スピロペント(トニール)は何歳から使える?類似薬との違いは?【顆粒は発売終了】

スピロペント(トニール)は何歳から使える?類似薬との違いは?【顆粒は発売終了】

スピロペントは、主にぜんそく症状の悪化時などに短期間使う薬です。

以前は顆粒も発売されていましたが、需要の低下からか販売終了となっています。

 

そのため、子どもに使われる頻度は減っていますが、今でもスピロペント錠は使用されています。

また、時にぜんそく以外にも使用されることがあります。

スピロペント(トニール)は子どもに何歳から使える?

現在スピロペントの成分であるクレンブテロールを成分とする薬は以下の2種類のみです。

  • スピロペント錠10μg
  • トニール錠10μg

 

スピロペント細粒が販売されていた頃は、5歳以上を目安に使用されていました。

しかし、細粒が販売中止になった今、何歳ごろから使われるのでしょうか?

子どものぜんそくに使用する場合

ぜんそくや気管支炎などに使用される場合、5歳以上の子どもには「1回0.3μg/kgを1日2回、朝及び就寝前に経口投与」が基本となります。

そのため、1回1錠で飲めるのは、ざっと33kgほど体重がある子どもからになります。

体重33kgになるのは小学校の中~高学年ぐらいですので、目安としては10歳ごろから使えるといえます。

 

もちろん、錠剤を半分にすれば体重16.5kg程度から、粉砕調剤すれば5歳からでも可能ですが、類似薬のツロブテロールやプロカテロールには粉薬もあることから、そちらが優先されると思います。

 

類似薬とスピロペントはどのような違いがあるのでしょうか?

ざっと比較すると以下のように、スピロペント(クレンブテロール)は長時間効果が続く可能性があります。
※実感できる程度に差があるのかはなんとも言えません。

経口β2刺激薬の比較

一方で、スピロペントには、類似薬にはない使われ方をすることもあります。

中~高齢者の腹圧性尿失禁に使用されることもある

ぜんそくなどに使用されるスピロペントですが、腹圧性尿失禁に使用されることもあります。

スピロペントには膀胱を広げたり、尿道の筋肉を引き締める働きがあるとして、尿失禁ガイドラインでも根拠は低いながらも有効とされています。

 

膀胱を広げておいたり、尿道の筋肉をしめる作用があり、これらにより腹圧性の尿失禁を予防します。

腹圧性尿失禁は中高年の女性に多いとされるので、子どもにその目的で使用されることはあまりないでしょう。

スピロペントの副作用・併用注意薬

スピロペントの副作用は、以下のように報告されています。

効能・効果が気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解では、スピロペント錠承認時、効能・効果追加承認時、スピロペント顆粒承認時及び使用成績調査における安全性評価対象13,517例中499例(3.7%)に624件の副作用が認められた。主な症状は振戦270件(2.0%)、動悸158件(1.2%)等であり、副作用とされた臨床検査値の変動は、AST(GOT)上昇 3 件(0.02%)、ALT(GPT)上昇 3 件(0.02%)等であった。(再審査終了時)
効能・効果が腹圧性尿失禁では、スピロペント錠承認時、スピロペント顆粒承認時及び使用成績調査における安全性評価対象2,674例中265例(9.9%)に352件の副作用が認められた。主な症状は振戦96件(3.6%)、腹痛24件(0.9%)等であり、副作用とされた臨床検査値の変動は血圧上昇 6 件(0.2%)、AST(GOT)上昇 3 件(0.1%)等であった。(再審査終了時)

 

類似薬(経口β2刺激薬)と同様に、振戦(手足の震え)や動悸などの報告が多いです。

実際に使用されている方からも、相談されることが多い副作用に感じます。

類似薬と違う点として、腹圧性尿失禁にも使われることから「下部尿路が閉塞している患者」には禁忌とされています。

 

また、過度に使用することで不整脈などの恐れや、血清カリウム値の低下などの報告もあります。

子どものぜんそく治療の場合、基本的には短期間使用が多いです。

医師から指示された以上の量を使用しないように注意してください。

 

相互作用に注意すべき併用薬は以下の通り。

  • カテコールアミン製剤(アドレナリン・イソプロテレノール等)
  • キサンチン誘導体(テオフィリン等)
  • ステロイド剤(ベタメタゾン等)
  • 利尿薬(フロセミド等)

カテコールアミン製剤は不整脈などのリスクを上げ、キサンチン誘導体・ステロイド剤・利尿薬などは血清カリウム値低下を増強させるリスクがあります。

 

ぜんそく治療においては、何に使う薬なのか、どんな時に使う薬なのかをはっきりと区別しておくことが重要です。

詳しくは以下の記事をごらんください。

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