ヒルドイドとジェネリックの種類一覧と使用感の比較【市販薬もあります】

ヒルドイドとジェネリックの種類と使用感の比較【泡(フォーム)タイプもあり|市販薬】

ヒルドイドシリーズ、およびそのジェネリック医薬品は子どもの乾燥肌などの肌トラブルにも広く使われる塗り薬です。

しかし、ヒルドイドシリーズは種類も多く、使用感なども製品毎に異なります。

さらにジェネリックにも特徴的な製品が多いので、「ヒルドイド(及びそのジェネリック)」と一言で言っても全然違う見た目や使用感のものも多いです。

 

ヒルドイドとそのジェネリックであるヘパリン類似物質の種類の一覧と使用感などをまとめました。

ヒルドイドとジェネリックの種類一覧と使用感比較

ヒルドイド(ヘパリン類似物質)の種類はたくさんありますが、3種類以上使ったことがある人はあまり多くないと思います。

私が勤務する薬局は皮膚科の患者さんも多いので、ヒルドイドとそのジェネリックのうち、かなり多くの種類を実際に使ったことがあります。

 

一般的なヒルドイドの分類だけでは不十分なので、勝手にタイプ分けしていきます。

ヒルドイドクリーム、ヘパリン類似物質クリームの使用感【クリームタイプその1

塗り伸ばしやすいですが、一部匂いが気になる製品もあります。

ベタつく感じは少しだけ残ります。

クリームタイプその2のほうが多く使われている印象です。

ヒルドイドソフト軟膏、ヘパリン類似物質油性クリームの使用感【クリームタイプその2

塗り伸ばしやすく、匂いも気になりません。

保湿感は強いですが、ベタつく感じが一番残るタイプです。

どちらかと言えば、夏場よりも冬場の方が使いやすい印象です。

ヒルドイドローションの使用感【乳液タイプ

上記2種類のクリームタイプより塗り伸ばしやすく、乳液や日焼け止めみたいな質感です。

ベタつきはあまり残りません。

個人的にはオールシーズン使いやすい使用感だと思っています。

 

ジェネリックのヘパリン類似物質ローション「ラクール」も比較的似たような使用感ですが、ちょっと匂いが気になります。

加えて言えば、クリームタイプのような容器を採用しているので、見た目も少し違和感があります。

ヘパリン類似物質ローションの使用感【化粧水タイプ

ヘパリン類似物質ローションの中で、「ラクール」だけはヒルドイドローションのような乳液タイプですが、そのほかの製剤は化粧水のような質感です。

伸びがよくベタつきもほとんど残らずさっぱりと使えます。

ヒルドイドローションのジェネリックという扱いの製品ですが、個人的には全く別物として扱ったほうが良いものだと考えています。

※どちらが良いというわけではなく、使い分けるべき製品だという認識です。

ヘパリン類似物質スプレーの使用感【化粧水スプレータイプ

化粧水タイプをスプレーして使えるように設計されています。

シュッシュと数回プッシュしてさっと全身に塗り拡げられます。

化粧水タイプよりもこぼしにくいので使いやすい印象です。

以前に某テレビ番組で乾燥肌芸人さんが、使いやすいので持ち歩いていると言っていました。

ヘパリン類似物質外用泡状スプレーの使用感【泡スプレータイプ】

少しべたつき感も残る泡で出てくるスプレーです。

べたつきを感じる製品のなかでは最も塗り伸ばしがしやすく使い心地も良いと個人的には感じます。

 

縦型スプレータイプの100g容器と、泡ハンドソープのような置き型の200g容器があります。

置き型容器の使いやすさは画期的だと感じます。

ヒルドイドフォームの使用感【フォームタイプ】

油分を含まないさっぱりとした使用感で、きめ細かい泡が特徴です。

泡スプレータイプよりも泡がしっかりとしていて少しひんやりします。

 

全シリーズの中で唯一のLPGガスを使用した商品なので、処分の際には容器内のガス抜きが必要になったり、プラスチックとアルミ製なので分別も手間かもしれません。

【番外編】ヒルドイドゲル【保湿剤ではありません】

ヒルドイドゲルは基本的には保湿剤としては使われず、打撲や捻挫などへの使用がメインになります。

「ヒルドイド」シリーズの中でこれだけの特徴です。

これは使ったことがないので、使用感はわかりません。

ヒルドイドシリーズの使いやすさ【数値化して一覧表にしました】

個人的に重視するポイントは以下の4点です。

  • 保湿感
  • 延ばしやすさ
  • 使いやすさ
  • 持ち運び(気にならない人多いかも)

