シロップ剤の誤飲情報を受けての対策などの私見【そもそもシロップである必要は?】

ザイザルシロップの誤飲情報

ザイザルシロップの誤飲により入院したケースを小児科学会が発表しました。

 

詳しい内容はこちら(外部リンク)をご覧いただきたいと思いますが、簡単に内容をまとめると以下の通り。

1歳児にザイザルシロップ7日分(5mL/日で35mL)が処方される
翌日、母親がザイザルシロップを適切な量飲ませた後、子どもが椅子に登れば届くテーブル(高さ約80cm)に薬の投薬瓶を短時間置いた。
子どもが突然咳き込んだので、見に行ったら25mLほどあったシロップが残り5mLになっていた。
子どもの目線が合わない、ふらつきがある、などの症状があり救急車を呼び医療機関に入院、入院4日目に退院しています。
※かなり端折っています。

 

現物とは異なりますが、投薬瓶は以下の商品のような、計量カップ付きのものだったようです。

シロップ剤の誤飲対策をどうするか

シロップ剤は甘みが強い薬が多いので誤飲しやすく、数日分が一つの容器にまとめて入っていることが多いので過量服用につながりやすい剤形だと思っています。

 

今回の件は、「短時間でも子どもの手の届くところに置きっぱなしにしたからダメだ!」という声も聞こえてきそうではあります。

それはごもっともな意見でして、私も患者さんに意識してもらうために、薬は子どもの手の届かないところで保管するように指導します。

ただ、私が投薬する範囲ではありますが、きっちり出来ている家庭はそこまで多くはないのかもしれません。

 

ちなみに我が家も、薬は高いところ(高さ約1.2m)に置いていますが、2歳児が椅子を持ってくれば届いてしまいます。

2歳ぐらいになると、どこだって開けれますし、椅子を持ってくれば少々高いぐらいでは手が届きます。

 

大人が踏み台に乗らないと届かないようなところに置けば届かないでしょうが、今度は大人も取るのが手間になります。

1日3回飲むような薬ならなおさらでしょう。

子どもが絶対に手が届かなくて、大人は容易に取れる場所なんて、なかなか無いのではとすら思います。

 

ある程度手間がかからないようにすることも大切だと考えます。

では出来ることは何かというと、子どもには開けにくい安全キャップ付きの投薬瓶を使う、そもそもシロップを使わない、などを思いつきました。

対策1:安全キャップ付きの投薬瓶

あまり使っている薬局は多くないと思いますが、安全キャップ付きの投薬瓶もあります。

今回使用されていた投薬瓶の倍、安価な投薬瓶の4倍ぐらいコストがかかるので、使用している薬局は少ないと思います。

 

ただ、安全キャップ付きの容器を使っていたら、今回の件は対策できたかもしれません。

安全キャップの投薬瓶で調剤してくれる薬局を選ぶというのも、薬局を選ぶ選択肢の一つかもしれませんね。

錠剤であれば、調剤にかかる時間も少なく済むし、容器代や目盛りに一回量を間違えないように線を引いたりする手間もかかりません。

錠剤とシロップでは調剤にかかる備品代が大きく変わります。

他にも理由はありますが、これらの理由により、小児科の調剤は利益が出ないと言われます。

医療費の増大が問題になっていますし、今後改善することもないでしょう。

費用が患者さんに請求しにくい投薬瓶などは、今後さらに安価なものを使うところが増えるのではないでしょうか。

もちろん、使いやすい容器を使うことで他薬局との差別化にもつながると思います。

対策2:極力シロップを使わない

そもそも、極力シロップを使わないことも対策になります。

小さい子どもが分包された粉薬を何包もあけて飲むことは考えにくいですし、数回分飲むには時間もかなりかかります。

対して、数日分のシロップ剤なら数秒で飲みきれます。

 

シロップ剤は衛生面の懸念もありますし、同成分の粉薬と比較して苦味がごまかしきれておらず美味しくないものもあります。
甘みはシロップのほうが強く感じると思いますが、苦味も強く感じるものが多いです。

 

小さいお子さんに薬を飲ませる場合、粉薬を水に溶かしてから飲むことも多いので、手間を減らせるというメリットもあります。

しかし、衛生面の懸念や味、今回のようなケースが起きてしまうデメリットを考慮すると、積極的にシロップを選ばなくてもと考えてしまいます。

 

もちろん、シロップしかない薬もありますし、「シロップしか飲めない」と言われるケースは良いと思います。

シロップ剤の衛生面の懸念などについては、以下の記事をご覧ください。

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今回の誤飲に対して、「シロップを選ばない」という選択肢もあったのではないでしょうか。

今回の場合は、フェキソフェナジンのドライシロップでも代用出来ると思います。

皆さんそれぞれ意見はあると思いますが、私見ということでご容赦ください。