小児ぜんそくの治療に、インタール吸入液やそのジェネリックのクロモグリク酸Na吸入液などが処方されることがあります。
吸入は数種類処方されることもあるので、使い方がこんがらがってしまうこともあるようです。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液についてまとめていきます。
※追記
2020年に「リノジェット吸入液」は、クロモグリク酸Na吸入液1%「アメル」に名称変更されました。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液の効果
インタールには、吸入液・エアロゾル・細粒・点眼液・点眼液UD・点鼻液がありますが、今回はインタール吸入液とそのジェネリックのクロモグリク酸Na吸入液に関しての内容です。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液の成分は「クロモグリク酸ナトリウム」というアレルギーを抑える薬として使われます。
気管支ぜんそくに適応があり乳児などの小さいお子さんに使われることが多いですが、吸入する力が弱くなった高齢の方に使われることもあります。
吸入薬の場合、飲み薬と比較して投与量は少なく済むため、全身的な副作用も少なくなるメリットがあります。
単独で使う場合、ぜんそく発作自体を起こさない、もしくは頻度を減らすための予防薬として使われます。
※ぜんそく発作を抑える薬ではありません。
しかしながら、インタール単独での気管支ぜんそくへの有効性は不十分とされる報告(Inhaled sodium cromoglycate for asthma in children.)もあり、単独で使われることは少なくなっています。
※全く効果がないとされているわけではありません。
最近は、インタールやクロモグリク酸Na吸入液は、メプチン吸入液と混ぜて使用されるケースが多いように思います。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液の使い方【メプチンと混ぜることも多い】
インタール・クロモグリク酸Na吸入液を使う場合には、ネブライザーという医療機器が必要になります。
ネブライザーについて、詳しくは>>>【ネブライザー(吸入器)の種類と比較】 にまとめています。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液は、毎回新しくあけたアンプルを使って、ネブライザーから噴霧されなくなるまで吸入してください。
アンプルやネブライザーに液が残っていても再利用しないようにしてください。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液はメプチン吸入液と混ぜて使用することが多いです。
たまに「入れる順番に決まりがありますか?」と聞かれることがありますが、どちらを先に入れても良いです。
メプチン吸入液については>>>メプチンの注意点や動悸や手のふるえなどの副作用をご覧ください。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液の副作用
総症例327例中4例(1.2%)に副作用が認められ、主な副作用は咽頭刺激感4件(1.2%)であった。
参考:インタール吸入液添付文書
喉の刺激感以外にも、発疹、吐き気なども報告されていますが、いずれも頻度は低いです。
重大な副作用として、気管支痙攣、PIE 症候群、アナフィラキシー様症状も報告されていますが、いずれも0.1%未満とされています。
明らかな体調変化がある場合は、すぐに使用を中止して病院に相談するようにしてください。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液の使用期限はわかる?
インタールを使用されている患者さんから、手持ちのインタールの使用期限を聞かれることがあります。
インタール吸入液には使用期限が書いてありません。
有効期限は作られてから3年ですが、調剤された時点の期限はわからないため、あまり古いものは処分したほうが良いかもしれません。
どうしても確認したい場合は商品のロット番号(吸入液を見ればわかります)を調剤してもらった薬局に伝えれば、過去の納入データから、期限を伝えることは可能なはずです。
調剤された薬局や病院に相談するようにしてください。
ジェネリックのクロモグリク酸Na吸入液吸入液は期限が一本づつ付いているので、アンプルを見てもらえれば期限がわかります。
ジェネリックを毛嫌いされるケースもありますが、このようなメリットがあるケースもあります。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液吸入液について【まとめ】
- 気管支ぜんそくなどに使われるが、単独で使われることは多くない
- メプチン吸入液に混ぜて使われることも多い
- 副作用頻度は低い
- インタール吸入液の使用期限は調剤された薬局に確認。クロモグリク酸Na吸入液は書いてある。
インタール・クロモグリク酸Na吸入液はぜんそくのお子さんなら使用することも多い薬です。
心配なく使えるようにしておきましょう。
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