個人的な評価ですが、それぞれ数値化して表にしてみました。

保湿感延ばし
やすさ
使い
やすさ
持ち
運び
総合評価
ヒルドイド
クリームなど
333314
ヒルドイド
ソフト軟膏など
523515
ヒルドイド
ローション
334515
ヘパリン類似物質
ローション
253414
ヘパリン類似物質
スプレー
254314
ヘパリン類似物質
泡状スプレー
445215
ヒルドイド
フォーム 
344213

※持ち運びの項目については、それぞれの最少包装のサイズで評価しています。

 

総合評価としては、どれもそこまで差がでませんでしたが、ヒルドイドソフト軟膏とヘパリン類似物質油性クリーム、ヒルドイドローション、ヘパリン類似物質泡状スプレーがわずかに高くなりました。

※あくまで私の評価です。

4項目のうち何を最も優先するのかで、最も使いやすく感じる製品が異なると思います。

 

使用感だけで言えば、夏場には化粧水タイプ、冬場にはクリームタイプ、オールシーズンならローションタイプや泡タイプなどが使いやすいのではないかと思います。

 

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【ヒルドイドの市販薬】ヒルメナイド油性クリームやヘパドロイド油性クリームなど

ドラッグストアのマツモトキヨシで【ヒルメナイド油性クリーム】が発売になっています。

ヒルドイドと同じ主成分の、ヘパリン類似物質を同じ割合含有している商品です。

多少硬めな塗り心地のようですが、狭い範囲での使用であれば気にならないでしょう。

マツモトキヨシオンラインストア ヒルメナイド油性クリーム 50gから購入が可能です。

あまりの人気のために、発売当初は売り切れが続いていました。

 

他にもドラえもんのパッケージの商品などあります。

こちらは同じ量で値段も安いですし、パッケージもかわいいですね。

ヒルドイドの使い方と、化粧水や乳液との塗る順番

ヒルドイドを塗る際には、少しベタッとするぐらい塗るようにしましょう。

ティッシュがヒルドイドを塗った肌にくっつくぐらいが塗るのが目安です。

 

皮膚のしわに沿って塗るとムラなく塗ることが出来ます。

保湿剤はお風呂上り5分以内に塗った方が効果的とも言われていますが、必死になってまで5分以内に塗る必要はないと考えています。

 

顔に使う場合、化粧水や乳液との順番は基本的に以下のような順番で問題ないと考えます。

  1. 化粧水
  2. 乳液
  3. ヒルドイド

 

なお、ヒルドイドには皮膚血流量増加効果があるため、皮膚の赤みの原因になることも考えられます。

基本的には問題なく使えると考えていますが、気になる方は顔への使用を避けても良いでしょう。

ちなみに、私やうちの子たちは問題なく使えてます。

ヒルドイドの美容目的使用の効果は?【シミや色素沈着】

ヒルドイドの美容効果を目的としたデータは残念ながら特にありません。
シミや色素沈着への効果を示す明確なデータもありません。
いわゆる「口コミ」で広がっているものです。
そもそも、医療用のヒルドイドは美容目的で使うものではありません。
美容目的で使いたいのであれば、市販薬を購入して使うようにしましょう。
医療費抑制にご協力ください。

ヒルドイドの比較と使用感【まとめ】

塗り薬は個人の使用感の感覚による評価の違いがとても大きいです。
可能であれば、順番にヒルドイド全種類使ってみても良いかもしれません。

 

保湿剤はヒルドイド以外にもいろいろあります。市販の薬を使うのも悪くありませんよ。

子どもにとっても保湿はとても大切です。

肌トラブルなどで皮膚のバリア機能が低くなると、アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの原因となる可能性もあります。

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保湿剤としては、ワセリンも広く使われています。

ヒルドイドよりもべたつきは強いですが、色々な用途で使えるのはメリットです。

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皮膚の状態によっては、保湿剤に加えてステロイドの塗り薬が処方されることもあるかと思います。

ステロイドの塗り薬は適切に使えていれば、飲み薬のような副作用が起こることはまずありません。

しっかり区別することが大切です。

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子どもの薬の使い方全般についてはこちらの記事でまとめています。