リノコート(ベクロメタゾン):小児適応のある点鼻ステロイドで唯一のパウダータイプ

リノコートパウダースプレーと、そのジェネリックの紹介です。

使用頻度は高くない印象がありますが、子どもに使う点鼻薬としては一定の需要がありますので、その理由も紹介します。

リノコート(ベクロメタゾン)点鼻の特徴

ベクロメタゾンを主成分とする点鼻液もありますが、リノコートはベクロメタゾンの粉を点鼻するのが特徴です。

ベクロメタゾン点鼻液に対するリノコートのメリットとして、刺激性の改善と効果の継続があります。

 

多くの点鼻薬は液体タイプですが、添加物の問題で刺激性や匂いが気になるので使いにくいという意見もあります。

それもあって、液体タイプの点鼻液を嫌がるお子さんは一定数おられます。

 

リノコートはその問題点を解決しつつ、ヒドロキシプロピルセルロースを添加して鼻粘膜にアレルゲンがつきにくくする効果も期待できます。

1日2回の同成分の点鼻薬の中で、最小量の主成分で鼻症状を改善します。

 

リノコートには以下の2種類の製剤があります。

  1. リノコートカプセル鼻用50µg
  2. リノコートパウダースプレー鼻用25µg

ジェネリックがあるのはパウダースプレー製剤のベクロメタゾン鼻用パウダー25μg「トーワ」のみです。

「トーワ」のジェネリックも含めた、粉タイプの3種類の添加物は全て同一で、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸の3種類です。

 

添付文書上は、6歳から使えます。

ちなみに、液体タイプのジェネリックは何社か発売しています。

 

なお、ベクロメタゾン点鼻液は一般用医薬品としても発売されています。

一般用医薬品は、季節性アレルギー専用かつ、18歳以上専用となりますので、購入の際はご注意ください。

 

OTCの点鼻ステロイドを使う場合は、花粉症などの時期のみにするなど、ある程度使用期間を限定すべきと思います。

点鼻ステロイドの安全性が低いとは言えませんが、長期使う場合は受診するようにしてください。

リノコート(ベクロメタゾン)点鼻の使い方と副作用

リノコートの使い方ですが、患者指導箋にかなり詳しく書いてありますので、実際に使われる方はそちらを確認しながら使ってください。

こちらでは簡易的に説明します。

 

カプセル、パスダースプレーともに、1日2回朝、夜(起床時、就寝時)両鼻に噴霧します。

カプセルの方は、1カプセルで両鼻用です。

左右の鼻に交互に噴霧していくと、8回(片鼻4回ずつ)程度で吸いきれます。

 

リノコートカプセルを使用する場合は、専用の小型噴霧器「パブライザー」を使って点鼻する必要があります。

カプセルをそのまま飲み込んでも期待した効果は出ず、副作用リスクを挙げるだけなのでご注意ください。

 

カプセルは吸湿性が高いので、乾いた手で使用の直前にカプセルを取り出して使うようにしてください。

カプセル、パウダースプレーともに、6歳の子どもが一人で操作したら失敗しそうに感じます。

保護者の方が手伝ってあげたほうが良いでしょう。

リノコート(ベクロメタゾン)点鼻の副作用

リノコートの副作用として、添付文書には以下の記載があります。

承認時における安全性評価対象420例中11例(2.6%)に11件の副作用が認められ、主なものは鼻内刺激感2件(0.5%)、鼻内異物感1件(0.2%)、鼻閉感1件(0.2%)、嗅覚異常1件(0.2%)等の鼻腔系の症状であった。また、副作用とされた臨床検査値の変動は血清コルチゾール値の上昇1件(0.2%)のみであった。

 

点鼻薬の全身性への副作用は一般的に少ないとされているので、長期や大量に使用しない限りは、重大な副作用につながる可能性は低いでしょう。

ただし、同成分の点鼻液はアラミストナゾネックスよりも、成分が全身に移行しやすいという報告もあります。
参考:Safety of intranasal corticosteroids in acute rhinosinusitis.

 

また、リノコートは大人と子どもで使用量が同じですが、他の点鼻ステロイドは子ども量を大人量の半分と設定していることが多いです。

それを考慮してか、たまに子どもにリノコートを1日1回で処方しているのを見かけることがあります(本来は1日2回)。

 

適切に使用している以上は、心配しすぎる必要はないと考えています。

それでも、不要に長期間の使用とならないように、医師の指示通り使用するようにしてください。

 

点鼻ステロイドの子どもへの使用について、以下の記事にまとめています。

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