子どもの肥満は将来の病気に関連【食事・運動・睡眠】で対策を

子どもの肥満は将来の肥満と病気に関連【食事・運動・睡眠】で対策を

幼児期の肥満は思春期の肥満と関連し、将来の2型糖尿病や動脈硬化、高血圧などのリスクを増やす傾向にあることがわかってきています。

それらの病気のリスクを増やすということは、関連する様々な病気を増やすリスクも上がるということに繋がります。

 

とはいえ、成長に伴って体重が増える事自体はまったく問題ありませんので、どの程度の肥満なのかが大切です。

子どもの肥満については、色々な観点から考えるべきです。

 

本当に対応が必要な人は専門医の指導に任せ、この記事では肥満への啓発と簡易的な説明をします。

子どもの肥満の基準

子どもが成長に伴って体重が増えることはもちろん良いことですが、「肥満」にはならないように注意が必要です。

子どもの肥満の判断は「標準体重」を指標に、肥満度が15%以上で肥満と判定されます。

大人は肥満の判定にBMIを用いますが、子どもは成長の過程でBMIでは判断出来ないことも多いです。

 

肥満度は標準体重がわからないと計算出来ないので、母子手帳の身長体重曲線(肥満度判定曲線)を見るのが早いでしょう。

母子手帳には大切な情報が詰まっているので大切に管理しましょう(大人になってから見返すこともあるほどです)。

肥満度15%を超える場合、一度小児科などで相談するようにしましょう。

 

もちろん、それ以下で肥満が気になる場合も、もちろん相談しても問題ありません。

相談するではないと考えるのであれば、肥満は生活習慣との関わりも大きいので【食事・運動・睡眠】を見直してみましょう。

肥満と食事【偏りを避ける|味付けや触感の工夫を】

当たり前ですが、食べ過ぎれば太りますし、肥満に繋がります。

しかし、子どもの場合は、お腹いっぱい食べても太らないことも多いです。

 

太る原因としては、食事の量ではなく以下のような食事の偏りが問題になることが多いでしょう。

  • おやつ・炭水化物・肉が多い
  • 品目数が少ない
  • 食物繊維が少ない

 

よく聞くのが、「好き嫌いが多い」と「おやつでお腹いっぱいになってご飯を食べない」です。

好き嫌いは子どもの個性によって異なりますし、対策も簡単ではありません。

味付けや食感を変えてみるのも手ですし、少し大きくなってきたら一緒に料理(皮むきやざく切りなど簡単なことから)をすることも効果が出ることもあります。

 

嫌いなものを無理矢理食べさせることは逆効果になることもあります。

食事中に集中力が続かない子の場合、テーブルと椅子の高さなどに問題があることも。

落ち着いて食事が出来るような環境も整えましょう。

 

小さい子には間食も大切ですが、おやつやジュースを子どもの欲しいだけあげるのはやめるようにしましょう。

満腹でご飯を食べなくなりますし、「ご飯を食べなくても後でおやつを食べれる」と考えてしまうと、少しでも嫌いなものは食べません。

 

また、保育園や学校などでは、好きな時間にご飯を食べれるわけでもありませんので、栄養不足にならないように家で朝食を食べておくことも大切です。

朝食を食べる余裕を作るためには、ある程度早起きも必要でしょうし、早起きをしつつ睡眠時間を確保するためには早寝も大切です。

 

これらの理由から、成長期の子どもに対しては、早寝早起きして3食食べるのが理想的だと考えています。

一汁三菜が良いなども言われますが、栄養バランスと品目数の確保が大切という前提を忘れなければ、気にしなくても良いと思っています。

外食も全てが悪いわけではありませんが、安価な外食で品目数が確保出来て栄養バランスが良いものはあまり多くはありません。

 

食事を改善するには手間もかかります。保護者の負担が大きすぎると上手く続きませんので、適度に手を抜くことも大切です。

 

ちなみに、離乳食の開始が早すぎることも肥満のリスクという報告があるため、離乳食の開始は生後4か月以降にするようにとされています。
※始めるのが遅すぎるのも良いとは言えません。

肥満と運動【自発的に楽しめる環境作り】

幼児期の運動には色々なメリットがありますが、その一つに肥満対策があります。

のびのびと運動出来る場所などは減ってきていますが、ある程度の運動時間は確保していただきたいと思います。

 

運動を増やすためには、「自発的に楽しんで運動する」環境を作ることが大切だと考えています。

同じことばかりでは飽きますし、無理をさせることも良くありません。

出来ないことや他の子と比べて遅れていることを否定するのは逆効果とされます。

出来ていることを褒めてあげるなど、楽しんで運動できるようにしてあげましょう。

 

お手本を見せながら一緒に楽しく遊んであげることも大切です。

一緒に遊ぶことで、体調の変化や周囲の危険に目を配ることも出来ます。

休憩や水分補給の時間などもこまめにとるようにしましょう。

短時間睡眠は肥満に関連【運動不足や食事の嗜好性の変化】

肥満と睡眠の関連は想像しにくいかもしれません。

むしろ寝てばっかりだと太る印象すらあるのではないでしょうか。

しかし、子どもの睡眠時間が短いことが肥満につながっていると可能性があります。

 

睡眠と体重について調べた36の報告をまとめたシステマティックレビューでは、子どもの睡眠時間が短いことは、現在と将来の肥満に関連していると報告しています。
Short sleep duration and weight gain: a systematic review.

 

日本でも1996年に富山県で6-7歳を対象に行われた調査でも、「就寝時間が遅いもしくは睡眠時間が短いことが子どもの肥満と関連している」ことがわかっています。

雑に説明すると、睡眠時間が10時間以上の子と比較して、9-10時間睡眠なら1.49倍、8-9時間なら1.89倍、8時間未満なら2.87倍肥満が多いと報告されています。
A dose-response relationship between short sleeping hours and childhood obesity: results of the Toyama Birth Cohort Study.

 

睡眠時間が短いことは、運動不足とも関連があるとされ、食事の嗜好性も変化させる(甘いものやしょっぱいものを好むようになる)などの報告もあります。

様々な要因が絡み合って影響を及ぼしていると考えられますが、子どもの睡眠時間と肥満は関連しています。

個人的には早寝早起きが必須だとは思いませんが、睡眠時間が短くならないようにすることや、朝食が食べれずに成長期の子どもが栄養不足になることには注意すべきと考えます。

 

寝付きが悪く睡眠不足になっているようであれば、睡眠前の行動の見直しなども大切です。

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例えば、就寝前にスマホなどを使用していることも寝付きの悪さに関連しています。

子どもの肥満と対策【将来の病気につながらないように】

幼児期の肥満は今後の肥満につながりやすく、将来の病気の発生とも関連しています。

簡潔にまとめると以下は肥満につながる可能性があるので、改善していきましょう。

  • 食事の偏りが多い
  • 運動不足
  • 睡眠不足

 

やれと言われて出来るようなら、きっとすでに出来ています。

出来るように保護者の方の協力も必要です。

また、アメリカの小児科学会は、運動不足や睡眠不足にも関連するので、2-5歳は電子メディアは質の高い内容のものを1日1時間までに制限することを推奨しています。

スマホを含む電子メディアについて、別記事にまとめました。

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忘れてはならないことですが、子どもは親を見て育ちます。

子どもにはやらせるけど親はやらない(またはその逆)では説得力がありません。

大人も一緒に取り組んでいただければと思います。