プランルカスト(先発:オノン)の効果や副作用、飲み合わせ【長期の安全性は?|ジェネリックのメリット】

プランルカストは、小児ぜんそくの治療目的で長期間続けることの多い薬です。

小さいお子さんにも長期で使われることがあるので、保護者の方から「長期間飲んで大丈夫なのか?」と質問されることが多いです。

よく聞かれる質問に答えれるように、以下の内容について順にまとめていきます。

  • プランルカストの適応・効果
  • プランルカストの副作用
  • プランルカストを長期間使用して問題ないのか?
  • プランルカストの味や飲み合わせ
  • プランルカストの錠剤・カプセルについて

プランルカストは1歳未満にも使われることがある薬です【ぜんそく・鼻炎】

プランルカストは「ロイコトリエン受容体拮抗薬」に分類されるアレルギーの薬です。
適応は、気管支ぜんそくとアレルギー性鼻炎の2つです。

プランルカストは、1歳未満の小児にも使用例が多く、実際に使用されています。

同じ「ロイコトリエン受容体拮抗薬」に分類される薬として、「モンテルカスト」がありますが、モンテルカストは原則1歳以上にしか使えません。

発売メーカーである小野薬品のONOメディカルナビ「オノンカプセル/オノンドライシロップQ&A」には以下のように記載されています。

オノンを一歳未満に使用しても問題ありませんか?(クリックで開きます)
用法・用量に「通常、小児には・・・」と記載していますが、特に年齢制限はありません。

承認時に1歳未満の患者さんは投与対象から除外していましたので、添付文書に「小児等への投与」の項を設定しています。[1]なお、弊社で1歳未満の患者さん(合計429例)を対象に使用実態調査を実施しました結果、有効性と安全性に問題は認められませんでした。[2][3][4]

<乳児を対象とした製造販売後調査文献>
1.プロスペクティウ゛調査(192例)[2]・安全性解析対象例184例中、副作用の発現はなし
・有効性解析対象症例173例中、改善症例は159例(改善率91.9%)
・年齢:7.8±2.6カ月(最少:日齢26日、最大:日齢363日)
・1日平均投与量:7.21±1.10mg/kg(ほぼ用法・用量7mg/kgと同じ)

2.プロスペクティウ゛調査のうち追跡可能であった症例の使用実態調査(55例)[3]・1年以上の長期投与は34例
・安全性解析対象例55例中、1例(副作用発現率1.82%)
・有効性解析対象症例50例中、改善症例は46例(改善率92.0%)

3,.レトロスペクティウ゛調査(237例) [4]・安全性解析対象例219例中、5例(副作用発現率2.28%)の副作用
(熱性けいれん(2例:0.91%)、けいれん(1例:0.46%)、肝機能異常(1例:0.46%)、下痢(1例:0.46%))重篤な副作用は「熱性けいれん」の2例。全例は「回復」または「軽快」。
・有効性解析対象症例207例中、改善症例は178例(改善率86.0%)
・年齢:7.8±2.5カ月(最少:1カ月、最大:11.9カ月)
・1日平均投与量:7.53±1.70mg/kg(ほぼ用法・用量7mg/kgと同じ)

[1]オノンドライシロップ10% 添付文書2016年4月改訂 (第14版)
[2]日本小児アレルギー学会誌 23(5):629,2009
[3]日本小児アレルギー学会誌 24(5):693,2010
[4]小児科臨床 62(5):987,2009

参考:ONOメディカルナビ「オノンカプセル/オノンドライシロップQ&A」

プランルカストの副作用 吐き気や下痢など 眠気の報告もあり。

〈小児〉
〈気管支喘息〉
ドライシロップ剤の承認時の臨床試験及び市販後調査において、副作用集計の対象となった 1, 764 例中 52 例(2. 9%)に 66 件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。
主なものは嘔気 8 例(0. 5%)、発疹・瘙痒等 8 例(0. 5%)、AST(GOT)・ALT(GPT)の上昇等の肝機能異常6例(0. 3%)等であった(再審査終了時)。
1 歳未満の小児(乳児)を対象に実施した再審査終了時以降のオノンドライシロップ 10%使用実態調査(調査期間:2007 年 2 月~2008 年 1 月)において副作用集計の対象となった 403 例中 5 例(1. 2%)に 5 件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。
〈アレルギー性鼻炎〉
ドライシロップ剤の承認時の臨床試験及び製造販売後調査において、副作用集計の対象となった 1, 426 例中 40 例(2. 8%)に 53 件の副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた
。主なものは下痢 8 例(0. 6%)、尿中血陽性 7 例(0. 5%)、尿中蛋白陽性 6 例(0. 4%)等であった(再審査終了時)。

引用:オノンドライシロップ10%添付文書

子どもの副作用データのみ抜き出しています。

副作用としては、吐き気や下痢などの胃腸症状が多く、発疹、尿検査異常、肝機能異常なども見られます。
さらに頻度は低いですが、眠気の報告もあります。

 

プランルカストは長期間続けることが多い薬なので、ずっと飲んでても安心なのか?という疑問も出ると思います。
次は、長期間続けたときの報告を見てみます。

プランルカストを子どもが長期使用したときの安全性は?

