アドエアエアゾール・ディスカスの吸入方法と副作用や注意点【市販・通販なし】

アドエアエアゾール・ディスカスの吸入方法と副作用や注意点【市販・通販なし】

アドエア(エアゾール・ディスカス)は、気管支ぜんそくやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などの治療に使われる吸入薬です。

大人に使うことも多い薬ですが、こどものぜんそく治療にも使われる薬ですので紹介します。

なお、アドエアは市販薬はありませんし、Amazonや楽天などの通販でも買えるものではありません。
※そのような検索から辿りつかれるケースがあるようですので追記しました。

アドエアはぜんそく予防目的に使います

アドエアは吸入ステロイド(フルチカゾンプロピオン酸エステル)と吸入β2刺激薬(サルメテロールキシナホ酸塩)の合剤です。

吸入ステロイドは気管支の炎症を抑えるので予防的に使われ、β2刺激薬は気管支を広げる目的でぜんそくの悪化時などに使われます。

 

アドエアに配合されているβ2刺激薬はある程度長時間効果があり、互いの効果を増強するとされています。

小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2012の6~15歳のステップ3、追加治療にもアドエア(SFC)への変更の記載もあります。

 

オルベスコパルミコートなどの単剤の吸入ステロイドを使用した上で、効果不十分の場合にアドエアに切り替えることが多いでしょう。

ちなみに、日本の添付文書では5歳から、アメリカの添付文書では4歳からとされています。

 

ぜんそくに使われる場合、アドエアは予防目的で使われます。

処方された場合は、ぜんそく発作の時だけ使うのではなく、基本的に毎日続けましょう。

普段は単剤の吸入ステロイドを続けて、悪化時だけ変わりにアドエアを使うように指導されることはあるようです。

発作を速やかに抑える薬ではないので間違えないようにしましょう。

子どもにも使用可能な類似薬としてフルティフォームがあります。

アドエアの吸入方法

子どもに処方されるのは、アドエア50エアゾールもしくはアドエア100ディスカスです。

アドエア50エアゾール2吸入=アドエア100ディスカス1吸入に相当します。

 

ぜんそくの状態により量も変わりますが、1日2回アドエア50エアゾールを1吸入、もしくは1日2回アドエア50エアゾールを2吸入(アドエア100ディスカス1吸入)が基本の量です。

医師から指示された量を守って使用して下さい。

 

6歳ぐらいの子どもに使う場合は、エアゾールのほうが吸入力が弱くてもしっかり吸えるため、アドエアエアゾールの方が多く使われると思います。

エアゾールを使う場合、押すと吸うのタイミングを合わせる必要があるので、うまく出来ない場合はエアロチャンバーなどの吸入補助具を使うこともあります。

 

アドエアエアゾールを使用する場合は、よく振ってから吸入してください。

新しい容器を初めて使う場合は4回空打ち、1週間以上使わなかった場合は2回空打ちが必要になります。

添付の指導箋を確認した上で使用して下さい。

アドエアの副作用や注意点【牛乳アレルギー・うがいなど】

アドエアの副作用について、インタビューフォームから引用します。

成人:国内臨床試験において、調査症例 432 例中、75 例(17.4%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、嗄声 30 例(6.9%)、口腔カンジダ症 16 例(3.7%)であった(承認時)。
海外臨床試験において、調査症例 1111 例中、153 例(13.8%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、嗄声 25 例(2.3%)、頭痛 24 例(2.2%)、口腔咽頭カンジダ症 19 例(1.7%)、咽喉刺激感 18 例(1.6%)であった(承認時)。
小児:国内臨床試験において、調査症例 91 例中、2 例(2.2%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その内訳は、振戦、肝機能検査異常各 1 例(1.1%)であった(承認時)。
海外臨床試験において、調査症例 428 例中、10 例(2.3%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、鼻炎 2 例(0.5%)であった(承認時)。
引用:アドエアインタビューフォーム

嗄声(声がれ)や、口腔カンジダなどが問題になることがあります。

また、こどもへ使う場合は、身長に影響が出る可能性を否定できませんが、ぜんそくの治療を優先すべきです。

 

当然ですが、過量投与にも注意が必要です。

アドエアには2種類の薬が含まれているので、それぞれの成分の過量投与について考えなければいけませんが、β2刺激薬の過量投与が問題になることが多いのではないかと思います。

β2刺激薬は通常量でもふるえや動悸などの副作用が出ることもあるので、過量投与については必ず注意しましょう。

小さいお子さんの手の届くところに置かない、吸えたかどうか分からなくても何度も吸わない、などは注意しましょう。

 

アドエアディスカスを使用する場合は、振ったり空打ちしたりは必要ありません。

添加物として乳糖が含まれているので、牛乳アレルギーの方には注意が必要です(絶対に使えないわけではありません)。

 

アドエア吸入後は、エアゾールやディスカスに関わらず、必ずうがいをするようにして下さい。

うがいをすることで、副作用で報告が多かった、嗄声や口腔カンジダ症の予防につながります。

どうしてもうがいが出来ない場合は、水分を飲んで口の中をきれいにしましょう。

 

アドエアを使用する場合は、長期間使用することが多いと思います。

適切に使うようにしてください。

 

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