小さい子どもは好奇心がいっぱいで、何でも口に入れてしまいます。
誤って飲み込んでしまう「誤飲」にも注意が必要ですが、飲み込んだものが気道に入り込んでしまうことを「誤嚥(ごえん)」にも注意が必要です。
誤嚥について説明します。
子どもの誤嚥に関連した窒息事故は多い
消費者庁調べでは、平成22年から26年までの5年間に、14歳以下の子どもの窒息死事故は623件あり、食品によるものは103件と報告されています。
103件のうち、87件が6歳以下の子どもで起きています。
「誤嚥=高齢者」というイメージもありますが、小さい子どもにも誤嚥は多いです。
誤嚥により、むせたり、咳き込んだりし、場合によっては窒息につながることもあります。
窒息した場合、以下のような症状が出ます。
- 両手でのどを押さえる
- 息苦しそう
- 顔が青白くなる
子どもが窒息している場合はすぐに救急車を呼び、救急車が来るまでの間、応急処置を続けて下さい。
言葉や文字、画像だけでは理解が不十分な場合がありますので、動画を紹介します。
政府インターネットテレビ 窒息事故から子どもを守るの動画の3分53秒ぐらいから説明があります。
子どもは豆やナッツ類の誤嚥で肺炎になりやすい【3歳ごろから】
口に入るものなら何でも誤嚥するリスクはありますが、小さい子どもにとって、乾燥した豆類・ナッツ類の誤嚥はリスクが高いと言われています。
その主な理由としては、水分を含んで膨らむことで空気の通り道を塞ぎ、窒息しやすいからです。
小さな欠片でも同様に、水を含んで膨張します。
また、ナッツ類には油分が多いので誤嚥すると肺炎になりやすく、入院につながることも多いです。
それらの理由により、消費者庁は「豆やナッツ類は、3歳頃までは、食べさせないでください。」と注意喚起をしています。
- 小さく砕いても3歳頃までは食べさせない
- 少し大きい子でも、落ち着いてゆっくり食べること
- 節分の豆まきの後は後片付けを徹底すること
上記の内容などに注意するように記載されています。
実際の事故事例も載っていますので、一度目を通しておきましょう。
なお、誤嚥したものを取り除くのに気管支鏡などを使うことがあるようですが、子どもの小さい気管支ではとても大変です。
納豆や枝豆、きな粉やピーナッツバターは大丈夫?
離乳食には納豆やきな粉なども広く使われています。
豆類などに注意と言われて、納豆やきな粉などに対して不安を感じてしまうこともあるかもしれません。
ですが、豆類やピーナッツ類に注意する主な理由としては、水分を含むと膨らむことと、油分が多く肺炎などの原因になることです。
納豆やきな粉などを乾燥ナッツ類と同じほど注意する必要はないでしょう。
とはいえ、どんな食べ物でも誤嚥には繋がりますし、納豆や枝豆は形状から考えると誤嚥の原因になりやすいようにも感じます。
ひきわり納豆を選んだり、潰したりしてから与えることも検討しましょう。
我が家の場合も同様に対応しました。
※繰り返しますが、乾燥豆類・ナッツ類は、砕いたり潰しても注意は必要です。
アメ玉や巨峰の誤嚥による窒息例も報告されていますし、豆類とナッツ類だけ注意すれば良いというわけでもありません。
ある程度大きさがあり、つるっと飲み込めてしまうものには特に注意をしておいたほうが良いと考えます。
せんべいも欠片の誤嚥はしやすそうですが、体内の水分で溶けて柔らかくなる性質があるため、むせた際に吐き出しやすく、軽症例が多いです。
小さい子どもの豆・ナッツ類への注意まとめ
- 小さな子は誤嚥しやすい
- 豆類・ナッツ類は小さくても誤嚥時には肺炎になりやすいなど高リスク
- 消費者庁は3歳頃までは食べさせないように注意喚起している
- どんなものでも誤嚥の可能性があることは忘れずに
子どもの食事には、固さ・大きさ・アレルギーなど注意するべき内容がたくさんあります。
その中のわずか一つですが、重大な内容の一つとして「小さい子には豆類・ナッツ類」はリスクが高い。ということを覚えておいていただければと思います。
3歳以上でも誤嚥することはありますので、食事中はできるだけ落ち着いて、走り回ったりしないように伝えていきたいです。
誤飲時に無理に嘔吐させることで、誤嚥につながるケースもありえます。
小さいお子さんは目にしたものや手にしたものに強い関心があるので、色々なものを口に入れます。口に入れたもののサイズによっては、そのまま飲み込むこともあります。 そのように、本来飲み込まないほうが良いものを誤っ[…]