光線過敏症への注意喚起【モーラステープ・日焼け止め・香料|飲み薬でも起こります】

子どもが打撲などをした時に、家にある湿布を使ってしまったことなどありませんか?

 

湿布でも年齢制限があるものも少なくないですし、医療用(要処方せん)の湿布なら共用してはいけません。

湿布によって、重大な副作用が出る可能性は高いわけではありませんが注意が必要です。

その中の一つである、光線過敏症についての注意喚起です。

※光線過敏症の症状や対応について詳細を書いているわけではありません。
原因になりやすい薬やその他の物質に対しての注意喚起を目的としています。

光線過敏症って何?

光線過敏症を一言で説明するのであれば、「皮膚が太陽光に対して過敏に反応してしまう症状」です。

日光蕁麻疹、多形日光疹、化学物質による光線過敏症などがあります。

今回は化学物質の中でも、湿布による光線過敏症についての内容です。

 

ちなみに、香料や日焼け止めなどの薬以外のものや、飲み薬でも光線過敏症になることがありますので、そのあたりは後半でまとめます。

光にさらされた場所のみ起こる「光毒性反応」と、光にさらされていない場所でも起こる「光アレルギー反応」に大別されますが、少々難しい話になるので割愛します。

 

光線過敏症の症状は、発疹、湿疹、腫れ上がる、水ぶくれができるなど様々です。

実際にどのような皮膚症状になるのかは、「光線過敏症」で画像検索してみてください。

湿布を貼った場所や、日焼け止めを塗った場所を中心に症状があれば、光線過敏症の可能性があります。

光線過敏症の原因になる湿布は?【モーラステープなど】

光線過敏症の原因として広く知られているのが湿布薬で、その中でも「モーラステープ」などに使われているケトプロフェンという成分に注意が必要です。

とはいえ、ケトプロフェン以外なら大丈夫というわけではありません。

 

ボルタレンテープなどに使われているジクロフェナクという成分でも起こりやすいと言われており、注意喚起がされています。

ケトプロフェンとジクロフェナクは市販薬もあるので、ドラッグストアで買ったものなら大丈夫とも言えません。

モーラステープ添付文書の「重要な基本的注意」には以下のように記載があります。

光線過敏症を発現することがあるので、使用中は天候にかかわらず、戸外の活動を避けるとともに、日常の外出時も、本剤貼付部を衣服、サポーター等で遮光すること。なお、白い生地や薄手の服は紫外線を透過させるおそれがあるので、紫外線を透過させにくい色物の衣服などを着用すること。また、使用後数日から数カ月を経過して発現することもあるので、使 用後も当分の間、同 様に注 意 すること。異常が認められた場合には直ちに本剤の使用を中止し、患部を遮光し、適切な処置を行うこと。

 

薬局で薬をお渡しする際にはこのような注意喚起もしていますので、「たかが湿布」と考えず、耳を傾けていただけると嬉しいです。

ちなみに、ケトプロフェン、フルルビプロフェン、インドメタシン、フェルビナクの外用剤における光線過敏症の発現状況を比較した結果、ケトプロフェンにおける光線過敏症が特に多いわけではないという報告もあります。
参考:医薬品・医療機器等安全性情報 No.276

ケトプロフェンの報告が多く感じるのは使用頻度の差もあるのかもしれません。

 

なお、ヨーロッパにおいては、ケトプロフェン外用剤による光線過敏症のリスクは少なく、適正に使用されればベネフィットはリスクを上回るとしながらも、重篤化のおそれもあることなどから、市販品の販売を中止されています。

湿布だけじゃyない!飲み薬でも光線過敏症の原因になる可能性

光線過敏症は湿布薬に特有の症状ではありません。

飲み薬や香料、日焼け止めなどでも起こりえます。

 

以下の表は、MSDマニュアルを参考に作成した、光線過敏症の原因になりうる成分の表です。

ざ瘡治療薬イソトレチノイン
鎮痛薬NSAID(特にピロキシカムとケトプロフェン)
抗菌薬キノロン系薬剤、スルホンアミド系薬剤
テトラサイクリン系薬剤、トリメトプリム
抗うつ薬三環系抗うつ薬
抗真菌薬グリセオフルビン
血糖降下薬スルホニル尿素薬
抗マラリア薬クロロキン、キニーネ
抗精神病薬フェノチアジン系薬剤
抗不安薬アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド
化学療法薬ダカルバジン、フルオロウラシル
メトトレキサート、ビンブラスチン
利尿薬フロセミド、サイアザイド系薬剤
心臓用薬剤アミオダロン、キニジン
外用製剤抗菌薬(例,クロルヘキシジン,ヘキサクロロフェン)
コールタール、香料、サンスクリーン剤
フロクマリン含有植物(例,ライム,セロリ,パセリ)

 

また、湿布が一番光線過敏症の原因となりやすいというわけではなさそうです。

以下の報告では、ロサルタンとヒドロクロロチアジドの内服の組み合わせは、モーラステープよりも光線過敏症の頻度が高く可能性が示されています。
また、外用のモーラスは2週、ARB/ヒドロクロロチアジドについては5か月注意するように書かれています。
参考:Evaluation of Drug-Induced Photosensitivity Using the Japanese Adverse Drug Event Report (JADER) Database.

 

知り合いの血圧の薬を飲むことは無いと思いますが、知り合いから湿布をもらって使うことはあるかもしれません。

湿布薬だとしても安易にあげたりもらったりしないようにしてください。

薬に限った話ではありませんが、「自分が大丈夫だから、みんなも大丈夫だろう」という考えはとても危険です。
今回の湿布に関してもそうですが、食物アレルギーに関しては特に配慮が必要です。

 

また、年齢制限がある湿布もあります。

「たかが湿布」とは考えないようにしていただければ嬉しいです。