アジスロマイシン(先発品:ジスロマック)は、15員環のマクロライド系抗生剤で、副鼻腔炎・中耳炎・マイコプラズマ肺炎などに使われることがあります。
子ども用の粉薬はかなりの苦さなので、飲めない子も多いです。
アジスロマイシンの特徴や注意点などをまとめます。
ジスロマックの飲み方【特徴的】
アジスロマイシンの先発品:ジスロマックには以下の種類があります。
- ジスロマック錠250mg
- ジスロマック細粒小児用10%
- ジスロマックカプセル小児用100mg
- ジスロマックSR成人用ドライシロップ2g→販売中止に
- ジスロマック錠600mg:ジェネリックなし
アジスロマイシンの特徴として、効果が長く続くことが挙げられます。
病気や量によって異なりますが、「1日1回3日間服用」もしくは、「1回服用」で1週間程度効果が続きます。
こちらは成人量で記載されています。
外国の臨床における体内動態試験の成績から、本剤 500mg(力価)を 1 日 1 回 3 日間経口投与することにより、感受性菌に対して有効な組織内濃度が約 7 日間持続することが予測されているので、注射剤による治療が適応されない感染症の治療に必要な投与期間は 3 日間とする。ただし、尿道炎、子宮頸管炎の場合は本剤 1000mg(力価)を 1 回経口投与することにより、アジスロマイシン感性のトラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に対して有効な組織内濃度が約 10 日間持続することが予測されているので、治療に必要な投与回数は 1 回とする。
引用:ジスロマック錠250mg添付文書
子どもに使う場合も同様で、基本的には連続服用は3日間までです。
食後でも食前でもほとんど効果は変わりません。
3日間とも同じぐらいの時間に飲むようにしましょう。
※ジスロマックSR成人用ドライシロップ2gのみ、「ジスロマック服用の前後2時間は食事をしない」ように指示がありましたが、もうすぐ販売中止になります。
ジスロマック細粒の飲み方:とても苦い!!
ジスロマック細粒は表面に甘い味がコーティングされていますが、口に入れた瞬間から強烈な苦みを感じます。
私が味見した抗生物質の中では一番苦い薬だと感じます。
対して、ジェネリックのアジスロマイシン小児用細粒10%「タカタ」は、適切に飲めばそこまで苦くありません。
ちなみに、味はバナナ風味です。
アジスロマイシンに関しては、以下の3点を気をつけていれば、苦味がかなり軽減されます。
- 酸性のものに混ぜない
- 噛まない
- 口の中に残らないようにしっかり流し込む
※薬を飲むときの注意点は薬によって異なります。
メーカーにもよりますが、牛乳やミルクアイスなどとの相性が良いと思います。
先発品のジスロマック細粒とジェネリックのアジスロマイシン小児用細粒10%「タカタ」の味の違いを実際に試してもらえたら、ほとんどの方はジェネリックを選択されると思いますが、現実は味のこと力説しても先発品希望の方が多いです。
子どもに使う薬の場合は、飲みやすい薬を推奨していきたいですね。
※先発品のほうが飲みやすい薬もあります。
どうしても先発品のジスロマックを希望する場合は、苦い薬対策をきっちりするようにしましょう。
ジスロマックの下痢などの副作用と過量投与
副作用は下痢・嘔吐など【2歳未満が頻度高い】
市販後の使用成績調査 3745 例(250mg 錠 2419 例、カプセル 135 例、細粒 1191 例)(再審査終了時)において、90 例(2.40%)に副作用又は臨床検査値異常が認められた。
主な副作用又は臨床検査値異常は、下痢(0.91%)、嘔吐(0.40%)、ALT(GPT)増加(0.29%)、AST(GOT)増加(0.19%)、腹痛(0.19%)等であった。
参考:ジスロマックインタビューフォーム
アジスロマイシンに多い副作用としては、下痢や嘔吐などの胃腸関連の症状です。
抗生剤は全般的に下痢になりやすいです。
