十全大補湯(漢方薬)を中耳炎を繰り返すお子さんに使うことがあります【副作用や飲ませ方も説明】

小さいお子さんにも、漢方薬が処方されることがありますが、特に2歳ぐらいまでのお子さんにも使われることの多い漢方薬の一つとして「十全大補湯」があります。

特に中耳炎を繰り返すお子さんに使う印象があります。
お子さんへ十全大補湯を使うケースや、飲ませ方などについて説明します。

十全大補湯について

「じゅうぜんたいほとう」と読みます。
「だい」ではなく「たい」です。

医療関係者間では、「48番」でも通じるかと思います。

黄耆(オウギ)、桂皮(ケイヒ)、 地黄(ジオウ)、 芍薬(シャクヤク)、蒼朮(ソウジュツ)川芎(センキュウ)、当帰(トウキ)、人参(ニンジン)、茯苓(ブクリョウ)、 甘草(カンゾウ)

大人の方に使われる場合、手術後、疲れている人、食欲不振の人などに使われている印象があります。

 

お子さんに使う場合も体力を補うような目的で使われることもありますが、繰り返す中耳炎に使われることが一番多いと思います。
肛門周囲膿瘍などにも使うことがあります。

十全大補湯は中耳炎を繰り返すときに使うことがあります。

小児急性中耳炎診療ガイドライン2018年版においても、反復性中耳炎に対して「補剤である十全大補湯は、免疫賦活・栄養状態改善などを通して中耳炎罹患回数の減少効果を融資、反復性中耳炎に対する使用が推奨される。」とされています。

反復性中耳炎は、2歳未満の乳幼児に多く、十全大補湯の有効性が報告されています。

 

上記のガイドラインに参考文献として記載があるのが、以下の2つの文献です。

  1. Randomized controlled trial of juzen-taiho-to in children with recurrent acute otitis media.
  2. Effects of Japanese herbal medicine, Juzen-taiho-to, in otitis-prone children–a preliminary study.

ざっと内容を抜き出すと以下のような内容です。

①6~48か月の再発性急性中耳炎の傾向のあるお子さんに、日本のガイドラインに基づく治療群と、日本のガイドラインに基づく治療に十全大補湯を1日2回(0.10~0.25g/kg/日)追加した群と比較した結果、十全大補湯を追加した群は急性中耳炎の頻度を57%減少させた。

②中耳炎の乳児に、十全大補湯を1日2回(0.10~0.14g/kg/日)、3か月間投与した結果、95.2%の患者で中耳炎が寛解した。明らかな副作用は見られなかった。

 

これらを根拠として、小さいお子さんの繰り返す中耳炎に、十全大補湯が使われることがあります。

十全大補湯の飲ませ方【味はそこまで飲みにくくはないです】

漢方は子どもが嫌がって飲みにくいという意見が多いです。

十全大補湯は特別飲みにくい漢方というわけではありませんが、やはり子どもにとっては飲みやすい味とは言えません。

ほのかに甘いですが、漢方感を強く感じる味です。

漢方薬には、お湯で溶かしてはちみつを加えると飲みやすくなるものも多いです。

しかし、はちみつは早くても1歳までは控えたほうが良いですし(1歳なら全例大丈夫とは言いにくいです)、十全大補湯は2歳未満にも多く使われる漢方薬です。

 

はちみつを使わない飲み方としては、お湯で溶かした十全大補湯をオレンジジュースと混ぜると飲みやすい印象でした。

牛乳に混ぜても、そのままよりは飲みやすいと思います。

 

固形状にして飲ませたい場合は、少ない量のお湯で溶かした十全大補湯にきな粉+砂糖を加えて丸めると、漢方が苦手な子でも飲みやすいと思います。
きな粉などを加えた分、飲む量が多くなるのでご注意下さい。

小学生ぐらいになれば、オブラートに包んで飲むのも選択肢に入れれると思います。

十全大補湯の副作用は?

ツムラの十全大補湯の副作用の欄には、以下の記載があります。

発疹、発赤、 瘙痒、蕁麻疹、食欲不振、胃部不快感、悪心、嘔吐、下痢等

どれも特に出やすい副作用というわけではないと思いますし、実際に飲まれているお子さんは特に副作用なく飲めている印象です。

食欲不振に使うことがある漢方薬ですが、ジオウを含むため、食欲不振の副作用があります。
著しく胃腸が弱い方は、食欲不振が出やすいかもしれません。

 

とてもまれですが、偽アルドステロン症の報告があります。

「偽アルドステロン 症」は、血中のアルドステロンが増えていないのに、「アルドステロン症」の症状を示す病態です。主な症状として、「手足の力が抜けたり弱くなったりする」、「血圧が上がる」などが知られています。
引用:PMDA 偽アルドステロン症

頻度はかなり少ないとされていますが、十全大補湯以外にも甘草(カンゾウ)を含む漢方薬を併用していると頻度が上がる可能性があります。

漢方薬単独でも副作用が出ることはありえますし、不適切な漢方薬の併用はそのリスクを増やします。
漢方に過剰な安心感は持たないようにしましょう。

 

小さいお子さんが中耳炎を繰り返す場合、十全大補湯を続けることは珍しくありません。
注意するべき点は注意して、しっかり継続するようにしましょう。

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