやすいです。
目尻や目頭に落としてあげても良いでしょう。

 

泣きながら嫌がっているようなら、一度時間を空けましょう。
涙が出ていると、涙のせいで目薬が入るスペースがほとんどなくってしまいます。
その結果、目薬が期待した効果が出ないかもしれません。

 

どうしても嫌がるようなら、寝ている間に目薬をさすことも検討してみてください。
その際は、下まぶたを引っ張ってそこに目薬をさしてください。
眠りが浅いときに目薬をさすと目が覚めることもあると思いますので、熟睡しているときが良いでしょう。

 

寝ている間は涙が分泌されないですが、薬は自然と無くなっていきます。
効果などに大きな問題は起こらないでしょう。

子どもが目薬を誤って飲んでしまった(誤飲した)けど大丈夫?

基本的には、目薬をごく少量(舐める程度)誤飲してしまっても大きな影響は出ないでしょう。
美味しいものではありませんので、大量に飲むことは少ないと思います。

とはいえ、万が一はありえます。

 

アメリカのFDA(アメリカ食品医薬品局)から、目薬や点鼻薬に対する注意喚起がされています。
FDA Drug Safety Communication: Serious adverse events from accidental ingestion by children of over-the-counter eye drops and nasal sprays

ざっと内容をまとめると以下のようになります。

テトラヒドロゾリン、オキシメタゾリン、ナファゾリンが含まれている充血用の目薬や、鼻詰まり用の点鼻薬を
生後1ヶ月~5歳の子どもが誤飲した結果、
昏睡や心拍減少、呼吸数減少などの重篤な症状が報告されています。

該当成分は、市販の目薬にも含まれていることがあります。

目薬に限らず、薬は子どもの手の届かないところに保管するようにしてください。

目薬の使用期限と保管方法 →湿布の近くで保管しない!

目薬の使用期限 医療用目薬は開封後約1か月、市販の目薬は開封後3か月が基本

目薬の使用期限は以下のように言われています。

  • 医療用医薬品の場合:開封後約1か月
  • 市販の医薬品の場合:開封後約3か月

目薬には防腐剤などがあまり多く入っていません。
まつげなどに触れることで、すぐに汚染されてしまいます。

 

清潔に使用した上で、期限が来た場合は処分して下さい。
明らかに中が汚れている場合なども注意をするようにして下さい。

開封後1週間程度で処分をした方が良い目薬もあります。

目薬の保管方法 →湿布の近くで保管しない!

点眼剤も、飲み薬などと同じように保管方法に注意が必要です。
温度・光・湿度・汚染には注意しましょう。

 

薬の基本的な保管方法については>>>薬の適切な保管方法と、保管できる期間の目安【温度・光・湿度・汚染に注意】 にまとめています。

「点眼薬は全て冷蔵庫に保管」と考えておられる方も多い印象ですが、室温保存で良いものが多いです。
特にお子さんに使う場合は、冷たいと嫌がることもあります。

汚染予防に、点眼後はしっかりフタをしましょう。

 

湿布の近くで保管した結果、湿布の成分が容器を通過してしまうこともあります。
点眼の容器に直接油性ペンなどで文字を書いた場合、同じように透過することもありえますのでご注意下さい。

また、お子さんの手の届くところでは保管しないようにしましょう。

 

その他の子どもの薬の使い方については>>>子どもの薬の使い方を薬剤師がまとめました をご覧ください。