点耳薬の種類と特徴【ベストロン、ホスミシンS、ロメフロン、リンデロンなど】

点耳薬には、中耳炎の場合などに使う抗生物質や、炎症を抑えるステロイド、取れにくくなった耳垢を取りやすくするための耳垢水などがあります。
それぞれの種類や特徴などをまとめてみました。

点耳薬の基本的な使い方や注意点については、以下の記事にまとめています。

抗生物質の点耳薬

ベストロン耳鼻科用1%

ベストロン耳鼻科用は粉と液体が分かれた状態で保管されており、初回の使用前に粉を液体に溶かしてから使う点耳薬です。

溶かした後は冷所保存で7日以内に使用することとされています。

 

冷蔵庫から取り出して、冷たいまま点耳をするとめまいなどの原因となるので、手のひらで体温程度に温めてから使うようにしてください。
長く保たせるためにも、混ぜる前に渡されることが多いかもしれません。

 

また、副鼻腔炎の治療でネブライザーで使用する場合は、溶解後20時間以内に使用することとされています。

外耳炎及び中耳炎に対しては、通常1回6〜10滴使用して、1日2回10分程度の耳浴を行います。

ホスミシンS耳科用3%

ホスミシンS耳科用もベストロン耳鼻科用と同じように、初回の使用前に粉を液体に溶かしてから使います。

溶かした後は室温保存で2週間以内なら使えます。

特別な指示がない限り、2週間を超えたら処分するようにしてください。

 

通常、1回10滴で1日2回10分程度の耳浴を行います。
1日4回程度することもあるようです。

ホスミシンS耳科用は他の点耳薬と比較すると、子どもへの使用データは少ないです。
私個人の経験では、子どもに対して調剤したことはありません。

クロロマイセチン耳科用液0.5%

大人も含めて、使用頻度はそれほど高くない印象がある点耳薬です。
私の周りの薬剤師に聞いた限りでは、見たことがないという意見が多かったです。

 

他の点耳薬は目薬のような容器に1本5mLほど入っていますが、クロロマイセチン耳科用液は1本が15mLの瓶に入っています。

添付文書上もあまり詳しい使用方法は書かれていませんので、使用方法は割愛させていただきます。

ロメフロン耳科用液0.3%

ロメフロン耳科用液0.3% 画像

使用前に粉を液体に溶かしたりする必要がない点耳薬なので、使用頻度は高いほうだと思います。

通常、1回6~10滴を1日2回10分程度の耳浴を行います。

オフロキサシン(タリビット)耳科用液0.3%

オフロキサシン(タリビット)耳科用液は、点耳薬の中では割と使用頻度が高い印象があります。
オフロキサシン(タリビット)耳科用液0.3%については、別の記事でまとめています。

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リンデロン点眼・点耳・点鼻液と注意すべき類似品【ステロイド】

リンデロン点眼・点耳・点鼻液は、ステロイドの外用薬で、点眼・点耳・点鼻のいずれでも使うことがあります。

眼科
外眼部及び前眼部の炎症性疾患の対症療法(眼瞼炎,結膜炎,角膜炎,強膜炎,上強膜炎,前眼部ブドウ膜炎,術後炎症)
通常、1日3~4 回,1回1~2滴ずつ点眼する。

耳鼻科
外耳・中耳(耳管を含む)又は上気道の炎症性・アレルギー性疾患(外耳炎,中耳炎,アレルギー性鼻炎等),術後処置に、
通常,1日1~数回,適量を点耳,点鼻,耳浴,ネブライザー又はタンポンにて使用するか,又は患部に注入する。なお,症状により適宜増減する。
引用:リンデロン点眼・点耳・点鼻液添付文書

小児等への使用の項目には、「特に2歳未満の場合には慎重に使用すること」と書かれています。

 

間違えないように注意したい医薬品として、点眼・点鼻用リンデロンA液があります。

点眼・点鼻用リンデロンA液は、ステロイドのベタメタゾンリン酸エステルナトリウムと抗生物質のフラジオマイシン硫酸塩の合剤です。
難聴のおそれがあるので、点耳には使うことは基本的はないでしょう。

中耳炎,鼓膜穿孔のある患者において,本剤の点耳,耳浴により,非可逆性の難聴が発現するおそれがあるので,耳内へは投与しないこと。
引用: 点眼・点鼻用リンデロンA液添付文書

 

さらにややこしいことに、眼・耳科用リンデロンA軟膏という商品もあります。

「眼・耳科用」という名前ですが、鼻にも使う場合があります。
耳に使う場合は、基本的に外耳に使用することが多いと思いますし、鼓膜に穿孔のある患者への耳内使用は禁忌とされています。

  • リンデロンA液は目と鼻
  • リンデロンA軟膏は目と耳と鼻

間違えないように注意が必要ですね。

リンデロン点眼液0.01%も外見だけならそっくりですので、こちらも区別しましょう。

リンデロン液 間違え注意
左からリンデロン点眼、点眼・点鼻用リンデロンA液、リンデロン点眼・点耳・点鼻液です。
これは間違えそう…

【耳垢水】ジオクチルソジウムスルホサクシネート耳科用液5%「CEO」

耳垢の除去を目的として使う点耳液で、耳垢水(じこう水)とも呼ばれます。

外耳の皮膚にある耳垢の表面張力を低下させたり、固まった耳垢を溶かしやすくしたりします。

 

綿棒などで直接外耳に塗るように指示されることや、点耳をするように指示される事もあります。
なかなか取れない場合などは、数滴点耳をした後に37℃ぐらいのお湯で洗い流します。
1日3回程度点耳することもあるようです。

 

以前はワックスネートという同一成分の薬があったようですが、2003年に発売終了になっており、2015年にジオクチルソジウムスルホサクシネート耳科用液5%「CEO」が発売になりました。
発売されていない期間は、薬局や病院などで、炭酸水素ナトリウムなどを使って、同一成分の点耳薬を作成しているところもありました。

 

子どもが話しかけられても反応が悪くなったと思っていたら、耳垢が詰まっていたことが原因だったという話を何度か聞いたこともあります。
特に湿った耳垢のお子さんの場合は、気をつけておいたほうが良いかもしれません。

 

子どもの薬全般の使い方については以下の記事をご確認ください。

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