皆さんは【エピペン】ってご存知ですか?
アナフィラキシーショックという重篤なアレルギーが起きた時に使う注射タイプの薬で、知らないだけで身近に持っているお子さんもおられると思います。
実は身近にあるけど、知らない人は全然知らないアナフィラキシーとエピペンについて簡単にまとめました。
アナフィラキシーってなに?
アナフィラキシーとは、アレルゲンに触れた時に起こる時に起こる、全身性の急激なアレルギー反応です。
- 皮膚症状(痒み、じんましんなど)
- 消化器症状(嘔吐、腹痛など)
- 呼吸器症状(苦しい、咳など)
これらの症状などが急激に、場合によっては同時に起こります。
その中でも、命に関わるようなショック状態(血圧の低下や意識が不明瞭になるなど)になることを、アナフィラキシーショックと言います。
通常アナフィラキシーは、初めてアレルゲンに触れたときには起こらず、2回目以降に触れた時に注意が必要です。
アナフィラキシーの原因は?
- 食物アレルギー
- ハチやクラゲなどに刺されたとき
- 薬によるもの
アナフィラキシーの原因には上記のようなものがあります。
順番に説明していきます。
食物アレルギー
鶏卵、牛乳、小麦が三大アレルゲンと言われます。
特に小さいお子さんの食物アレルギーの原因として見かけることが多いものです。
また、食物アレルギーの場合は、通常は問題ない食品だとしても、食後2時間以内に激しい運動をするとアナフィラキシーになることがあります。
これを「食物依存性運動誘発アナフィラキシー」と言います。
小さい子を見かけると食べ物をくれる高齢の方がいますが、場合によっては最悪の事態になる可能性があることは知っておいていただきたいです。
皆さんは、あげるのも、もらうのも注意するようにしましょう。
意外なものでもアレルギーの原因になることがあります。
自分が食べれるものはみんな食べれるとは絶対に思わないでください。
赤ちゃん用のおやつでもアレルギーの原因になるものもたくさんありますからね。
ハチやクラゲなどに刺されたとき
通常アナフィラキシーは2回目以降に接触した時に起こると前述しましたが、ハチは例外です。
ハチの場合は1回目でもアナフィラキシーが起こることがあるそうです。
ハチには過剰に反応するぐらいでちょうど良いかもしれませんね。
ハチに刺された場合は、近くに巣があるかもしれないのでその現場から速やかに離れてから、刺されたところを流水で流してください。
針が残っていたらそっと抜いてから、毒を押し出しましょう。この時も流水で流しながらにしましょう。
少し様子を見た上で、アナフィラキシーの疑いがなければ必ずしも受診しなくても大丈夫です。
薬によるもの
最近使い始めた薬などがある時は薬が原因の可能性も否定できません。
初めてだと思っている薬でも、過去に違う名前で同じ成分の薬を飲んだことがあるかもしれませんので、ご注意ください。
抗生物質や、解熱鎮痛剤が原因のアナフィラキシーが多い印象です。
続いて、エピペンの使い方を解説します。
エピペンの使い方 →使い方は簡単で、本体にも書いてあります。
エピペンはアナフィラキシー症状があらわれたときに、一時的にショック症状を抑えるためのアドレナリン自己注射薬です。
アナフィラキシーを根本的に治療するものではありません。
詳しい使い方は公式HPにかなり詳しく書いてあります。
簡易的に大事なところだけ説明しますね。
- エピペンのハードケースからエピペンを取り出し、青い安全キャップを外して下さい。
- 太ももの前外側に垂直にオレンジ色のニードルカバーの先端を「カチッ」と音がするまで強く数秒間押し続けてから外してください。
- ちゃんと打てたかどうかの確認ために、オレンジ色のニードルカバーが伸びていることを確認してください。
以上の3ステップです。とても簡単ですよね?

使用後のエピペンは、オレンジ色の部分がもっと飛び出して、ハードケースのふたが閉まらなくなるので、未使用だと見た目でもわかります。

エピペンのハードカバーを外して、青い安全キャップを取った状態です。
この状態でオレンジ色の部分を強く押すと薬液が出ますので、慎重に取り扱ってください。

打ち終わった後のエピペンです。
オレンジ色の部分が大きく飛び出しているのがわかります。
中の薬液は2mL中0.3mLしか出ないので、1.7mLはエピペン内に残ります。
再度の注射は出来ません。

たったこれだけの作業で人一人の命が救えるかもしれません。
あとは救急車を呼ぶだけです。
エピペンを打てる人は限られますが、誰にでも手伝いは出来ます。
残念ながらルール上は、エピペンを打てる人は限られています。
打っていいのは、本人、医師、救急救命士、家族、そして学校などでは先生です。
ただ、あなたも打つ手伝いをすることは可能です。
初めての事は勇気が出ないかもしれませんが、エピペンが簡単だと知っているだけでハードルも下がります。
今回の記事でハードルを下げる結果となっていれば嬉しいです。
私なら眼の前でアナフィラキシーになった人がエピペンを打ちたそうにしていたら手伝います。
場合によっては打ってあげるでしょう(前述のように許されてはいません)。
AEDは正しくセットしたら使うかどうかの判斷をAED自体がしてくれるので通りすがりの人でも使えて、エピペンは判斷が出来ないから使えない。ってことでしょう。
手伝いだけでも良いので、尻込みせずに行動しましょう!!