エピナスチン(アレジオン)ドライシロップの味・眠気などの副作用について

エピナスチン(アレジオン)ドライシロップの味・眠気などの副作用について

エピナスチン(アレジオン)のドライシロップは子どもにも使うことのある抗ヒスタミン薬です。

子どもに1日1回で使える抗ヒスタミン薬は貴重ですので、使用されることがありますが、苦味が目立つ薬でもあります。

エピナスチンの使い方や注意点についてまとめます。

エピナスチンの味や特徴と使い方

エピナスチンはアレルギー性鼻炎や、蕁麻疹を含めた皮膚疾患、ぜんそくなどに使われる薬です。

 

ただし、子ども用のドライシロップにはぜんそくの適応はありませんので、ご注意ください。

添付文書にも、「小児気管支喘息に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない。」との記載もあります。

また、病気によって量が変わりますので注意して下さい。

エピナスチンの用法・用量 病気によって量が変わります。

アレルギー性鼻炎
小児通常1日1回 0.025~0.05 g/kg (エピナスチン塩酸塩として 0.25~0.5 mg/kg)
目安3歳以上7歳未満(14 kg 以上 24 kg 未満)
7歳以上(24 kg 以上)
成人1日1回10~20mg
皮膚疾患、気管支ぜんそく(気管支ぜんそくの適応は大人のみ)
小児通常1日1回 0.05 g/kg (エピナスチン塩酸塩として 0.25~0.5 mg/kg)
目安3歳以上7歳未満(14 kg 以上 24 kg 未満)
7歳以上(24 kg 以上)
成人1日1回10~20mg

エピナスチンの味と特徴:1日1回【ドライシロップは苦いです】

エピナスチンの特徴として、子どもでも1日1回で効果が続くことが挙げられます。

大人に使える抗ヒスタミン薬には、他にも1日1回タイプも多いですが、子どもにも使える薬としては少ないです。

その他にはロラタジン(クラリチン)が3歳から1日1回で使えます。

 

後述しますが、副作用や相互作用も少なく、比較的使いやすい抗ヒスタミン薬という印象を個人的には感じています。

副作用として眠気も報告されており、運転等への注意も必要ですが、眠気の頻度はそこまで高くありません。

抗コリン作用も比較的出にくいとされています。

 

しかし、ドライシロップは苦味が強いという特徴もあります。

アレジオンドライシロップは苦みが目立ちますが、ジェネリックはそこまで苦くないものもあります。

エピナスチン「サワイ」は比較的おいしく作られている印象ですが、それでも苦味を隠しきれてはいません。

 

眠気がより出ないものを選択したいのであれば、フェキソフェナジン(アレグラ)がベターだと思います。

エピナスチンには市販薬もあります

市販薬もあるのでセルフメディケーションにも活用可能です。

市販のアレジオンは15歳以上限定とされています。

 

眠気がより出ないとされるアレグラにも市販薬があります。

エピナスチンの眠気などの副作用

臨床試験での調査例 519 例中副作用が報告された症例は 39 例 (7.51%) であった。主な副作用は眠気 15 件 (2.89%) 等であった。
使用成績調査ならびに特定使用成績調査 (小児蕁麻疹を有する患者に対する調査) での調査例3,328例中副作用が報告された症例は 28例 (0.84%) であった。主な副作用は眠気 3件 (0.09%),にがみ 3 件 (0.09%),嘔気 3 件 (0.09%) 等であった。15 歳未満の安全性集計対象は 3,306 例であり,年齢区分別の副作用発現頻度は,1 歳未満で 42 例中 0 例 (0.00%),1 歳以上 2 歳未満で 94 例中 1 例 (1.06%),2 歳以上 3 歳未満で 158 例中 2 例 (1.27%),3 歳以上 8 歳未満で 2,399例中 15 例 (0.63%) 8 歳以上 15 歳未満が 613 例中 10 例 (1.63%)であった。(再審査終了時)
引用:アレジオンDS1%添付文書

