溶連菌の治療に抗生物質を続ける理由【アモキシシリンなどを最後まで飲み切るのが大切】

溶連菌の治療に抗生物質を続ける理由【どうしても薬が飲めない場合はどうする?】

溶連菌治療には抗生物質を続けることが大切ですが、飲み始めて数日で症状が改善することも多く、途中で自己判断で中止してしまう例もあります。

溶連菌の基本と、なぜ溶連菌治療に抗生物質を続ける必要があるのかを書いていきます。

溶連菌の症状【大人も発症することがあります】

溶連菌は2~5日程度の潜伏期間があり、最初の症状は高熱やのどの痛みが中心と言われます。

その後、体に発疹ができたり、舌に赤いブツブツが出ることもあります。

人によっては、嘔吐、腹痛や下痢、頭痛などが出ることもありますが、咳や鼻水が出ることは少ないと言われています。

 

溶連菌を発症するのは、4~9歳ごろが多いとされていますが、3歳以下や大人も発症することがあります。

大人は溶連菌に感染しても発症しないことも多いですが、ないわけではありません。

 

感染経路は、飛沫感染や接触感染が多いとされています。

咳エチケットや、タオルなどの共有に気をつけるようにしましょう。

 

溶連菌に感染した場合、のどの痛みが強く出ることが多く、硬いものや、味の濃い食事は食べれないことも多いです。

ゼリーやプリンなどのやわらかいものや、うどんなどの食べやすいものをあげるようにしましょう。

食事が難しい場合でも、脱水対策として水分補給だけは忘れないようにしてください。

溶連菌に抗生物質を使用する理由【最後まで飲み切る】

抗微生物薬適正使用の手引き第二版では、急性咽頭炎への抗生物質の使用について、以下のようにまとめられています。

・迅速抗原検査又は培養検査でA群β溶血性連鎖球菌(GAS)が検出されていない急性咽頭炎に対しては、抗菌薬投与を行わないことを推奨する。
・迅速抗原検査又は培養検査で GAS が検出された急性咽頭炎に対して抗菌薬を投与する場合には、以下の抗菌薬投与を検討することを推奨する。
(成人・小児における基本)アモキシシリン水和物内服 10 日間

喉が赤いから抗生物質ではなく、溶連菌感染症だから抗生物質というのが基本の考え方と言えます。

 

頻度は高くありませんが、溶連菌感染後にリウマチ熱や溶連菌感染症後急性糸球体腎炎などが発症することがあります。

予防のために、良くなったとしても抗生物質を最後まで飲み切るようにお願いします。

 

溶連菌は短期間出席停止となりますが、抗生物質を飲み始めて1日~2日で症状が改善することが多いです。

抗生物質使用後24時間を経て全身状態が良ければ登校も可能とされています。

 

また、「昨夜家に残っている抗生物質を自己判断で飲ませた」などは検査を偽陰性にする可能性もありえます。

抗生物質は指示されたとき以外は使わないようにしてください。

抗生物質はアモキシシリンを10日など

溶連菌への抗生物質の使用方法として、ペニシリン系抗生物質を10日間続ける方法や、別の抗生物質を2~6日(種類による)ほど続ける方法があります。

この2種を比較した時のペニシリン系抗生物質は以下の特徴がありました。

  • 症状が無くなるのは遅いが、再燃率は低い
  • 副作用(ほとんどが軽度から中等度の下痢、嘔吐、腹痛)頻度が少ない
  • リウマチ熱・腎炎の合併率については有意な差はない

参考:Short-term late-generation antibiotics versus longer term penicillin for acute streptococcal pharyngitis in children.

最も重視すべきは、「リウマチ熱・腎炎の合併率」だと考えますが、そちらに差はありませんでした。

 

なお、小児呼吸器感染症診療ガイドライン2017によると、投与される抗生物質は以下のようになってています。

  • 第1選択薬:アモキシシリンを10~14日
  • 第2選択薬:セフェム系を5日間

 

セフェム系の方が短期間の治療で済むというメリットもありますが、耐性菌対策を考慮して、アモキシシリンが第1選択薬とされています。

アモキシシリンは基本的に1日3回使う薬ですが、溶連菌に使う場合は1日2回で十分な効果があるとも言われています。

溶連菌だけど抗生物質がどうしても飲めない場合にどうするか

溶連菌感染症に限りませんが、どうしても抗生物質が飲めないお子さんもいます。

薬剤師の立場として出来ることは、ジェネリックも含めて同じ成分の抗生物質の中で飲みやすい(美味しい)ものを選択することと、それをうまく飲めるような工夫を伝えることだと考えています。

 

抗生物質の種類次第ではありますが、まずは飲み物やアイスなどに混ぜて飲めないかを検討したいところです。

抗生物質は酸味があるものと混ぜると苦くなるものもあります。

その判断がつかない場合、ジュースやスポーツドリンク、ヨーグルトやカルボシステイン(ムコダイン)などとは混ぜないようにしましょう。

 

おくすり飲めたねを使う場合は、チョコ味にしておきましょう。

「にがいのにがいのとんでいけ」も使いやすいです。

 

出来るだけ頑張って飲ませてもらいたいと思いますが、どうしても無理なこともあります。

味や飲ませ方の対策をしても、全然飲めない場合は医師に相談するようにしてください。

抗生物質の種類を変更したり、体重によっては錠剤に変更することが出来るかもしれません。

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