個人的に子どもに使えるようになってほしいステロイド点鼻薬の「エリザス点鼻」の紹介です。
現在子どもに使えるステロイドの点鼻薬は、匂いや刺激感が気になるものが多く、子どもが嫌がることが多いです。
しかし、エリザスは製品の特性上、それらの不快症状が少ないため、子どもにも使いやすいと考えています。
※現時点でエリザスを子どもに使うのは、適応外の使用になり(使っているところはあるかもしれません)、適切な量もわかりませんので、推奨するつもりはありません。
エリザス点鼻の特徴【パウダータイプで刺激が少ない】
ステロイドの点鼻薬は、アレルギーの季節の鼻炎の改善など広く使われています。
多くのアレルギーを抑える飲み薬と違い、眠気の副作用は気にする必要がありませんし、鼻炎への効果も十分です。
ほとんどのステロイド点鼻薬は、液体を鼻にスプレーのように噴射して使いますが、特徴として「塩化ベンザルコニウム」などの添加物が含まれています。
塩化ベンザルコニウムには独特の匂いや刺激感があるので、点鼻薬を嫌がる要因になることがあります。
残念ながら、子どもに使える(保険適応が通っている)ステロイドの点鼻薬は、すべて「塩化ベンザルコニウム」を含むものばかりです。
そのため、刺激性を感じるものしか選択肢がありません。
しかし、「エリザス点鼻」には、主成分以外には「乳糖」しか含まれていないので、他の点鼻薬のような不快症状は感じにくいです。
ちなみに、私は市販の点鼻薬も含めていくつか使ったことがありますが、他の点鼻薬は刺激感(痛みに近い)に加えてしみる感じがありますが、エリザスでは感じません。
また、液剤の点鼻をしたことがある方は経験があると思いますが、点鼻後、鼻から液がたれてきます。
私はあれがすごい苦手なので、それが無いのはとても良いです。
現状ではエリザス点鼻には子ども量の設定がなく、基本的には子どもには使えません。
ちなみに、多くの子どもでも使える点鼻薬は、子ども量を「大人の半分量」に設定しています(年齢制限もあります)。
エリザスの今の製剤では半分量に調節して使うことは現実的ではありません。
それもあって、今のままでは子どもに使えないでしょう。
刺激性が少ない点鼻薬は、子どもにとってもメリットが大きいと考えます。
小児用製剤の開発を期待しています。
子どもにも適応のあるパウダータイプの点鼻薬には、リノコート点鼻薬があります。
ちなみに…
海外での発売はなく、Dexamethasone cipecilate でPubMed検索しても、添付文書にも引用されている、プラセボと有効性を比較した報告一つしか出てきません。
他の点鼻薬と効果を比較した信頼性の高いデータはないので、効果の程度はわかりかねます。
個人的にはそんなに差を感じません。
エリザス点鼻の使い方【2種類あり】・副作用
子どもには使えませんが、簡単にエリザス点鼻の使い方なども説明しておきます。
エリザス点鼻には2種類の製剤があります。
- エリザスカプセル外用400μg
- エリザス点鼻粉末200μg 28噴霧用
エリザスカプセルの点鼻には、専用の点鼻容器(ツインライザー)が必要です。
ツインライザーの特徴として、【両鼻同時に噴霧】が出来ます。
とても便利ですが、ちょっと人前ではしたくないビジュアルになりそうです。
カプセルですが飲み薬ではないので、絶対に飲まないようにしてください。
エリザスカプセルの使い方の詳細は省きますが、カプセルを出し入れする手間もあり、使い勝手は正直良くなかったです。
その後、そのデメリットを解消するべく(かはわかりませんが)一つのデバイスのみで完結する、エリザス点鼻粉末が開発されました。
粉を点鼻するということもあり、点鼻の操作は、液体タイプの点鼻薬よりは手順を要しますが、そこまで面倒でもありません。
点鼻薬全般に言えることですが、しっかり鼻をかんでから使うようにしてください。
エリザス点鼻の副作用は、他の点鼻薬と比較して刺激感が少ないのが特徴です。
刺激感の要因となる「塩化ベンザルコニウム」が入っていないことが大きいと言えます。
しかし、唯一の添加物として「乳糖」が含まれているので、乳製品にアレルギーがある方には、念のため注意が必要です。
※乳製品にアレルギーがある方は絶対に使えないというわけでもありません。
製薬にはある程度添加物が必要となりますが、余計な添加物はできるだけ少ないほうが印象は良いですね。
エリザス点鼻は、添加物が乳糖のみと少なく、匂いや刺激などが抑えられています。
是非子どもでも使えるような製剤を開発していただきたいです。
以下の記事で他の点鼻ステロイドと比較しています。
点鼻ステロイドの子どもへの使用について、私見をまとめています。 「ステロイド」ということだけで、使用に抵抗感を感じられることもありますが、適切に使っている限り、飲み薬のステロイドのような全身性の副作用が出ることはま[…]