ニゾラール(ケトコナゾール)の使い方【乳児脂漏性皮膚炎にも使われます】

ニゾラール(ケトコナゾール)の使い方【乳児脂漏性皮膚炎にも使われます】

ケトコナゾールは真菌に効果のある薬で、「ニゾラール」などの名前で塗り薬として使用されています。

真菌は菌類の一部で、カビやキノコなども真菌類に当たります。

細菌による感染症は必要に応じて抗生物質で治療されますが、真菌は抗真菌薬で治療します。

 

真菌に効果のあるニゾラールですが、乳児脂漏性皮膚炎などで子どもにも使われるケースがあります。

ニゾラール(ケトコナゾール)の使い方

日本で使用されているケトコナゾール製剤は、以下の2種類及びそのジェネリックです。

  • ニゾラールクリーム2%
  • ニゾラールローション2%

 

海外では、飲み薬や軟膏、シャンプーなどの製剤が承認されているところもあります。

ニゾラールシャンプーは、日本では保険収載されていません。
代替策として、ニゾラールローションを市販のシャンプーに混ぜて使用するように指導されることがあります。
しかし、自己判断でそのようなことはせずに、必ず処方医の指示に従って下さい。
自己判断での使用(個人輸入含む」は、なにか起きた場合の保証がないため、推奨できません。

 

ニゾラールはアゾール系抗真菌薬に分類され、以下の皮膚真菌症の治療に使用されます。

  • 白癬:足白癬、体部白癬、股部白癬
  • 皮膚カンジダ症:指間糜爛症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む)
  • 癜風
  • 脂漏性皮膚炎

 

原則として、脂漏性皮膚炎には1日2回、その他の治療には1日1回患部に塗ります。

※時々、用法の違いで脂漏性皮膚炎なのか皮膚カンジダ症なのか区別が付くこともあります。

 

塗った部位に刺激感やかゆみ、赤みなどが出ることがありますが、特別頻度が高いとも言えません。

副作用の概要
<クリーム>
総症例6,346例中、副作用は224例(3.53%)に計300件が認められた。その主なものは接触皮膚炎97件(1.5%)、そう痒55件(0.9%)、投与部位発赤43件(0.7%)、投与部位刺激感30件(0.5%)等であった。(再審査終了時)
<ローション>
脂漏性皮膚炎に対する臨床試験における安全性評価対象例69例中、副作用は11例(15.9%)に計16件が認められた。内訳は、刺激感8件(11.6%)、そう痒3件(4.3%)、尿蛋白陽性2件(2.9%)、接触皮膚炎1件(1.4%)、紅斑1件(1.4%)、小水疱1件(1.4%)であった。(承認時)

 

添付文書上では、クリームは乳児から使えますが、ローションは「小児に対する安全性は確立されていない」とされています。
※実際には使われることも少なくない印象です。

ニゾラールローションは使用前によく振るようにしてください。

ニゾラールは乳児脂漏性皮膚炎にも使われる

ニゾラールは抗真菌薬ですが、脂漏性皮膚炎に使用されます。

脂漏性皮膚炎には、皮膚に常在している真菌のマラセジアなどが関連していると考えられており、海外では1980年代から脂漏性皮膚炎の効能効果が承認されています。

コクランレビューでも、外用ケトコナゾールが他の類似薬よりも効果的な可能性が示唆されています。
参考:Topical antifungals for seborrhoeic dermatitis.

脂漏性皮膚炎

顔や頭皮、耳の後ろなどを中心に炎症を生じ、黄色い鱗屑(うろこ状のくず)やフケが出てくることがあります。
成人男性に多いと言われますが、乳児に同様な症状が出ることも珍しくありません。

 

脂漏性皮膚炎対策として家で出来ることはいくつかありますが、まずは清潔を保つことが重要です。

しっかりと汚れを落とすこと、そして泡を残さないようにしっかりと流すことも同様に重要です。

赤ちゃんの場合、首などの皮膚にシワが出来やすいですが、そこに汚れもシャンプーも溜まりやすいのでご注意下さい。

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乳児の脂漏性皮膚炎はアトピー性皮膚炎との関連も指摘されています。
参考:Retrospective analysis of the relationship between infantile seborrheic dermatitis and atopic dermatitis.

 

赤ちゃんの肌ケアの重要性は高いと考えます。

適切な保湿や洗浄を心がけましょう。

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