こどもに飲み薬のステロイドは安心して使える?【短期なら副作用リスクは少ないです】

【飲み薬のステロイド】と聞くと、不安を感じられる保護者の方も少なくありません。

 

ステロイドを続けたほうが良いような病気がある場合を除けば、基本的には頻繁に飲むような薬ではないのは確かです。
ただし、小児科においても、喘息が酷いときやクループのときなどには、今の症状を早めに抑えるために使われています。

どんな薬もそうですが、必要な時に必要な量を使うことが大切です。

飲み薬のステロイドについてまとめていきます。

飲み薬のステロイドを使うとき【ぜんそく・クループ・じんましん?】

ぜんそく悪化時に飲み薬のステロイド

ぜんそく悪化時の内服ステロイドの使用は、「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017」にも記載があります。
ひとつ古いガイドラインですが、「小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2013」のダイジェスト版はネットで読むことが可能です。

 

ぜんそく悪化時に経口ステロイドを使う場合は、プレドニゾロン・ベタメタゾン・デキサメタゾンのいずれかを2~3回程度の分けて飲むのが基本になります。

短期間の使用がほとんどなので、副作用を過度に心配する必要は無いでしょう。

クループになったらデカドロンやリンデロンなどの飲み薬のステロイド

クループ(喉頭気管気管支炎)とは、ウイルス感染症により発生する気管と喉頭の炎症で、せきと、高いキューキューいう呼吸音(吸気性喘鳴)が起こり、ときに息を吸う(吸気)のが難しくなります。
参考:MSDマニュアル家庭版

クループの治療の際に、経口ステロイドを1回飲みきりで使うことがあります。

デカドロンエリキシルの小児用量としては1~1.5mL/kgを1回飲みきりが基本です。

 

症状によっては、病院で「ボスミン」を使ったり、入院などの対応をしたほうが良いこともあります。

以下の報告を見ると、クループへのステロイドの使用は効果もあり、まれに2次感染の報告はあったようですが、基本的には安心して使えそうですね。

コクランレビュー:クループへのステロイドの効果と、副作用などの報告
Glucocorticoids for croup in children 

じんましんなどのアレルギーの時 →ステロイドの効果は期待できないかも?

正直、内服ステロイドといえば「じんましん」という印象がありましたが、今回調べた際に、効果が無いかも知れない報告を見つけました。

 

急性じんましんの治療に、レボセチリジン(ザイザル)単独と比較して、内服ステロイドを追加しても効果に差がないという報告があります。
Levocetirizine and Prednisone Are Not Superior to Levocetirizine Alone for the Treatment of Acute Urticaria: A Randomized Double-Blind Clinical Trial 

項目から外そうかとも思いましたが、参考に載せておきます。※症状によっては必要になる場合もあると思います。

自己判断での中止が一番危険です。
医師の指示に従ってください。

飲み薬のステロイドの副作用は【短期使用なら】問題ないのか?

短期的に飲み薬のステロイドを使う場合は上記のような例が多いと思います。

ぜんそく悪化時には2~3回程度、クループでは1回だけ使うことが多いです。

そういう際には、基本的には副作用が大きな問題になることはないでしょう。

 

ぜんそく・クループのどちらに使うにせよ、今起きている症状をしっかりおさえるために必要になりますので、自己判断での中止だけはやめるようにお願いします。

飲み薬のステロイドの比較【デカドロン・リンデロン・プレドニゾロン|味が問題?】

前提として、飲み薬のステロイドはとても苦いです。
薬をお渡ししていると、「苦い薬の代表格と言えば抗生剤」と考えている保護者の方も多いですが、抗生剤よりも苦いです。

ステロイドの選択を病院で聞かれることはあまりないかもしれませんが、知っていたら対応できることもあるでしょう。

デカドロン錠、プレドニン錠など(錠剤のステロイド:潰したら苦い)

錠剤だが、小型なので3歳ぐらいでも飲める子もいる(推奨するわけではありません。

一番苦味を感じずに飲めるのが最大のメリット。

 

服用する薬のかさを減らすためや、小さい子どもに使うために、デカドロンを粉砕して使う場合もありますが、とても苦いです。

プレドニゾロン散、リンデロン散など(粉薬のステロイド:苦い)

粉なので、小さい頃から飲むことは可能。
ただし、こちらも錠剤を粉砕したのと同じようにとても苦いです。大人が飲んでも苦いですよ。。。

デカドロンエリキシル、リンデロンシロップなど(シロップのステロイド:苦いけど甘みもあります)

苦味と甘味の両方があります。
飲みやすいというほどではないですが、粉ほどダイレクトには苦くはありません。

デカドロンエリキシルはアルコールを含んでおり、そのアルコール度数はおよそ5%です。

ざっと計算した感じだと、治療上必要なデカドロンエリキシルの量でエタノールの許容量を超えることはなさそうです。
また、エリキシル剤による急性アルコール中毒の報告は特に見つけることは出来ませんでした。
それでも、年齢やデカドロンエリキシルの量によっては、酔ったような状態になることはあると思います。

 

リンデロンシロップにもごくわずかにアルコールが含まれていますが、デカドロンほど気にする必要はありません。
味もリンデロンシロップのほうが甘みが強く飲みやすいと思います。

 

ただし、ステロイドのシロップ剤の場合、一度に飲む量が多くなってしまいます。
どちらで考えても、1錠が5mL換算になります。

 

クループの治療の場合、デカドロンエリキシル1~1.5mL/kgを単回投与になります。
体重10kgの子の場合、デカドロンエリキシルだと10~15mL飲む必要がありますが、デカドロン錠なら2~3錠換算ですし、さらにそれを粉砕すれば0.2~0.3gほどの量になります。

単独では苦いので、単シロップなどに混ぜたほうが良いとは思いますが、デカドロンエリキシルよりかは飲みやすくなる気がします。

 

苦い薬の飲ませ方はこちらにまとめています。

薬嫌いの子でもなんとか飲める!苦い薬の飲ませ方を薬剤師が教えます。

 

ステロイドの内服も「にがいのにがいのとんでけ」で対応出来ます。

ステロイド換算表:ステロイドの強さ一覧

一緒に調べる方もおられると思いましたので、ステロイド換算表も載せておきます。
ステロイドの強さを比較するものです。

先程紹介した薬では、プレドニンとプレドニゾロンが「プレドニゾロン」、デカドロンが「デキサメタゾン」、リンデロンが「ベタメタゾン」になります。

ステロイド換算表

半減期(時間)コルチコイド作用
(力価比)
概算同等用
(mg)
合成ステロイド血中生物学的糖質鉱質
1群ヒドロコルチゾン1.28~121120
コルチゾン1.28~120.80.825
2群プレドニゾロン2.512~3640.85
プレドニゾン3.312~3640.85
3群メチルプレドニゾロン2.812~365<0.014
トリアムシノロン3~512~365<0.014
4群デキサメタゾン3.536~7225<0.010.75
ベタメタゾン3.536~7225<0.010.75

参考:「今日の治療薬2018 主な合成ステロイドの特徴」 一部改変

 

飲み薬のステロイドであることを伝えると副作用の心配をされることが多いですが、短期での使用はそこまで心配する必要もありません。
そして、どうしても治療に必要だから処方されています。
しっかり説明を聞いた上で、適切に使用してもらえればと思います。

 

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