ノベルジンの粉砕と、子どもの低亜鉛血症について【かなり酢の匂いがします】

低亜鉛血症治療薬のノベルジンを粉砕する機会がありました。

ノベルジンの粉砕情報とともに、子どもの低亜鉛血症についてまとめてました。

初めて粉砕する際には参考にしてください。

子どもの低亜鉛血症

子どもの採血をする機会はそこまで多くないと思いますが、たまに採血した際に低亜鉛血症が見つかることがあります。

低亜鉛血症の原因

食事による原因(低亜鉛母乳、偏食など)や、鉄剤の過剰投与、その他色々な原因で、子どもでも低亜鉛になる可能性があります。

低亜鉛血症によって起こりうる症状

皮膚炎、低身長、下痢、貧血などがあります。

亜鉛が欠乏している低身長の子どもに、亜鉛(ノベルジンではない)を補充したところ、身長の伸びが改善されたとの報告があります。
Mild to moderate zinc deficiency in short children: Effect of zinc supplementation on linear growth velocity

ノベルジンの用法・用量は低亜鉛血症とウィルソン病で違う【副作用|効果優先】

ノベルジンは低亜鉛血症に適応を有する国内唯一の亜鉛製剤です。
そもそもはウィルソン病(肝レンズ核変性症)の治療薬として開発されました。

日本では、2017年に低亜鉛血症に使えるようになりました。
以前はノベルジンカプセルもありましたが、2018年12月現在では錠剤のみが発売されています。

ノベルジンが使えるようになるまでは、胃薬のプロマックも亜鉛を含んでいる薬なので、適応外で使われていることもありました。

低亜鉛血症の治療薬としてのノベルジン錠の用法・用量【ウィルソン病とは違うので注意】

低亜鉛血症の場合

通常、成人及び体重 30kg 以上の小児では、亜鉛として、1 回 25~50mg を開始用量とし1 日 2 回経口投与する。
通常、体重 30kg 未満の小児では、亜鉛として、1 回 25mg を開始用量とし 1 日 1 回経口投与する。
血清亜鉛濃度や患者の状態により適宜増減するが、最大投与量は成人及び体重 30kg 以上の小児では 1 日 150mg(1 回 50mg を 1 日 3 回)、体重 30kg 未満の小児では 75mg(1 回 25mg を 1 日 3 回)とする。
なお、いずれの場合も、食後に投与すること。
引用:ノベルジン錠添付文書

体重 30kg 未満の子どもの場合、開始用量は1日1 回25mg(ノベルジン錠25mgを1錠)を食後に服用します。

ウィルソン病の場合

ウィルソン病の場合のノベルジンの用法用量 ※クリックで開きます。H成人には、亜鉛として、通常 1 回 50mg を 1 日 3 回経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減するが、最大投与量は 1 日 250mg(1 回 50mg を 1 日 5 回投与)とする。
6 歳以上の小児には、亜鉛として、通常 1 回 25mg を 1 日 3 回経口投与する。1 歳以上 6 歳未満の小児には、亜鉛として、通常 1 回 25mg を 1 日 2 回経口投与する。
なお、いずれの場合も、食前 1 時間以上又は食後 2 時間以上あけて投与すること。
引用:ノベルジン錠添付文書

1歳以上6歳未満の子どもの場合、1日2回、1回25mgを食前1時間以上又は食後2時間以上空けて服用します。

飲む回数も、飲むタイミング(食後or食後を避ける)も違うのでご注意下さい。

ノベルジンの用法・用量が病気ごとに違う理由は?【副作用対策|効果優先】

亜鉛の吸収は、様々な飲食物の影響を受けます。

ウィルソン病の場合は疾患の重篤性を考えて、飲食物の影響を避けるために用法を厳密に設定されています。
一方、低亜鉛血症の場合は、消化器系の副作用(気持ち悪くなる、嘔吐など)を回避することを優先として設定されています。

低亜鉛血症の場合は、そこまで厳密に量を設定しなくても良いということも大きいでしょう。

 

なお、国内臨床試験(ウィルソン病)において、1歳以上6歳未満の場合、胃腸障害が100%(2例中2例)発現しています。
リパーゼ増加、アミラーゼ増加、血清鉄低下などの副作用も報告されていますが、重篤な有害事象及び小児に特異的な有害事象も認められていません。

 

低亜鉛血症に使用する場合に限り、服用後の亜鉛濃度を測定するための採血をする日は、ノベルジンを飲む前に採血をすることが望ましいと添付文書に記載があります。

投薬時に、注意事項として伝えてあげたいですね。

ノベルジン錠の粉砕について【3か月安定の情報|酢の匂いがします】

ノベルジンを粉砕したところ、強く酢の匂いがしました。
ノベルジンは主成分が、【酢酸亜鉛】なので、酢の匂いがするようです。

 

味見をしたわけではないので予想でしかありませんが、とても飲みにくそうな印象を受けました。
乳糖などを混ぜて調剤してあげたほうが良さそうな気がします。

ご家庭では、飲みにくい場合には、何かに混ぜて飲ませてあげたほうが良いかもしれません。
ただし、低亜鉛血症治療の場合に限ります。
ウィルソン病の治療の場合は、飲食物の影響を気にする必要があるので、例えば牛乳などには混ぜないほうが良いと思われます。

 

ノベルジン以外にも、色々な薬の飲み物との相性などをまとめています。
>>【保存版】薬と飲み物などの相性一覧表とその他の注意事項

 

なお、粉砕時の安定性をメーカーに確認したところ、3か月ぐらいなら粉砕は問題ないと思われるとの回答がありました。

インタビューフォームなどでは、粉砕時の安定性のデータは見つけれませんでした(調べ方が悪いだけかもしれません)。
一応、苛酷試験のデータだけ載せておきます。

苛酷試験(温度:40±2℃、湿度:75±5%RHでシャーレ開放)
3ヵ月で質量の増加、定量値の低下、溶出率の低下を認めた。
参考:ノベルジン錠 インタビューフォーム

ノベルジン錠とプロマックの薬価比較【おまけ】

薬品名薬価
ノベルジン錠25mg269.5円
ノベルジン錠50mg422.3円
プロマックD錠7529円
ポラプレジンクOD錠75mg
(プロマックのジェネリック)
16.7円
プロマック顆粒15%1g53.5円
ポラプレジンク顆粒15%
(プロマック顆粒のジェネリック)1g
38.1円

※2018年12月時点のデータです。

ノベルジン錠25mgには亜鉛が25mg、プロマックD75mgには亜鉛が16.9mg含まれています。

亜鉛を補充しようとする場合、ノベルジン25mgを使うと、亜鉛1mgあたり10円強。
プロマックD75mgを使うと、亜鉛1mgあたり2円弱(ジェネリックなら約1円)の計算になります。

 

粉砕しなければ飲めない(主に未就学児)の場合に限った話にはなりますが、ノベルジンの粉砕よりかはプロマック顆粒のほうが飲みやすそうな味だとは思います。
ただし、同じ量の亜鉛を取るためには、プロマックのほうが量を多く飲む必要があるので(亜鉛25mg換算だと、ノベルジン錠25mgは0.1g程度、プロマック顆粒なら0.73g程度)、量の面ではノベルジンのほうが飲みやすいかもしれません。

医療費と味の面ではプロマック、量の面ではノベルジンのほうが良いですね。

 

適応外でなけれプロマックを使用したくなりますし、実際ノベルジンに低亜鉛血症の適応が通るまではプロマックが良く使われていたように記憶しています。
そう単純な話では無いですが、プロマックも低亜鉛血症に使えるようになると良いな。とは思ってしまいますね。