以下の報告を参考にして考えています。

内容のごく一部を抜粋します。

プランルカストは、成人及び小児の喘息を対象とした臨床試験で忍容性が高かった。

ほとんどの有害事象は1%未満であった。

忍容性とは、「医薬品を使うことで生じる副作用が、どれだけ患者にとって耐えれるものかの程度」という意味合いです。
いわゆる抗がん剤などは、忍容性が低いものが多いです。

 

プランルカストは報告の通り、忍容性が良好です。
基本的に、長期間続けることに対する過度な心配は要らないと考えています。

 

肝機能異常なども報告がありますが頻度も少ないです。
定期的に受診していれば問題になるケースは少ないと考えます。

ちなみに、私の経験上ですが、副作用によってプランルカストを続けられなかった例はありません。

プランルカストの味と飲み方、飲み合わせ

プランルカストの味と飲み方

先発品も含めて、プランルカストドライシロップは甘いけどちょっと苦い薬という印象があります。

ジェネリックに関しては、バナナ風味の「EK」や、パイナップル風味の「トーワ」など特徴的な味付けをしているメーカーもあります。

ジェネリックの「EK」、「タカタ」、「AFP」を味見したことがありますが、どれも苦味は隠しきれていません。

それでも、ジェネリックの方が、先発品のオノンよりは飲みやすい印象があります。
オノンは少し口に残る感じがあって、薬の存在感が強い印象があります。

 

苦味が嫌でうまく飲んでくれない場合は、ジュースなどに溶かしても大丈夫です。

あまり多くないとは思いますが、効果が出すぎる可能性が(わずかに)あるので、グレープフルーツジュースとは飲まないほうが良いでしょう。
各社味が違うので、一括りには出来ませんが、オレンジジュースは味の相性が良さそうです。

グレープフルーツと薬の影響については>>>グレープフルーツと薬の飲みあわせが悪い理由と、注意すべき柑橘一覧にまとめています。

 

薬と飲み物との味の相性については>>>薬と飲み物などの相性一覧表と、味や飲みあわせなどの注意事項【苦味の強さも比較しています】でご確認ください。

プランルカストと飲み合わせの悪いもの

添付文書では以下の2点が併用注意となっています。

主に CYP3A4によって代謝される薬剤プランルカスト及びこれらの薬剤の
血中濃度が上昇する可能性がある。
CYP3A4 を阻害する薬剤
(イトラコナゾール、エリスロマイシン等)
プランルカストの血中濃度が上昇する可能性がある。

CYP3A4関連の薬との相互作用に注意する必要がありますが、そこまで大きな影響は出ないと考えています。
プランルカスト+グレープフルーツ+CYP3A4関連の薬ぐらい混ざってくると、影響を気にしたほうが良いかもしれません。

錠剤・カプセルも、オノンよりもジェネリックのほうがメリット多いです【補足】

前述の通り、ドライシロップ(粉薬)の場合は、味や服用感に関して、オノンよりもジェネリックのほうが良さそうです。

錠剤やカプセルの場合も、以下の2点に関して、ジェネリックのほうがメリットを感じれると思います。

  1. 先発品オノンはカプセルだが、ジェネリックには錠剤があること
  2. 先発品オノンは1回2カプセル、ジェネリックは1回1カプセル(錠)のものがあること

①先発品オノンはカプセルだが、ジェネリックには錠剤があること

一般的に、カプセルは錠剤よりも大きいことが多いです。
また、カプセルを飲む場合には、錠剤よりも多めの水を必要とします。

先発品のオノンはカプセルのみですが、ジェネリックには錠剤もあります。

②先発品オノンは1回2カプセル、ジェネリックは1回1カプセル(錠)のものがあること

先発品のオノンは112.5mg/1カプセルです。
オノンは1回225mgを1日2回朝夕食後に飲む薬なので、1回に2カプセル飲む必要があります。
前述の通り、ただでさえカプセルは飲みにくいのに、1回2カプセルではさらに飲みにくくなります。

ジェネリックには、1錠225mgも製品もあり、先発品よりも飲みやすいです。
飲み間違えも減ると思います。

以上のように、プランルカストはジェネリックのほうがメリットを感じれると思います。

プランルカスト商品一覧(2019.1月時点) クリックで開きます

【先発】オノンカプセル112.5mg
プランルカストカプセル112.5mg「DK」
プランルカストカプセル112.5mg「科研」
プランルカストカプセル112.5mg「タイヨー」
プランルカストカプセル112.5mg「日医工」
プランルカストカプセル112.5mg「トーワ」
プランルカストカプセル112.5mg「サワイ」
プランルカストカプセル112.5mg「ファイザー」プランルカストカプセル225mg「日医工」プランルカスト錠112.5「EK」112.5mg
プランルカスト錠112.5mg「AFP」
プランルカスト錠112.5mg「TYK」
プランルカスト錠112.5mg「CEO」
プランルカスト錠112.5mg「日医工」

プランルカスト錠225「EK」225mg
プランルカスト錠225mg「AFP」 錠
プランルカスト錠225mg「TYK」 錠
プランルカスト錠225mg「CEO」 錠
プランルカスト錠225mg「日医工」

【先発】オノンドライシロップ10%
プランルカストドライシロップ10%「AFP」
プランルカストドライシロップ10%「DK」
プランルカストDS10%「EK」
プランルカストドライシロップ10%「NP」
プランルカストDS10%「TYK」
プランルカストDS10%「アメル」
プランルカストDS10%「オーハラ」
プランルカストDS10%「サワイ」
プランルカストドライシロップ10%「タイヨー」
プランルカストDS10%「タカタ」
プランルカストDS10%「トーワ」
プランルカストDS10%「日医工」
プランルカストDS10%「TCK」
プランルカストドライシロップ10%「JG」
プランルカストドライシロップ10%「ファイザー」

 

プランルカストは、ぜんそく・アレルギー性鼻炎のどちらで使うにせよ、ある程度長い期間続ける薬です。
副作用リスクも比較的低い薬ですので、指示された期間しっかり続けるようにしてください。

 

ぜんそくについては以下の記事にまとめています。
プランルカストも含め、発作を起こさないようにすることがとても大切です。

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