アレジオン®錠について,臨床試験及び市販後の使用成績調査での調査症例 8,443 例中副作用が報告された症例は 263 例(3.12%)であった。主な副作用は眠気 102 件(1.21%),口渇 28 件(0.33%),倦怠感 27 件(0.32%),胃部不快感17 件(0.20%),嘔気 15 件(0.18%)等であった。また,臨床検査値においては特に一定の傾向を示す変動は認められていない(再審査終了時)。
引用:アレジオン錠添付文書

エピナスチンの副作用として、眠気や口の渇き、吐き気などが出やすそうです。

「にがみ」はドライシロップで多く出ていますが、ドライシロップ自体が苦いので、目立つのでしょう。

1歳未満での使用例もありますが、「低出生体重児,新生児,乳児に対する安全性は確立していない。」とされているので、1歳未満への使用は限定的だと思います。

 

抗ヒスタミン薬の中では、眠気は比較的出にくい薬とされていますが、運転などには注意するように記載があります。

お子さんに使う場合も、少し気にしてあげるようにしましょう。

エピナスチンの食事の影響

健康成人男子 16 名に,アレジオン®錠 20 mg を空腹時または食後に経口投与したとき,血漿中濃度は,両投与でともに投与後約 3 時間で最大値に達し,以後減衰した。食後投与での Cmaxは空腹時投与の約 67%に低下し,AUC は約 62%に減少した 。
引用:アレジオン錠インタビューフォーム

空腹時と比較すると、食後の方が効果が落ちると報告されています。

添付文書の用法・用量の項目には、食後や寝る前などの記載がありません。

 

しかし、その他の注意に以下のように記載があります。

気管支喘息及びアレルギー性鼻炎に対しては就寝前投与、蕁麻疹、湿疹・皮膚炎、皮膚瘙痒症、痒疹、瘙痒を伴う尋常性乾癬に対しては食後投与で有効性及び安全性が確認されている。

病名に応じて用法を変えるのが基本となりそうですが、現場ではあまり考慮されていないように感じます。

エピナスチンの相互作用

アレジオンは、添付文書上は、他の薬との【併用注意】がありません。

しかし、他の薬と混ぜると含量が低下するものがあるので、分包するときは単独で分包が基本となります。

本剤は,他剤と配合した場合に,本剤の含量低下等の変化が認められているので,原則として他剤との配合は行わないこと。
引用:アレジオンドライシロップ添付文書

 

以下の表は、エピナスチンドライシロップと配合直後に変化があったもの、および測定不可のものを抜き出したものです。

これらの薬とは、飲む直前でも混ぜないほうが良いでしょう。

同時に処方されそうな薬はそう多くないと考えます。

 

もし混ぜない方が良いものが処方されていたとしても、病院や薬局で薬をもらうときに注意してもらえると思います。

表(クリックで開きます)
試験の状態配合薬剤直後のエピナスチンの定量
液体オラスポアドライシロップ90.3
固体オラスポアドライシロップ91
液体ザジテンシロップ111.2
液体ザジテンドライシロップ105.5
固体ザジテンドライシロップ105.5
液体ジョサマイシロップ74.6
液体テオドールシロップ87.2
液体パナシッドシロップ34.3
液体バナンドライシロップ87.5
固体バナンドライシロップ88.2
液体ファンギゾンシロップ88.6
液体ブロチンシロップ40.2
液体ベネンシロップ128.6
液体ポンタールシロップ72.2
液体リカマイシンドライシロップ20086.7
固体リカマイシンドライシロップ20086.7
液体リザベンドライシロップ83.7
固体リザベンドライシロップ83.7

 

エピナスチンは抗ヒスタミン薬のなかでも、子どもにも使われることの多い薬です。

頻度は高くありませんが、眠気などの副作用に注意して、適切に使うようにしましょう。