アジマイシン点眼液1%の用法・注意点など【海外の情報も参考にしています】

アジマイシン点眼液1%の用法・注意点など

2019年の8月移行に発売予定の、アジマイシン点眼の情報をまとめていきます。

まだ発売前で情報が少ないので、海外の商品の情報も含めてまとめますが、情報が増え次第追記していきます。

アジマイシン点眼液1%の用法や注意事項について

アジマイシン点眼はマクロライド系抗生物質のアジスロマイシンを主成分とした目薬です。

日本で現在使われている抗菌目薬は多くがニューキノロン系(クラビット点眼液など)ですので、新たな選択肢となります。

 

添付文書を見る限り、子どもへの使用は7歳以上の結膜炎にしか使えないようです。

後述しますが、アメリカで発売されている同成分の目薬は、1歳以上の結膜炎には使えるようですので、今後子どもへの使用範囲が拡大される可能性はあるかもしれません。

アジマイシン点眼液1%の用法・用量とメリット

用法・用量は適応(病名)により異なります。

〈結膜炎〉
通常、成人及び 7 歳以上の小児には、1回1 滴、1 日2回2 日間、その後、1日1回5 日間点眼する。
〈眼瞼炎、麦粒腫、涙嚢炎〉
通常、成人には、1回1 滴、1日2回2 日間、その後、1日1 回12日間点眼する。
引用:アジマイシン点眼添付文書

最初の2日間は1日2回ですが、その後は1日1回の点眼で効果が持続します。

他の抗菌の点眼薬と比較すると、点眼回数が少なくなる点は大きなメリットと感じます。

3日目から用法が変わるので、適切な指導に加え、藥袋にもわかりやすい工夫をしたいところです。

 

適切に目薬が使えていなければ、1日の使用回数が少ないことはデメリットにもなり得ます。

直前に別の目薬をさして、時間を空けずにアジマイシン点眼液を使用した場合、ほとんど効果が出ない可能性もあります。

複数目薬がある場合は、最低5分間は目薬の間隔を空けることも、しっかりと指導したいですね。

アジマイシン点眼液1%の注意点や保存方法など

アジマイシン点眼液1%の注意点

アジマイシン点眼液の添付文書には以下のような記載があります。

キャップをしたまま点眼容器を下に向け、数回振ってからキャップを開けて点眼すること。

緑内障治療薬のチモロールXE点眼液などにも記載がある注意点ですね。

目薬全般の注意点ですが、容器の先端がまつげなどに触れないように注意して使ってください。

アジマイシン点眼液1%の保存方法

開封前は2~8℃で保存ですが、開栓後は室温保存と記載があります。

アジマイシン点眼液1%は苦味が気になるかも

アジマイシン点眼液の主成分、「アジスロマイシン」はとても苦いです。

そのため、点眼後に苦味が気になる可能性があるのではないかと考えています。

点眼後しっかり目頭を抑えれていれば、少しはましかも知れませんね。

アジマイシン点眼液1%の妊婦・授乳婦への使用

妊婦・授乳婦への使用に関しては以下のような記載があります。

妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。周産期及び授乳期のラットに、最大で200mg/kgまでを経口投与した結果、臨床投与量の1500~3000倍の投与量である50mg/kg以上で出生児に軽度の発育遅延が認められたが、母動物には影響は認められなかった。

授乳婦
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。経口投与により、ヒト母乳中に移行することが報告されている。

妊娠中の使用に関して記載のある例は、通常目薬の使用では考えられないような濃度ではありますが、他により安全な選択肢があればあえて選択する必要はないと考えます。

アジマイシン点眼液1%の海外製品「AzaSite1%」の注意点について【参考】

日本の添付文書ではまだ情報が少ないので、海外で発売されている同一成分の「AzaSite1%」の情報もご紹介します。

※日本のアジマイシン点眼と全く同じではないので、参考情報として捉えてください。

AzaSite1%の用法用量

・細菌性結膜炎の治療には、最初の2日間は1日2回1適を、8〜12時間離して点眼、その後5日間は1日1回1滴点眼する。

日本の添付文書との違いは、最初の2日間の点眼時間を8~12時間離してと記載がある点ですね。

AzaSite1%のコンタクトレンズの使用

・細菌性結膜炎の徴候や症状がある場合、患者はコンタクトレンズを着用しないようにアドバイスされるべきです。

「アジマイシン点眼だから」ではなく、細菌によるコンタクトレンズの汚染という観点でやめたほうが良さそうです。

また、日本のアジマイシン点眼液には添加物に「塩化ベンザルコニウム」が含まれているので、少なくともソフトコンタクトレンズ着用のままの使用は推奨できません。

AzaSite1%の子どもへの使用

・1歳未満への安全性と有効性は確立されていない

AzaSite1%は1歳以上に使用可能です。

アジマイシン点眼液は、現在のところ7歳以上への使用を基本としている点はご注意ください。

AzaSite1%の保管方法

・未開封のボトルは2〜8℃で冷蔵保存してください。
・開封後、2〜25℃で14日間まで保存し、14日後処分する。

アジマイシン点眼液もほぼ同様です。
開封後の保存方法が日本では室温保存となっているのが細かい違いです。

現在のところ、日本の添付文書には「14日後に処分する」との記載は見当たりませんが、用法は最大で14日分です。

開封14日後には処分したほうが間違いを防ぐ意味でも良さそうですね。

AzaSite1%の主な副作用

・1~87歳の698人の患者における副作用で、最も報告されている副作用は「眼の刺激」で約1~2%の患者に発生しました。

薬が当たった部位の副作用がほとんどと考えて良さそうです。

以上、アメリカで販売されている、「AzaSite1%」の注意点など一部を抜粋しました。

日本で発売される「アジマイシン点眼液」とは違う点もありますが、ある程度参考になる部分もありそうです。

最後に

子どもの結膜炎などに処方される目薬は、ニューキノロン系の目薬ばかりでしたが、アジマイシン点眼の発売により新たな選択肢が出来ました。

ニューキノロンの小児使用への懸念(基本的に影響ないと思われますが)や、いきなりニューキノロンを使うことのよる耐性菌への懸念を減らせる可能性もあります。

 

薬剤耐性菌を減らすためにも、目薬も含めて抗生物質を適切に使っていきたいと思います。

目薬全般の注意点について、以下の記事でまとめています。

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