マルツエキスは小さいお子さんにも使いやすい、3歳未満のお子さん用の便秘薬です。
あまり多く使われている薬ではありませんが、安全性が高く味が良いなどのメリットがあります。
定期的に使う薬としては、初めて使うものになることもあり、飲み方の相談をされることも多いです。
よくある質問をまとめます。
マルツエキスは1か月ころから使える液体の便秘薬
医療用のマルツエキスは1日2~3回、下の表の量を経口投与します。
一回量(g) | 一回量(包) | |
6か月未満 | 3~6g | 1/3~2/3包 |
6か月以上1歳未満 | 6~9g | 2/3~1包 |
1歳以上3歳未満 | 9~15g | 1~1+2/3包 |
医療用のマルツエキスには何か月から使えるという記載はありませんが、市販のマルツエキススティックタイプの添付文書には以下のように書かれています。
■相談すること
1.次の人は服用前に医師,薬剤師又は登録販売者に相談してください。
(1)医師の治療を受けている乳幼児
(2)1カ月未満の乳児(新生児)
(3)次の症状のある乳幼児
はげしい腹痛,嘔吐
市販のマルツエキスを参考にすれば、1か月ごろから使っても良さそうではあります。
私が覚えている処方(医療用のマルツエキス)としては、1か月半~2か月ぐらいのお子さんに使っている例がありました。
1か月未満のお子さんに処方されているのは見たことがありませんが、処方されることもあるようです。
マルツエキスの味と飲ませ方
マルツエキスは主成分が麦芽糖なので甘く、水あめ状なので小さいお子さんでも飲みやすいです。
砂糖と比較すると甘さは控えめで、さつまいものような甘みがあり、結構ドロっとした感じです。
必ずしも1回1スティックではないので、飲ませすぎないように注意して下さい。
1歳未満のお子さんの場合、甘い味にも慣れていないことがあります。
そのまま飲ませて嫌がるようなら、少量の白湯(多すぎると飲むのが大変)などに溶かして飲ませてあげても良いでしょう。
スプーンやスポイト、哺乳瓶などを使用しても良いです。
プレーンヨーグルトにかけて食べているお子さんもいます。
甘くて美味しいので、喜んで飲んでくれることが多いです。
勝手に飲んだりしないように、お子さんの手の届かないところで保管するように心がけて下さい。
開封後に薬が残っている場合、開封口を折りたたんでクリップなどで留めた上で、湿気が少なく涼しい場所に保管して、2日以内に使用して下さい。
マルツエキスの効果効能・作用機序・副作用・期限
マルツエキスの主成分は麦芽糖で、麦芽糖を60%以上含有します。
麦芽糖とはマルトースとも呼ばれ、ブドウ糖が2分子結合した二糖類になります。
マルツエキスの効能・効果
- 乳幼児の便秘
- 乳幼児の発育不良時の栄養補給
多くは便秘に使われます。
栄養補給にも使われますが、ミルクの代わりになるわけではありません。
便秘時には食欲がなくなることも多いので、一石二鳥感はありますね。
マルツエキスは浸透性の便秘薬なので、水分摂取量が少なければ効果も十分に出ません。
小さいお子さんは水分不足になりがちなので、積極的に水分摂取をするようにしてください。
マルツエキスの作用機序【くせになる?】
麦芽糖のゆるやかな発酵作用が腸蠕動を亢進させ、添加されたカリウム塩の作用と相まって栄養を与えながら軟稠な便を排出させる作用がある。
引用:マルツエキス分包添付文書
麦芽糖が腸内細菌によって発酵されるとガスが増えます。
そのガスが腸内を刺激して、便を出しやすくします。
添加されているカリウム塩の効果も相まって、便の水分量を増やす効果もあります。
浣腸のように即効性が期待できる薬ではありません。
効果が出るのを気長に待ってもらったほうが良いでしょう。
また、マルツエキスがくせになることは基本的にはないでしょう。
マルツエキスの副作用 下痢や虫歯には注意しましょう。
糖類なので副作用はほとんどないとされていますが、飲みすぎて下痢になることはあり得ると思います。
歯が生え始めた以降は虫歯にも注意しましょう。
マルツエキスの期限は?
病院・薬局でもらったマルツエキスの期限は正直わかりません。
製造後4年ほど期限はありますが、処方されてからの使用期限はわからないので、もらった時に確認すると良いでしょう。
半年以上は期限がある商品を渡されることが多いのではないかとは思います。
市販のマルツエキスは箱を残しておけば期限が書いてあります。
マルツエキスは市販薬もあります
マルツエキスは市販薬もあるので、生後1か月以上で便秘に悩んでいるのであれば、試してみても良いと思います。
医療用のマルツエキスと同じような分包品なので、持ち歩きや保管も楽です。
市販のマルツエキスは溶かすように指示がありますが、粉ミルクを使っていない1歳未満のお子さんに、50~100mLの水分飲ませるのは結構大変な気がします。
用法・用量
1歳未満の乳児には、授乳前に50~100mLの温湯かミルクに加え、服用させます。
また、1歳以上3歳未満の幼児には、そのままか50~100mLの温湯に加え、服用させます。
子どもの慢性便秘についてまとめています。
他の便秘薬についてもこちらからどうぞ。
子どもは便秘になりやすいと言われますが、慢性便秘になるとなかなか大変です。うちの子も慢性便秘なので、大変さはとても良くわかります。まったく便秘にならない子もいるそうですが、便秘持ちの子を持つ私としては親としては羨ましい限りで[…]