アラミスト点鼻液の使い方や注意点、副作用など【何歳から使える?】

アラミスト点鼻液の使い方や注意点、副作用など【何歳から使える?】

2歳から使われることのある、アラミスト点鼻液の使い方などについてまとめます。

1日1回の使用で良いですが、刺激感があるので子どもが嫌がることもあります。

アラミスト点鼻液の使い方と注意点【2歳から使えるが…】

アラミスト点鼻液は、アレルギー性鼻炎に適応のある点鼻薬です。

海外でも使用されており、アメリカではすでに一般用医薬品として販売されています。

日本でも一部の点鼻ステロイドは一般用医薬品となっています。

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アラミスト点鼻液には、56噴霧用と120噴霧用があり、成人には両鼻に1回2噴霧、子どもには1回1噴霧を1日1回使用します。

添付文書上、アラミストは2歳以上に使用出来ることになっていますが、刺激感などがあり使用を嫌がられることもあります。

1日1回タイプの点鼻液は現時点ではアラミストだけです。

 

フルナーゼ点鼻液(1日2回、1回1噴霧)との比較により、非劣勢(効果が劣っていないこと)が検証されています。

両鼻に一日2噴霧するのは変わりませんが、噴霧タイミングが1日1回(朝でも夜でも)か1日2回(朝夜など)では、使いやすさが異なります。

 

また、フルナーゼよりも匂いや液だれが少ないという報告もあります(比較したことはありません)。

フルナーゼ点鼻液の成分名はフルチカゾンプロピオン酸エステル、
アラミスト点鼻液の成分名はフルチカゾンフランカルボン酸エステルです。
プロピオン酸とフランカルボン酸の違いで、効果時間などに違いがあります。

国内において季節性アレルギー性鼻炎を対象として、本剤(110µg/日、1 日 1 回)、フルチカゾンプロピオン酸エステル(FP、200µg/日、1 日 2 回)又はプラセボを 2 週間投与する比較試験を実施した。その結果、3 鼻症状合計スコア平均の変化量(調整済み平均値)は、本剤 110µg 群で-1.23、FP 200µg 群で-1.06 であり、本剤の FP に対する非劣性が検証された。
参考:アラミストインタビューフォーム

 

アラミスト点鼻 使い方
アラミストの点鼻方法はとても簡単で、使用前に縦報告によく振ってから、鼻の穴に容器の先端を入れてレバーを押すだけです。

ただし、未開封の新しい容器を使用する場合、5日以上フタが外れていた場合、30日以上使用していなかった場合は6回程度空噴霧をして、霧状に噴霧出来ることを確認してから使用するようにしてください。

 

アラミスト点鼻液には、目にも効果的との報告もあります。
参考:Optimal dose selection of fluticasone furoate nasal spray for the treatment of seasonal allergic rhinitis in adults and adolescents.

個人的には、他の点鼻ステロイドもある程度効果はあると思っていますが、アラミストがより効果的なのかもしれません。

アラミスト点鼻液の副作用

副作用
成人:通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした臨床試験(2 週間投与)において、80 例中 6 例(7.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告され、その主なものは血中コルチゾール減少 2 例(2.5%)であった。また、12 週間投与した長期試験において、65 例中 1 例(1.5%)に臨床検査値異常を含む副作用として白血球数増加 1 例(1.5%)が報告された(承認時)。
季節性アレルギー性鼻炎患者を対象とした臨床試験(2 週間投与)において、149 例中 9 例(6.0%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告され、その主なものは白血球数増加 2 例(1.3%)であった(承認時)。
アレルギー性鼻炎患者を対象とした使用成績調査 1592 例中 9 例(0.6%)に副作用が報告された。その主なものは鼻出血 3 例(0.2%)であった(第 6 回安全性定期報告時)。
小児:通年性アレルギー性鼻炎患者を対象とした臨床試験(2 週間投与)において、131 例中 1 例(0.7%)に鼻部不快感が報告された。また、12 週間投与した長期試験において、61 例中 1 例(1.6%)に発声障害が報告された(承認時)。
参考:アラミストインタビューフォーム

短期間適正に使用している限りは大きな問題になることは少ないと考えます。

アラミスト点鼻液の成長への影響

飲み薬のステロイドを成長期の子どもが継続した場合、成長に影響が出ることがわかっています。

点眼薬、点鼻薬、吸入薬などでも、飲み薬のステロイドと比較するとかなり少ない量ではありますが、血液中にステロイドが届きます。

そのため、かなり現敵的ではありますが、成長への影響が出る可能性があります。

 

それを知って、急に薬を中止してしまう事がありますが、症状が急に悪化する恐れなどもあるので自己判断での中止は絶対にやめてください。

必要な薬を急に中止しないように、あえて書いています。

 

アラミストの成長への影響に関する海外データには、思春期前の子どもに大人量を1年間続けた結果、プラセボと比較して-0.27cm/年となっています。

海外において思春期前の小児の通年性アレルギー性鼻炎を対象として、本剤(110µg/日注 1)、1 日 1 回)の成長に対する影響を検討することを目的とした二重盲検比較試験を実施した(投与期間:52 週間)。投与 52 週後における成長速度(cm/年)のベースラインからの変化量は、本剤 110µg 群で-0.534、プラセボ群で-0.287、群間差[95%信頼区間]は-0.270[-0.48, -0.06]であり、群間差の 95%信頼区間は、事前に規定した値(0.5cm)の範囲内であった。
注 1)国内で承認されている小児の用量は 55µg/日(1 日 1 回)である。
参考:アラミストインタビューフォーム

このデータでは、通常量の2倍アラミストを使っているので、実際の影響はさらに少ないと考えています。

また、別途紹介する予定ですが、アラミストは点鼻ステロイドの中でも、血液中への到達がかなり少ない部類と言えます。

 

私個人の意見としても、子どもが花粉症などのアレルギーで辛そうなら、数か月程度の点鼻ステロイドの使用を控えようとはまったく思いません。

 

どんな薬でも同じですが、無用に長期間使用するのは避けたほうが良いです。

医師の指示に従って、適切に薬を使うようにしてください。

 

以下の記事で、他の点鼻ステロイドと比較しています。

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