バクタ配合顆粒の使い方・味や飲み方・血液障害や皮膚障害などの副作用

バクタ配合顆粒の使い方・味や飲み方・血液障害や皮膚障害などの副作用

バクタは第一選択で使われることは多くない抗生物質です。

使われる場合は重要度が高いケースがほとんどですが、苦味が目立つ味のため服薬に苦労することが多い薬です。

バクタ配合顆粒の使い方や味と飲み方について紹介します。

バクタ配合顆粒の使い方・味と飲み方

バクタにはスルファメトキサゾールとトリメトプリムの2種類の成分が配合されています。

経口投与による吸収率が良く、静脈注射と同程度の血中濃度が得られるのが特徴です。

 

バクタには配合錠と配合顆粒の2種類がありますが、錠剤1錠と顆粒1gの成分量は同量です。

バクタ配合錠(1錠) スルファメトキサゾール400mg+トリメトプリム80mg
バクタ配合顆粒(1g) スルファメトキサゾール400mg+トリメトプリム80mg

 

バクタに含まれる2種類の成分とも苦味があります(トリメトプリムのほうがより苦いとされます)。

バクタ配合顆粒は表面にコーティングがされており表面的には甘みがありますが、すぐに苦味が出てきます。

噛む・潰す、水分に溶かして時間が経つ、なども苦味が目立つ原因になりますのでご注意ください。

 

バクタ配合顆粒が苦いならバクタ配合錠を、と考えてしまいますが、錠剤も飲みやすいとは言えません。

まず、バクタ配合錠は直径が11mmと大きく、さらには裸錠(コーティングなし)のため、錠剤として飲んでも苦みを感じます。

 

肺炎の2次感染や腎炎などの感染症や、ニューモシスチス肺炎の治療や発症抑制などに使われることがあります。

それぞれ使用量が異なるので、処方せんを受け付けたときの病名を判断する目安になりそうです。

バクタ顆粒の用法・用量

※空腹時のほうが速やかに吸収されるデータがありますが、食前・食後の決まりは特にありません。
※症状や腎機能の低下などで量を減らすことがあります。

 

ニューモシスチス肺炎とは

免疫抑制剤・抗がん剤・AIDSなどによる免疫低下によって発症することがある。
日和見感染症の1つで、以前はカリニ肺炎とも言われていた。
正常な免疫を持つ場合に発症することは稀。
ニューモシスチス肺炎の発症抑制に使用する場合、国内外の文献やガイドラインの多くは連日または週3日投与とされている。
参考:スルファメトキサゾール・トリメトプリムニューモシスチス肺炎の予防及び治療

バクタの副作用や禁忌・注意事項

バクタが第一選択で使われることが少ない理由の1つとして、副作用などの問題があります。

広く使われている抗生物質と比較すると、副作用の頻度が高いと言えます。

市販後安全性評価では、69372例中7340 例(10.58%)に副作用が認められました。

報告数が多そうなのは、発疹、頭痛、消化器症状、発熱などがあります。

 

「警告」には血液障害などへの注意が記載されています。

血液障害,ショック等の重篤な副作用が起こることがあるので,他剤が無効又は使用できない場合にのみ投与を考慮すること。
引用:バクタ添付文書

 

血液障害に関しては、重大な副作用として以下のような報告があります。

再生不良性貧血,溶血性貧血,巨赤芽球性貧血,メトヘモグロビン血症,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少症(頻度不明),血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明)
引用:バクタ添付文書

貧血や出血傾向を感じることがあれば、速やかに相談しましょう。

 

また、皮膚障害の報告が多いのも特徴の1つです。

皮膚障害に関する重大な副作用には以下のような報告があります。

中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson 症候群)(0.1%未満),薬剤性過敏症症候群(頻度不明)
引用:バクタ添付文書

 

皮膚障害の発現頻度は5%弱はあるとされますが、その多くは軽い発疹です。

服薬後短期間(数日以内)に出てくることが多いとも言われます。

 

新生児はタンパク結合率が高く、高ビリルビン血症を起こしやすくなるため、禁忌とされています。

 

副作用だけでなく、他の薬との相互作用にも注意が必要です。

例えば、SU剤やワルファリン、ジゴキシンなどのハイリスク薬との相互作用があります。

また、高カリウム血症の原因にもなるので、スピロノラクトンなどの他の高カリウム血症を起こす薬との併用にも注意が必要です。

 

このように、バクタの使用に当たっては注意点も多いと言えます。

高頻度で使われる薬ではありませんが、必要とされている薬であることも間違いありません。

副作用などにしっかりと注意しながら、適切に使用していくことが求められます。

 

抗生物質全般については以下の記事でまとめています。

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