ノベルジン錠の粉砕と子どもの低亜鉛血症【酢の匂い|顆粒も発売予定】

ノベルジン錠の粉砕と子どもの低亜鉛血症【酢の匂い|顆粒も発売予定】

低亜鉛血症治療薬のノベルジンは子どもにも使われることがありますが、その場合は粉砕して量を調節することも多いです。

しかし、粉砕されたノベルジン錠には強い酢酸臭があり、なかなか飲みにくいです。

 

ノベルジンの粉砕情報と子どもの低亜鉛血症についてまとめてました。

子どもの低亜鉛血症の原因と症状

子どもの採血をする機会はそこまで多くないと思いますが、採血した際に低亜鉛血症が見つかることがあります。

低亜鉛血症になる原因としては、食事(低亜鉛母乳、偏食など)、鉄剤の過剰投与、その他色々な原因などが挙げられます。

 

低亜鉛血症によって起こりうる症状としては、皮膚炎、低身長、下痢、貧血などがあります。

亜鉛が欠乏している低身長の子どもに、亜鉛を補充したところ、身長の伸びが改善されたとの報告があります。
Mild to moderate zinc deficiency in short children: Effect of zinc supplementation on linear growth velocity

 

極端な低亜鉛状態には注意する必要があると言えるでしょう。

ノベルジンの用法・用量は低亜鉛血症とウィルソン病で違う【副作用|効果優先】

ノベルジンは低亜鉛血症に適応を有する国内唯一の亜鉛製剤ですが、そもそもは別の病気:ウィルソン病の治療薬として開発されました。

日本でノベルジンが低亜鉛血症に使えるようになったのは2017年です。

※ノベルジンが使えるようになるまでは、亜鉛を含む胃薬(プロマック)が低亜鉛血症に適応外で使われていることもありました。

 

ノベルジンの注意点として、元々の適応であるウィルソン病と低亜鉛血症では用法・用量が異なることが挙げられます。

ノベルジン錠の用法・用量【低亜鉛血症とウィルソン病で違う】

低亜鉛血症にノベルジンを使用する場合、体重30㎏を境に量が変わります。

体重30kg未満の子どもなら、開始用量は1日1回25mgを食後に服用します。

 

一方でウィルソン病にノベルジンを使用する場合、1歳以上6歳未満、6歳以上の小児、成人で量が変わります。

1歳以上6歳未満の子どもの場合、1日2回、1回25mgを食前1時間以上または食後2時間以上空けて服用します。

 

飲む回数・タイミング(食後or食後を避ける)・1日量も異なります。

ノベルジンの用法・用量が違う理由【気持ち悪いなどの副作用対策|効果優先】

亜鉛の吸収は、様々な飲食物の影響を受けるため、用法・用量が重要になります。

 

ウィルソン病の場合、疾患の重篤性を考えて、飲食物の影響を出来るだけ避けるために用法を厳密に設定されています。

一方で、国内臨床試験(ウィルソン病)において、1歳以上6歳未満の場合、胃腸障害が100%(2例中2例)発現しています。

※その他の副作用もありますが、重篤な有害事象及び小児に特異的な有害事象は認められていません。

「ノベルジンの効果を最大限に出すためには胃腸障害はつきもの」と言えるのかもしれません。

 

低亜鉛血症の場合は、ウィルソン病と比較すると急ぐ必要がないため、消化器系の副作用(気持ち悪くなる、嘔吐など)を回避することを優先として設定されています。

低亜鉛血症の場合は、そこまで厳密に量を設定しなくても良いということも大きいでしょう。

 

 

低亜鉛血症に使用する場合に限り、服用後の亜鉛濃度を測定するための採血をする日は、ノベルジンを飲む前に採血をすることが望ましいと添付文書に記載があります。

投薬時に注意事項として伝えておきたい内容です。

ノベルジン錠の粉砕【3か月安定|酢の匂い】

ノベルジンの主成分は「酢酸亜鉛」ですので、粉砕すると強烈な酢のにおいがします。

味見をしたわけではないので予想でしかありませんが、とても飲みにくそうな印象を受けました。

※実際に飲んでいる子のお母さんからは、「すごく嫌そうな顔で飲んでいる」と聞きました。

 

粉砕したノベルジンの場合、何かに混ぜないとどうしても飲んでくれないというケースも多いと思います。

しかし、先程紹介の通り、飲食物の影響が大きく出る薬でもあります。

ウィルソン病治療の場合、例えば牛乳などには混ぜないほうが良いと思われます。

 

ノベルジン以外にも、色々な薬の飲み物との相性などをまとめています。
>>【保存版】薬と飲み物などの相性一覧表とその他の注意事項

 

メーカーにノベルジン粉砕時の安定性を確認したところ、3か月ぐらいなら問題ないと思われるとの回答を得ました。

インタビューフォームでは粉砕時の安定性のデータは見つけれませんでしたが、苛酷試験のデータだけ載せておきます。

苛酷試験(温度:40±2℃、湿度:75±5%RHでシャーレ開放)
3ヵ月で質量の増加、定量値の低下、溶出率の低下を認めた。
参考:ノベルジン錠 インタビューフォーム

ノベルジン錠とプロマックの比較とノベルジン顆粒発売

ノベルジン錠25mgには亜鉛が25mg、プロマックD75mgには亜鉛が16.9mg含まれています。

2018年12月時点では、亜鉛1㎎あたり薬価はノベルジンが約5~10倍になります。

 

粉砕しなければ飲めない(主に未就学児)の場合に限った話にはなりますが、ノベルジンの粉砕よりかはプロマック顆粒のほうが飲みやすそうな味だとは思います。

ただし、同じ量の亜鉛を取るためには、プロマックのほうが量を多く飲む必要があるので(亜鉛25mg換算だと、ノベルジン錠25mgは0.1g程度、プロマック顆粒なら0.73g程度)、量の面ではノベルジンのほうが飲みやすいかもしれません。

医療費と味の面ではプロマック、量の面ではノベルジンのほうが良いですね。

 

適応外でなけれプロマックを使用したくなりますし、実際ノベルジンに低亜鉛血症の適応が通るまではプロマックが良く使われていたように記憶しています。

そう単純な話では無いですが、プロマックも低亜鉛血症に使えるようになると良いな。とは思ってしまいますね。

 

※追記

2021年にはノベルジン顆粒が発売される予定となっています。

ノベルジン錠を粉砕すると酢のにおいが強く飲みにくいですが、ノベルジン顆粒はその点改良されているはずです。

またサンプルをもらえるようなら追記したいと思います。