ディフェリンゲル(アダパレン)の使い方・注意点・刺激感などの副作用【子どもは12歳から】

  • 2019年10月29日
  • 2020年2月12日
  • 塗り薬
ディフェリンゲル(アダパレン)の使い方・注意点・刺激感などの副作用【子どもは12歳から】

中学生ぐらいから使えるニキビ治療薬ディフェリンゲル(成分名アダパレン)は、皮膚刺激感が強く自己判断での中止例も少なくありません。

ディフェリンゲルの適切な使い方や、皮膚刺激感などの副作用との付き合いかたなど説明します。

ディフェリンゲルは刺激感もあるが、根気よく使って欲しい

ディフェリンゲルが日本で発売されたのは2008年ですが、当時の皮膚科医には発売を待ちわびていた方も多かったと思います。

世界的には使われていたニキビ治療薬がやっと使えるようになったという状況でした。

 

ただ、発売当初は(私の周りでは)ディフェリンゲルの頻発する副作用「皮膚刺激感」との付き合い方があまり浸透しておらず、続けることが出来なかった方もおられました。

これは今でも反省していますが、安易に「皮膚刺激感が強かったら中止して下さい。」と医師も私も伝えていたため、患者さんが少し痛いので中止となってしまった例が多かったからです。

皮膚刺激感ありきで考えて、短期間だけ多少のかゆみや痛みに耐えてもらうことや、軽減の仕方を指導していくべきでした。

 

ディフェリンゲルは現在でも多く使用されており、続けれている方も多い薬ですが、多くの方は最初の刺激感を乗り越えて使用している方が多いです。

ディフェリンゲル発売前のニキビ治療はニキビの原因となるアクネ菌を抗生物質で殺菌する治療が多かったです。

対して、ディフェリンゲルの成分「アダパレン」は、毛穴に皮脂がたまらないようにすることで、ニキビの発生や進行を防ぎます。

 

ただし、ディフェリンゲルは効果を実感できるのにも時間がかかります。

使い始めてしばらくは「副作用が出て、効果が実感出来ない」という続けるのに根気がいる薬です。

 

しかし、ディフェリンゲルを続けれている方も多く、それは効果を実感できているからでもあります。

出来るだけ、使い始めの顔の刺激感などで挫折しないでもらえればとは思います(無理はいけません)。

ディフェリンゲルの使い方と注意点【日焼け対策と化粧水の順番】

ディフェリンゲルの適応が通っているのは「顔面」のみで、ルール上は背中などのニキビに対しては有効性や安全性が確立されていません。

 

塗る場合には以下の点に気をつけて塗りましょう

  • 「眼、口唇、鼻翼及び粘膜」は避けるように
  • 眼の周りに塗る場合は、目に入らないように注意し、目に入ってしまった場合はすぐに水で洗い流す
  • 切り傷や擦り傷などがあるところも避けるように

 

1日1回洗顔後に患部に塗りますが、原則は就寝前の使用です。

ディフェリンゲルの使用中に大量の紫外線にあたると皮膚の刺激感が増す恐れがあるため、寝る前の使用が推奨されています。

寝る前に使用したら大量の紫外線に当たって良いわけではありませんが、朝塗るよりは良いでしょう。

屋外活動が多い日は日焼け止めや日傘などを活用しましょう。

 

ディフェリンゲルを使用される方の多くは、しっかり洗顔も化粧水などの使用もされていると思います。

基本的には、洗顔→化粧水など→ディフェリンゲルの順番で指導されることが多いでしょう。

最後に塗ることで、不必要な部位に広がらず、必要な部位に効果が出ると考えます。

ディフェリンゲルの副作用と使える人【12歳から|妊娠授乳×】

ディフェリンゲルの使用成績調査においての全体の副作用頻度は28.8%で、皮膚の乾燥17.6%、皮膚の不快感6.7%などが報告されています。

私が聞き取った範囲においては、軽度のピリピリ感も含めれば半数以上には何かしらの症状が出ています。

使用開始2週間以内に皮膚の刺激感や赤み、皮膚がポロポロ剥がれ落ちるなどの症状が出ることが多いとされますが、ほとんどの場合は、軽度であり自然と収まってきます。

 

副作用が軽度で短期間の可能性が高いことを伝えた場合、どうしても続けれないケースはほとんどありません。

気をつけたい点として、ディフェリンゲルの使用は12歳以上です。

調べたところ乳児のニキビへの使用例(PubMedへリンク)もありましたが、使用数が少ないため、これをもって12歳未満にも使用できるとは思いません。

 

そもそも、ディフェリンゲルが選択される状態になるのは12歳以降が多いとされるので、11歳以下で使用を検討する例はあまり多くないかもしれません。

また、症状が目立ってくるのが12歳以降であったり、色々試しているうちに12歳を過ぎることはあります。

 

妊婦または妊娠する可能性のある女性は禁忌と設定されています。

因果関係がはっきりしているわけではありませんが、先天奇形の可能性が否定できないためです。

日本での臨床試験では、ディフェリンゲルを塗ることによって血液中への以降は認められませんでしたが、海外の長期局所投与により、血液中に微量に検出されています。

 

妊娠する可能性がある女性の場合、なかなか言いにくい場合もあるかもしれませんが、しっかりとその旨を医師・薬剤師に伝えることは大切です。

少なくとも、妊娠中に積極的にディフェリンゲルを使用する理由は無いと考えています。

 

また、母乳中に移行する可能性が否定できないため、授乳中の女性に使用する場合は授乳を中止するようにとされています。

 

 

ディフェリンゲルは、ニキビの治療効果は高いながらも副作用への対策が必須となります。

保湿などをしっかりと行うことで、短期間の副作用を対策しつつ、上手に付き合ってもらえればと思います。

薬価も安くはありませんが、ジェネリックもあるので是非活用してもらえればと思います。