軽い下痢ぐらいは起こるものだととらえておいた方が良いと思います。
また、2歳未満のお子さんの場合、下痢の発現頻度が高いという報告もあります。
承認時の小児における下痢の発現頻度は、2 歳未満(124 例中 8 例)では 2 歳以上(602 例中 6例)と比べて高いので注意し、これらの症状が認められた場合には症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。
引用:ジスロマックインタビューフォーム
頻度はかなり低いですが、意識障害の報告もあります。
大人の方が飲む場合、自動車の運転などには注意してください。
お子さんが飲む場合も、念のため気にしてあげましょう。
アジスロマイシンは効果が持続するので、副作用が出た時にすぐに中止してもなかなか改善しないことも考えられます。
飲む回数が少なくて済むメリットと表裏一体のデメリットですね。
多く飲んでしまった(過量投与)場合の注意
過量投与
(1)症状:本剤の過量投与により聴力障害をおこす可能性がある。
処置:異常が認められた場合には投与を中止し、症状に応じて対症療法等の適切な処置を行うこと。なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。
(2)症状:外国臨床試験で総投与量が 1.5g を超えた症例において、消化器症状の増加が認められている。
処置:これらの症状が認められた場合には、症状に応じて投与中止あるいは対症療法等の適切な処置を行うこと。なお、本剤の組織内半減期が長いことを考慮し、症状の観察ならびに対症療法を行う場合には十分な期間行うこと。
引用:ジスロマックインタビューフォーム
1日1回3日間のアジスロマイシンを、間違えて1日3回飲んでしまうことがあるかもしれません。
飲んだことを忘れてもう一度飲んでしまうこともあるかもしれません。
聴力障害などの気になる症状が出たらすぐに受診するようにしましょう。
なお、ジスロマックSR成人用ドライシロップ2gは、1回で2g飲む薬なので、消化器症状の増加については、「起こるもの」としてとらえておいたほうが良いと考えています。
ジスロマックはジェネリックのほうが子どもにおすすめしやすい
アジスロマイシン錠500mg「トーワ」:1錠で済む
先発品のジスロマック錠250mgは1回2錠飲むことが多い薬なので、1回1錠で済むメリットがあります。
アジスロマイシン錠500mg「トーワ」(長径:15.7mm 短径:7.9mm 厚さ:6.4mm)のサイズ差です。
ひとまわり大きくなるので飲みにくくなる方もいると思いますが、飲み間違えたりするリスクも減らすことができると思います。
アジスロマイシン小児用錠100mg「タカタ」:小さく飲みやすい
先発品のジスロマックカプセル小児用100mgと比較するとかなり小さく、飲みやすいです。
アジスロマイシン小児用錠100mg「タカタ」の大きさ(7.6×7.6mm 厚さ:3.9mm)とかなり小さく作られています。
目安として、体重15Kg ぐらいから100mgに切り替えが可能です。
ちなみに、錠剤は5歳ぐらいから飲めると言われています。
粉薬がかなり苦い薬なので、ジェネリックの小児用錠にはかなり助けられています。
アジスロマイシン小児用細粒10%「タカタ」:比較的苦みが少ない
「粉薬の飲み方」と重複するので割愛しますが、ジスロマックの粉薬は明らかにジェネリックのほうが飲みやすいです。
アジスロマイシンの粉薬は苦くて苦戦することも多いですが、しっかり飲みきることが大切です。
再度の注意になりますが、以下の3点には気をつけるようにしましょう。
- 酸性のものに混ぜない
- 噛まない
- 口の中に残らないようにしっかり流し込む
子どもの調子が悪いから病院へ行って薬をもらったけど、全然薬を飲んでくれなかったという経験はありませんか? 「薬を飲んで早く楽になって欲しいのに…」そう思っても、子どもがすんなり薬を飲んでくれるとは限りません。[…]